ある管理組合の理事長を経験された方とお話をする機会があった。
このマンションを管理しているのは、某誌の管理会社評価ではトップクラスだが、実際には数年前社員による管理組合費の私的流用が繰り返された会社だ。
お話の概要は、
マンション管理組合との委託契約で月1回のマンション敷地内を含む設備点検の項目がある。
点検方法は目視点検。
ところが、
排水溝の周辺の敷地が陥没(区側の部分も含めて)していることから、区側が調査したところ、地価の土砂が流されているということだった。
原因は、排水枡が沈下し、排水管がずれてしまい排水が地中に流れ土砂を運んでしまったため。
理事長が管理会社を問い詰めたところ、
「目視点検だから、排水関係のマンホールの蓋を開いたことはない」との回答だったのこと。
なるほど、超大手らしい「木で鼻をくくった」回答ではあるが、「善良なる管理者の注意を払って業務を行う」管理姿勢ではない。確かに、屋上や外壁、ポンプ類などは、管理会社の設備点検の範囲は目視ポンプの場合は異音の聞き分けというのが妥当であろう。
しかし、経年したマンションでは、排水枡が沈下し、排水管がずれるケースはよく報告されている。
このような知識があれば、
「ずっと、マンホールの蓋を開けたことはない」点検はありえない。
毎月とはいわないが、四半期ごとぐらいは蓋を開けての点検が必要だろう。
そもそも、排水管清掃のとき、最終的な流れを点検していなかったのだろうか?
管理会社任せにせず、特にブランドに安心せず、業務をチェックする必要がある実例だ。
芝