中小企業むけ人事労務サービス・採用支援などをおこなっております

COH社労士事務所 人事労務LABO代表の石黒です。

ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は人事労務のこと。

 

今年、2025年10月1日に、

改正育児介護休業法の施行の一部として、

事業主は3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に関して

5つの選択して講ずべき措置の中 から、

2つ以上の措置を選択して講ずる必要が生じます。

(事業所単位や職種毎で選択する内容を変えることも可)

 

●資料:育児介護休業法 改正ポイントのご案内(引用:厚労省HP)

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf

 

具体的に示された5つの選択して講ずべき措置は以下の通りです。

_______________________________

 

① 【始業時刻等の変更】

・一日の所定労働時間を変更せず、

 フレックスタイム制、もしくは始業または終業の時刻を繰上げまたは繰下げる制度(時差出勤の制度)。

 

(補足) 

・上記について始業就業時刻の変更について一律の制限はなく、

 保育所等への送迎の便宜等を考慮して、

 通常の始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度である必要があります。

 

 

② 【テレワーク等(10日以上/月)】

・一日の所定労働時間を変更せず、月に10日以上利用できるもの。

 

(補足)

・例えば3ヵ月で30日にするなど、 1年を平均して月10日以上とする設計も可能です。

 

 

③ 【保育施設の設置運営等】

・保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与をするもの (ベビーシッターの手配および費用負担等)。

 

(補足)

・福利厚生サービスを提供する企業と契約し、

 年会費を支払ってカフェテリアプランの一環として、

 社員が当該企業が提携するベビーシッターのサービス等を

 選択・利用できる制度も可能とされています。

 

 

④ 【養育両立支援休暇の付与】

・一日の所定労働時間を変更せず、年に10日以上取得できるもの。

 (1年単位で見た時に計10日以上の休暇が確保されていれば問題ありません)

 

(補足)

・育児目的休暇とは別に設定し、原則時間単位で利用できるようにする必要があります。

 また、取得理由は、就業しつつ子を養育するのに資するものであれば、

 いかなる目的に利用するかは労働者に委ねられることとなります。

 なお、労働者は労務を提供しないため、無給でも問題ありません。
 

 

⑤ 短時間勤務制度

・一日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの。

_______________________________

 

以上の中から事業主は2つ以上の措置を講ずる必要があるとされています。

 

また、事業主が講ずる措置を選択する際には、

過半数組合等からの意見聴取の機会を設ける必要があり、

この意見聴取は施行日より前におこなう必要があるとされていますので、

遅くとも9月中には実施しておくことを要しますので、

早めに着手しておく必要があります。

 

この意見聴取については形式は問わないため、

方法は書面、対面、メールなどで構いませんが、

意見聴取の記録として書面やメールが好ましいとされています。

 

その他、詳細については、

Q&Aも公表されていますのでご一読をお勧めいたします。

 

令和6年改正育児・介護休業法に関する Q&A  令和7年1月 23 日時点(引用:厚労省HP)

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001383031.pdf

 

なお、これに伴い就業規則の変更も必要となりますので、

作成から届出までの準備期間なども考慮しますと、

少なくとも8月の早い段階から着手をしておく必要があると思われます。

 

今年に入って育児介護休業法の改正事項が続いていますが、

現在の労働環境において会社としては従業員の確保や長期勤続にむけて、

整備が必須の事項と言え法改正に関わらず取り組みが求められる所ですので、

準備を後回しにせずに進めていくことが事業運営に寄与するものと思います。

 

今回もブログをご覧いただきまして、

誠にありがとうございました。