昨日、枝野幸男が立憲民主党の樹立を宣言して、次の衆院選の構図はようやく固まったようだ。
しかし、枝野が新党を樹立したところで、選挙の結果が大きく変わることはあるまいという諦觀は、前回のエントリーで書いたことと大差ない。少し情勢が変わったと思うのは、安倍の自民党が勝ちを収める可能性が高くなってしまったというぐらいのことであるが、自民党が勝つ分は希望の党の当選者数が減るだけのことであろうから、これも前回のエントリーに書いたように、結局のところアンチ護憲の極右集団が国会の大勢を占めるであろうことに変りはなさそうだ。
小池百合子は誤ったと思う。世間の注目を一身に浴びて、うれしさのあまりのぼせ上がって、極右の本性を剝き出しにしたのは誤りであった。民進党のリベラル派を排除するなどと明言しなければ、枝野も新党樹立に走るところまでは行かなかっただろう。そうすればリベラル層のうち一定層を取り込むことができて、自民党に肉迫することは可能だったと思う。小池の調子に乘った大はしゃぎが、風向きを変えてしまった。自業自得である。
それにしても、小池がメディアに露出して、言いたい放題を重ねているあいだ、前原誠司はいったい何をしていたのであろう。自党の議員たち候補者たちが、小池の暴挙に晒されて右往左往しているのに、前原は僚友たちの擁護もせず、ひたすら隠遁してしまったかのように見える。前原に一国の有力な政党のリーダーであるとの自覚があるのなら、小池がメディアにリベラル排除だ選別だと触れ回るのを、みずから明確に否定して小池と対峙せねばならなかったと爺庵は思う。口約束だけで根幹的な部分の協定すら文書合意をせずに、一気に希望の党への合流に突っ走った前原とは、愚かというのも過褒な、箸にも棒にもかからぬ輩であったとしか評しようがない。結局のところは、先の代表選挙で前原を選んだ民進党の党員が愚かであったということなのだろうが、その愚かさは日本の未来に取り返しのつかない汚点を残すことになるであろう。
せめてもの腹いせに、京都2区の有権者に、前原誠司の落選を呼びかけよう。この輩に政治家の資質などないと思うし、名前とは裏腹に誠実さのかけらもないと思うからである。
もはや日本は先祖返りした極右国家に進みつつある。期待できるのは枝野の新党と共産党ぐらいのものでしかない。