義弟の変節
義弟が、わたくしが実家のクローゼットにしまっておいた『金色のガッシュ』にはまっているらしい。
妹によると、最初はやはり置いてあった『名探偵コナン』を見つけて読んでいたのだが、そのときそばにあった『ガッシュ』については、
「お義姉さん、こんなん読んでんの?」
と、おどろき呆れ、せせら笑っていたらしい。
確かに、『ガッシュ』のコミックスは見た目からして『コナン』の数倍ぐらいちゃきちゃきの少年マンガだ。
一見すると、知的で高尚そうな義姉が読むのにふさわしい書物とは思えなかったのも仕方がない(※ところでこの文章の「一見すると」は、直後の「知的で高尚そうな義姉」という部分ではなく、「思えなかった」という部分にかかることを注意いたしておく)。
ところが、『コナン』を読み終わってしまったため、(おそらく)ためしに読んでみたところ、今ではすごい勢いでばりばり読み進めているもよう。
ホラね!?
ところでわたくしの名誉のために言っておくが、クローゼットのなかには『名探偵コナン』『金色のガッシュ』のほかにも、グラミン銀行の創設でノーベル賞を受けたムハンマド・ユヌスの自伝などといった、一般向けの書籍も置いてあるのだ。