コロナは風俗業界にも影響がありました。





元々普通に仕事をしていた女の子たちも
働き口がなくなって風俗へ流れてくる
子も多く新人ラッシュ。








そしてお客様側も、
皆さんリモートワークになり
既婚者の方や彼女と同棲している方は
自由に出歩けず風俗へ行けない。






あるいはしっかりと自粛している方も
多くいらっしゃったので、
私のお客様もお店全体的にも
ひと月前よりだいぶ減り、
私の収入も低下、お店自体も経営が危うくなり
泣く泣く閉店をすることになりました。







仲の良いスタッフさんたちと別れるのが辛くて
閉店することが嫌でしたが、
系列店ならまだ客足もそう遠のいていないとのことで
わたしの在籍していた店舗から
ほとんどの女の子が移籍しました。






わたしには唯一、お店で仲良くなった女の子が
いたのですが、その子も移籍するとのことだったので
わたしも一緒についていくことに。









移籍してから気づいたのは、
同じ店でもお客様の色が違うということ。

もちろん求めるものも変わってくるわけで、
前店舗で上位だったわたしは
移籍してからは全くお客様を獲得できずに
お茶を引く毎日。
(風俗で“お茶を引く”という意味は
お客様が1人もつかずに終わるということです)







今までありがたいことに忙しくしていたわたしには
そのギャップがすごくキツかったです。


待機していると隣の部屋の女の子に
どんどんお呼びがかかって、
その声が聞こえてくるのも辛かったし

すごく性格悪く聞こえるだろうけど
仲のいい女の子は今までのお店では
指名率がよくなかった方なのに、
移籍してからはわたしよりも人気が出て、
その現実もとても辛かったです。






わたしは今まで気づかないうちに
その子のことを自分より下にみていたのか、
と自分が嫌になりました。











移籍してすぐ、このままだと収入がなく
生活ができなくなる恐怖もあり、
泣く泣く新しいお店を探すことに。








今まではオナクラや回春エステなど、
割とライトな方の風俗店で働いてましたが、
お金になるならもう我慢しなければならないと
初めてのヘルス店へ挑戦することに。







ヘルス店も本来は本番行為はありません。


ですが、オナクラなどよりもよりディープな
内容を求められます。


全裸はもちろん、キスや舐める行為など。






わたしはそれが嫌でライトな方の店を
選んだのになぜヘルスへ行こうと思ったのか。







もう稼げるならなんでもしてやると
どうでもよくなっていたのです。





どんなに嫌なことでも
帰りに電車で泣くことになっても
お金がなければ生活ができない。




収入がない日でも
毎月の支払いは必ずやってくる。







生きるためにはわがままを言ってられない。













2020.5下旬



風俗をはじめて約1年が経っていました。







とても怖い選択だったけれど
ヘルスのお店へ面接へ行くことに。











普段その辺の若い男の子とワンナイトで
するような行為はもちろん、
他にも私の知らないプレイ内容もあり、
面接の際に動画を見せられ勉強をしました。笑









その日にそのまま体験入店だったのですが、
動画を見ている間に予約が埋まるという
驚きの現象が起きました。笑








何もわからない状態でお客様のところへ
車で送られるわたし。




全然違う場所で出会うお客様は
どんな方なのかすごく緊張していましたが、
驚くことに今までのお店よりも
客質は良く、ほとんどのみなさんとても優しい方で
お店のプロフィールに書いてあった
私の好きな食べ物を差し入れしてくれる方や
ご飯を買っておいてくれる方、
私がつく前にお風呂を沸かしておいてくれる方、
お土産を買ってきてくれる方など


とても優しく甘やかしてくれる方ばかりで
少し太ってしまうくらいでした。笑笑









移籍してから1週間、
出勤する度毎回満員御礼で、
待機を経験することなく
1人終わるとそのまま車で次の方の元へ
行きUPの時間を過ぎて事務所へ戻る
というバタバタな日々でしたが、


効率よくお金を稼ぐことができました。






変に本番行為を迫ってくる方もいなくて
割と平和に過ごせていました。







その日も満員御礼だったのですが、
わたしの予約の都合上
夜の時間は短いコースしか入れない状態
だったのですが、『最後のお客様が
どうしてもロングで入りたいと言っているんだけど終電ギリギリになっちゃうけどとってもいい?』
とお店から連絡があり、
わたしは特に次の日予定もなかったし
入ればその分お金にもなるので、


「終電に間に合えば大丈夫」




とOKをしました。










あのときOKしていなければ
彼とは出会えていませんでした。








その最後のお客様が
彼だったのです。








その日の最後のお客様でもあり、
わたしの風俗経験最後のお客様でもありました。