今日はナツメグです。
ナツメグって葛根湯にも入っているのだそうです。
やっぱりスパイスって体を温めてくれるのですね。
ナツメグ/メース![]()
分類 ニクズク科 非耐寒性常緑高木
英名 Nutmeg /Mace
和名 ニクズク/ニクズクカ
学名 Myristica fragrans
属名 Myristica myristicos(芳香の軟膏または香油)から
種小名 fragrans 芳香のある
原産地 モルッカ諸島
気候型 熱帯性気候型
エピソード![]()
ナツメグについて最も古い文献として、紀元前1,000年頃のインドのバラモン教の聖典
『ヴィーダ』にヒンズー人の医師たちが、頭痛、熱病、整腸などの薬用に使っていたことが
記述されています。
紀元1世紀にディオスコリデスは赤い樹皮のことについて述べています。
プリニウスも「それがどんな植物から採れるものか解らないが、この赤い樹皮とハチミツを
煮たものは、赤痢の治療薬になる」と『博物誌』に記述していますが、これが本当に「ナツメグ」
であったかは定かではありません。
11世紀ごろ、アラビアのアビケンナ(イブン・シーナ)が記述したものが最も確かな知識と
いわれています。
その後ヨーロッパには14~16世紀の大航海時代、ナツメグやペッパーの産地の領有地争い、
すなわちスパイス戦争を経て広まっていきました。
オランダは1600年ごろから約150年間にわたってナツメグの貿易を独占しました。
今ではナツメグは世界4大スパイスのひとつとして、シナモン、クローブ、ペッパーとともに
広く世界で利用されています。
日本では15世紀半ばに描かれた『撮壌集』(室町時代の国語辞典)の中に「ナツメグ」の
記載がありますが、その後、嘉永元年、長崎に苗木が渡来し「ししづく」と呼ばれていました。
利用法![]()
利用部位 種子(ナツメグ) 仮種皮(メース)
味と香り 甘い刺激的な香りとほろ苦さ
料理 肉料理(ハンバーグ、ミートローフなどひき肉料理) 魚料理(臭み消し) 野菜料理やクッキー、
ケーキ、パイ、プディングなどの焼き菓子に使います。
健康と美容![]()
成分はミリスチン、α-ピネン、オイゲノール、ゲラニオール、リモネン、ターピネオール、
ジペンテン、イソオイゲノール、リナロール、ボルネオール、サフロールなどを含みます。
食欲不振、誇腸、腹部膨満感、腹痛などの胃腸機能の改善薬として芳香性胃腸薬に
使われています。
また、抗炎症作用や抗菌作用があり、フケやニキビの発症を防ぐ効果もあります。
漢方では「ニクズク」と呼ばれ、下痢止め、腹痛、消化不良などの生薬として使われています。
注意 多量の使用は肝臓障害を引き起こす恐れがあるので注意。
ハーブインストラクター講座 STEP2 60種のハーブ補遺2 より引用
