久々にコの字で超~~~~~嫌な思いをした。
全然、本当に全然、今まで芝居の話したり劇団時代に応援してくれたりしていた人ではない常連さんに、
「芝居はやってるのか」
と突然聞かれ
「今はやってないですね」
と答えたら
「堕落して辞めたんだろ」
と本気で言われた。
あんたに
そんなこと言われる
筋合いはない!
とどんだけ言ってやろうと思ったことか。でも、この人と喧嘩したところでなんのメリットもないし、こんな人のためにエネルギー使うのも嫌だったので、ただただ聞いてたら、お連れのお客さんが
「そんなことないよね。あなたには関係ないじゃない。ごめんね。」
と言って最後まで謝ってくれた。
「堕落して辞めたんだろ」
なんて、初めて言われました。そう言われたとき、「この人がお父さんじゃなくてよかった」と真っ先に思った。
努力は見えないところでするから努力なんだろ!1本の芝居を作るのにどんだけ大変な思いとキツイ思いをして作ってると思ってんだ!なにをもって「堕落」なんて言葉を使ったんだ!一度でも私の役者姿を見たことがあるのか!
結果的に私は "芝居" という世界から退いたけれど、正確にはまだ役者自体は続けてるけど、確かに売れなかったけど、生半可にやってなんかいないし、そんな舞台を作ったこともありません。それは劇場まで足を運んでくださった人が見てくれていたはず。
それとも、みんな言葉にしないだけで「中途半端に辞めた」とか「諦めた」とか「堕落した」とか思ってるんだろうか?
後々いろいろ思いが巡って悲しくなった。
退団、解散するとき、それまで応援し続けてくれた家族や周りの人たちに、一体なにをどう伝えたらいいのかわからず、ただ事実を報告するだけになってしまい、いつもなんだかもやもや心に引っ掛かっていたのだけれど、ある時帰省して、東京に戻るために駅まで送ってくれる車の中で、芝居の話になったときにお母さんが
「でも10年、よく頑張ったよ」
と何気なく言った。
高校の演劇部時代の頃からずっと見ていてくれたお母さんが、ぽつっと何気なくそう言ってくれて、私はその時、「あぁ、私のしてきたことと、出した答えは間違ってなかったんだ」と思った。役者という職業から別の道に一歩踏み出すことをきちんと決断できずにいた背中を「次に進んでいいんだよ」と押された気がした。
やはり母は偉大。
だから今私は役者から「転職」する決意がかたまり、もう前しか向いてない。
「堕落した」と言ったお客さんの目に、果たしてどんな姿の私が映っていればよかったんでしょう。考えても意味がわかりません。
自分の知らない世界を生きる人の努力や苦労を認めることから入れない人はなんにも受け入れられないんだろうなと思います。
こんな親には、こんな大人には、絶対ならないようにしよう。
とはいえ、フル稼働していた劇団時代7年を「堕落」という一言で片付けられてしまったのは、なかなか堪えました~。