日本語の壁
10月末から
日本語会話を担当させてもらっている
Kくんは
9月末に日本にやってきた。
一緒に来日したお母さんも
それほど日本語が話せないらしく
学校の手続きなどは
《日本語が話せるひと》を連れてきたという。
Kくんは日本に留学している親戚がいると言っていたから
おそらくそのひとなのではないかと
ワタシは想像している。
そのひとが親戚の方だったとしても
近くに住んでいるわけでは
ないらしい。
日本語の壁は不便だと勝手に想像する。
生活に必要なこと
買い物は欲しいものをレジに運び
クレジットカードを出せば
何とかなるけれど
病院に行く
役所などで手続きをする
子どもを育てる
そういうときには言葉がどうしても必要になる。
言葉が不慣れな土地で生活する
というのは不便の連続で
生活には読む・聞くがいかに必要かを痛感させられる。
勉強するのは人のため~♪
宿題するのは先生のため~♪
小学生のころは本気でそう思い
教員だった父に当てつけで歌ったりもしたものだけど
小学生時代のめんどくさい
漢字の書き取りや九九を覚えるということは
生きていく上で必要最低限の知識で。
子どものころにやっておかないといけないことを
今、小3のムスメには身をもって伝えている(笑)
日本人のメンタル、中国人のメンタル
中国に留学していた時
ワタシは幸運にも2か月目くらいのときに
日本語が話せる中国人教授ご夫婦を紹介されたから
病院や学校の手続き等は
すべてフォローしてもらい
その姿を横で見ながら、中国語や中国の流れを覚えた。
あの出会いがなければ心が折れていたかもしれない。
早期退職をして留学してきた50代後半の方は
異国+発展途上中の中国の不便さに嫌気がさし、
当初の予定を変更して帰国していた。
不便に対するメンタルは
日本人より中国人の方が強い気がする。
日本で出会った中国人の多くは
アグレッシブで
少しの不便は読み込み済くらいの余裕さえ感じる。
一方で日本人は
嫌なことを徹底して回避したり
メンドクサイことには関わらない
そんな風に感じることが多い。
話をKくんに戻す。
Kくんは、日本語はまだだけど
中国語のほかに英語も話せる。
(滞在国が日本以外の先進国であれば特に問題はないはず)
しかし、ここは日本。
一般社会の中で英語で会話ができる人はまだまだ少ない。
(ワタシも英語がダメなので中国語に走ったのだけど(笑))
小学校の先生も御多分に漏れず
Kくんとの共通言語が無く、言語での会話が成り立たない。
担任の先生は戸惑い
副校長先生は積極的なものの、知ってる単語が限られているし
そもそも中国人との関りがいまいちよくわからず、、、
といったところだろうか。
・・・
新しい場所というのは
国内であっても、それが都内であったとしても
その『違い』に人は戸惑うものだ。
『違い』というのは
慣れるまでストレスになる。
違いで戸惑っていないか
Kくんに確認したかった。
中国と日本の違い
中国の小学校との違いで
困っていることがあるか
聞いてみた。
困っていることはないけど
お昼休みが無いのが違うよと。
香港も中国本土も
給食の後、お昼寝をする昼休みが
あるらしい。
大学は確かに
ランチのあと3限までの時間が
ゆったりあった。
朝は8時から授業が始まるから
同じ校内に寮があるとはいえ
慌ただしい。
そのせいもあって2限が終わるとホッとする。
ランチを食べ終わると
『昼寝に帰りなさい』と言われ
自室で昼寝をしたものだった。
これは大学だから
大学特有のものだと思っていたら
小学校からなんだそうで。
Kくんいわく
中国ではあまり眠いという人がいないんだけど
きっと昼寝があるからだと思う
と。
たしかに。
日本ではランチの後
「眠い~」はともに頑張りましょう的なあいさつのように
お互いよく言っている。
Kくんは2時間の授業のとき
水筒を持ってこないし
トイレにも行かない。
それだけでなく
休憩中も休まずに
問題を解いたりするくらい意欲的なので
我慢と遠慮はしないでね、と伝えると
大丈夫、すぐ授業は終わるし
すぐ下校時間になるから、と。
留学1か月目のワタシは
毎日ハプニングの連続だったし
読み書きはできるものの
聞き取れないことで
ストレスを抱え
かなり疲れていた。
でも、Kくんは明るいし、元気。
6年生まで滞在し
帰国して中学生になる予定らしい。
中国でワタシがしてもらったたくさんのことを
Kくんに少しでも多くお返ししたい。
