家の本棚の整理をしています。
これまで購入してきた本がたくさんあり、本棚に入らなくなったからです。
これまで読んできた本を手放すというのは、少しさみしいものです。
同時に、思い切りも必要です。
二度とその本を読めないかもしれないからです。
例え、内容が頭に残っていなくても。
そういうわけで、少し気になる本は、
下線を引いた部分を中心に読み返してみることにしました。
(しかし、こうすると、本棚の整理が進まないのですが、、、)
今日、読んだ本は、
松岡正剛の『多読術』です。
本好きの友人から勧められた著者の本です。
以前下線を引いた部分を、本日読み返してみました。
すると、再び印象に残った部分がありましたので、それらを備忘録として抜粋してみます。
(1)世の中に酒豪がいるように、「本豪」もいる。(p.8)
(2)本は二度以上読まないと読書じゃない。(p.16~17)
(3)何か自分に大きな動機を作らないと、二度、三度とは読めませんね。(p.17)
(4)本と親しませる工夫
この先生は、授業でよく本の話をしてくれた。(中略)また、本を自分で買うということを勧めた。
「自分で買ってきた本を学級文庫として置いてよろしい。その本代は学級費から出してあげる」という。(中略)
自分が買ったものをみんなも見ると思うと、気持ちが妙に弾みます。これも本と親しむにあたって、とても大きかった。(p.31)
(5)ぼくは自分がつきあったり、師事したくなった人の本は必ず読むということを徹底するんです。これも実は多読のコツかもしれません。(p.47~48)
(6)読書は、「鳥瞰(ちょうかん)力と微視力」が交互に試される。(p.48)
(7)ぼくは社会人になって何度か引っ越しをするんですが、
たいてい図書館の近くを選んだ。(p.49)
(8)ぼくはこの杉浦スタジオで本のしくみの一部始終を教わるんです。
読書がおもしろくなるには本の造本にも関心を向けた方がいいですよ。(p.59)
(9)読書の醍醐味って何ですか?
ー一言でいえば、道のパンドラの箱が開くということです。
(中略)
無知から未知へ、それが読書の醍醐味です。
(10)読書というのは、書いてあることと自分が感じることが「まざる」ということなんです。(p.76)
(11)読書はコラボレーション(p77)
(12)読みながらマーキングすることを勧めています。(p.82~83)
(13)最初は好きなマーキングでいいんでしょうね。(p.83)
(14)なぜマーキングするといいのか?
ーひとつは読みに徹することができるということ、集中しやすいんですね。
もうひとつは、再読するときにやたらにスピードが上がるということです。(p.84)
(15)ただし、この「マーキング読書法」は、本をきれいにしておきたいという人には向いていません。
また、いつか古本屋さんに売りたいという人にも、ご法度です。
ぜんぜん値がつきませんから(笑)。(p84)
(16)本をノートとみなすことなんです。本は、すでにテキストが入っているノートなんですよ。(p.86)
(17)音読から黙読へ
あまり知られていないことですが、
人類が黙読(目読)できるようになったのは、おそらく14世紀か16世紀以降のことです。それまではほとんど音読です。p.105~106)
(18)読書法
ぼくがもっとも感動して真似したのは、兵庫県の但馬に「青谿書院(せいけいしょいん)」を開いた池田草庵(そうあん)の方法ですね。但馬聖人と呼ばれた。のちに吉田松陰が真似をするのですが、二つありまして、
ひとつは「えん巻(えんかん)」というもので、これは書物を少し読み進んだら、そこでいったん本を閉じて、
その内容を追想し、アタマの中ですぐにトレースしていくという方法です。
これはいまでもぼくもときどき実践しています。おススメします。
もうひとつは、「慎独(しんどく)」で、読書した内容をひとり占めしないというもの、必ず他人に提供せよという方法です。独善や独占を慎むということ。これにはぼくは感動して、なるべく実践してきたと思いますね。
「千夜千冊」を無料公開したのも、そこから出てます。(p.129~130)
(19)読書をもたらす書き手のほうも、実はわからないから書いている。
多くの著者たちも作家たちもそうですよ。自分では「わからないこと」だから、その本を、その作品を書いている。(p.138)
(20)「いつ、これだけの本を読まれるんですか」とうっかり尋ねたんですね。そうしたら、下村さんはちょっと間をおいて、「君はいつ食事をしているのかね」と言われた。これでハッとした。(p.141)
(21)松岡正剛のキーブック
ぼくは宮本常一の『忘れられた日本人』とともに、折口の『古代研究』と
網野さんの『日本の歴史をよみなおす』の三冊のキーブックがあれば、
日本社会や日本文化に関する歴史的世界観の多くのものが列挙できると思っています。
実際にもこの三冊から、
おそらく800冊くらいの重層的な読書系譜をドローイングしたことがありました。(p.156)
忘れられた日本人 (岩波文庫)/宮本 常一
¥735
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折口信夫全集 第2巻 古代研究 民俗学篇1 (中公文庫 S 4-2)/折口 信夫
¥1,050
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日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)/網野 善彦
¥1,260
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(22)いい本にめぐり会う打率
「いい本」にめぐり会う打率は最高でも3割5分くらいがいいところだということです。ふつうは2割5分くらい。(p.172)
(23)井上ひさし
その「鳥の目」と「足の目」について、ぼくが以前から尊敬しているのは、井上ひさしさんの方法ですね。
井上さんは戯曲を一本書くたびに100冊から300冊くらいの本を読む人ですが、そのときたいてい「年表」と「地図」を丹念に自作する。
戯曲全集に一部入っているので、見られるといい。驚きますよ。(p.178~179)
本当に印象に残った部分を精査してまとめても、23か所にもなりました。
この方、すごい本豪です。
多読術 (ちくまプリマー新書)/松岡 正剛
¥840
Amazon.co.jp
こちらもどうぞ。
松岡正剛の『千夜千冊』(HP)。
個人的に一番印象に残ったのは、(18)のいわゆる「追想法」。
本を読んだ後に、目次をみて、
要約が言えるか確認する方法。
これは、頭に残す読書をするうえで効果的な方法と言えるかもしれません。
あ、本棚整理に戻らないと・・・。
これまで購入してきた本がたくさんあり、本棚に入らなくなったからです。
これまで読んできた本を手放すというのは、少しさみしいものです。
同時に、思い切りも必要です。
二度とその本を読めないかもしれないからです。
例え、内容が頭に残っていなくても。
そういうわけで、少し気になる本は、
下線を引いた部分を中心に読み返してみることにしました。
(しかし、こうすると、本棚の整理が進まないのですが、、、)
今日、読んだ本は、
松岡正剛の『多読術』です。
本好きの友人から勧められた著者の本です。
以前下線を引いた部分を、本日読み返してみました。
すると、再び印象に残った部分がありましたので、それらを備忘録として抜粋してみます。
(1)世の中に酒豪がいるように、「本豪」もいる。(p.8)
(2)本は二度以上読まないと読書じゃない。(p.16~17)
(3)何か自分に大きな動機を作らないと、二度、三度とは読めませんね。(p.17)
(4)本と親しませる工夫
この先生は、授業でよく本の話をしてくれた。(中略)また、本を自分で買うということを勧めた。
「自分で買ってきた本を学級文庫として置いてよろしい。その本代は学級費から出してあげる」という。(中略)
自分が買ったものをみんなも見ると思うと、気持ちが妙に弾みます。これも本と親しむにあたって、とても大きかった。(p.31)
(5)ぼくは自分がつきあったり、師事したくなった人の本は必ず読むということを徹底するんです。これも実は多読のコツかもしれません。(p.47~48)
(6)読書は、「鳥瞰(ちょうかん)力と微視力」が交互に試される。(p.48)
(7)ぼくは社会人になって何度か引っ越しをするんですが、
たいてい図書館の近くを選んだ。(p.49)
(8)ぼくはこの杉浦スタジオで本のしくみの一部始終を教わるんです。
読書がおもしろくなるには本の造本にも関心を向けた方がいいですよ。(p.59)
(9)読書の醍醐味って何ですか?
ー一言でいえば、道のパンドラの箱が開くということです。
(中略)
無知から未知へ、それが読書の醍醐味です。
(10)読書というのは、書いてあることと自分が感じることが「まざる」ということなんです。(p.76)
(11)読書はコラボレーション(p77)
(12)読みながらマーキングすることを勧めています。(p.82~83)
(13)最初は好きなマーキングでいいんでしょうね。(p.83)
(14)なぜマーキングするといいのか?
ーひとつは読みに徹することができるということ、集中しやすいんですね。
もうひとつは、再読するときにやたらにスピードが上がるということです。(p.84)
(15)ただし、この「マーキング読書法」は、本をきれいにしておきたいという人には向いていません。
また、いつか古本屋さんに売りたいという人にも、ご法度です。
ぜんぜん値がつきませんから(笑)。(p84)
(16)本をノートとみなすことなんです。本は、すでにテキストが入っているノートなんですよ。(p.86)
(17)音読から黙読へ
あまり知られていないことですが、
人類が黙読(目読)できるようになったのは、おそらく14世紀か16世紀以降のことです。それまではほとんど音読です。p.105~106)
(18)読書法
ぼくがもっとも感動して真似したのは、兵庫県の但馬に「青谿書院(せいけいしょいん)」を開いた池田草庵(そうあん)の方法ですね。但馬聖人と呼ばれた。のちに吉田松陰が真似をするのですが、二つありまして、
ひとつは「えん巻(えんかん)」というもので、これは書物を少し読み進んだら、そこでいったん本を閉じて、
その内容を追想し、アタマの中ですぐにトレースしていくという方法です。
これはいまでもぼくもときどき実践しています。おススメします。
もうひとつは、「慎独(しんどく)」で、読書した内容をひとり占めしないというもの、必ず他人に提供せよという方法です。独善や独占を慎むということ。これにはぼくは感動して、なるべく実践してきたと思いますね。
「千夜千冊」を無料公開したのも、そこから出てます。(p.129~130)
(19)読書をもたらす書き手のほうも、実はわからないから書いている。
多くの著者たちも作家たちもそうですよ。自分では「わからないこと」だから、その本を、その作品を書いている。(p.138)
(20)「いつ、これだけの本を読まれるんですか」とうっかり尋ねたんですね。そうしたら、下村さんはちょっと間をおいて、「君はいつ食事をしているのかね」と言われた。これでハッとした。(p.141)
(21)松岡正剛のキーブック
ぼくは宮本常一の『忘れられた日本人』とともに、折口の『古代研究』と
網野さんの『日本の歴史をよみなおす』の三冊のキーブックがあれば、
日本社会や日本文化に関する歴史的世界観の多くのものが列挙できると思っています。
実際にもこの三冊から、
おそらく800冊くらいの重層的な読書系譜をドローイングしたことがありました。(p.156)
忘れられた日本人 (岩波文庫)/宮本 常一
¥735
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折口信夫全集 第2巻 古代研究 民俗学篇1 (中公文庫 S 4-2)/折口 信夫
¥1,050
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(22)いい本にめぐり会う打率
「いい本」にめぐり会う打率は最高でも3割5分くらいがいいところだということです。ふつうは2割5分くらい。(p.172)
(23)井上ひさし
その「鳥の目」と「足の目」について、ぼくが以前から尊敬しているのは、井上ひさしさんの方法ですね。
井上さんは戯曲を一本書くたびに100冊から300冊くらいの本を読む人ですが、そのときたいてい「年表」と「地図」を丹念に自作する。
戯曲全集に一部入っているので、見られるといい。驚きますよ。(p.178~179)
本当に印象に残った部分を精査してまとめても、23か所にもなりました。
この方、すごい本豪です。
多読術 (ちくまプリマー新書)/松岡 正剛
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松岡正剛の『千夜千冊』(HP)。
個人的に一番印象に残ったのは、(18)のいわゆる「追想法」。
本を読んだ後に、目次をみて、
要約が言えるか確認する方法。
これは、頭に残す読書をするうえで効果的な方法と言えるかもしれません。
あ、本棚整理に戻らないと・・・。