※Aコース 6番シードxバンタクムラスコラボ公演「夏のショートストーリーズ」ねたばれ感想 | akiraのブログ

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大阪在住の一般人です
主に舞台観劇感想やら、おたくな日記を書いていく・・・・・予定
多分半分以上はお気に入り劇団(AND ENDLESS)のお話しになるかと

脚本、作品世界、役者さんににドはまりしてるバンタムクラスステージ、6番シードという
2劇団のコラボ公演!!超私得!!!
ってことで2週間通いましたよ!ええ!

結局11作品、4コース、各3回ずつ観劇
計12回の公演観劇となりました

ちなみに私はこれらの作品のどれも完全初見です
過去の作品は全く見ていません


さぁ、ラストだ!!




【Aコース】※作演出敬称略

■「預言者の暗殺と暗殺者の予言」 脚本:細川/演出:松本
新橋の刑務所に勾留されている「容疑者」の女
容疑者を尋問する「暗殺者」の男
その傍らに寄り添う「予言者」の女


暗殺者の使命は容疑者の女から符号(暗号)を聞き出すこと
とある作戦の中止を意味する暗号
だが容疑者の女はその暗号に記憶がない


容疑者は数年前にアラブの組織に囚われて「洗脳」されていると暗殺者は言う
それらの情報を囁く預言者の声はなぜか容疑者には届かない
どうやら預言者は、暗殺者にしか見えていないらしい


暗殺者に与えられた時間は30分
冷徹に暗号を導き出そうとするも、
頑なな容疑者に、次第に暗殺者の苛立ちも募り乱暴な尋問に及んでいく


時間がない・・・暗殺者の焦りをよそに
預言者は感情なく起こった事実を伝える
最初の1便が、アメリカ、マンハッタンの世界貿易センタービルに衝突
そして2便目が、もう一棟に衝突
数分後別の機がペンタゴンに激突
そして・・・もう一機はホワイトハウスにたどり着けずペンシルベニアに墜落


数分後、日本でもまた伊丹空港発の飛行機が東京日本橋の街に墜落炎上すると預言者は伝える
中止の暗号はまだ容疑者から聞き出せない
もう無理だと悟った暗殺者は預言者に問う
「この時間のあなたがどこに居るのか教えてくれ!!そしたらあなたを救い出す!!それでいいじゃないか!!」

だが預言者は冷静に答える
「それは私にはわからない。私の時間では何も起こらなかったから」


そして、運命の時間が訪れる
その瞬間に容疑者が叫ぶ・・・「助けて!!お母さん!!!」それこそが計画中止の暗号・・・
もう、この時間の悲劇には間に合わない




別の世界・・・・預言者は容疑者の女から、中止の暗号を聞き出していた
飛行機が伊丹空港を飛び立つ前に、その暗号が流され計画は中止されるはずである
「何も起こらなかった世界」・・・そちらでは暗殺者は容疑者に見えていない

すべて終わって安心し、暗殺者に近寄る預言者に彼は告げる
「触らないでくれ・・・あなたは俺の世界のあなたじゃない」

日常が悲劇に飲み込まれ、彼女を亡くした世界の暗殺者
悲劇は回避されるも、彼を何らかの事情で亡くした世界の預言者

どちらの世界も恋人たちを幸せな未来へは導かない

でも暗殺者は諦めない
何度も繰り返し、何度も失敗していても、
いつかその、30分だけ時を越える能力を用いて、
二人ともが生き残る世界を作り出す・・・と


地鳴りが聞こえてくる
それはまた時間と世界を超える合図
そこにいる彼女に会えるのはもうあと数秒

預言者はいう「今自分に出来る事をして」
そして、暗殺者は彼女を抱きしめる
「いつか・・この世界を殺してやる」
目に溢れる涙を隠すことなく・・・



また繰り返す世界・・・・
同じように容疑者の女を迎える暗殺者
だが、今回は暗殺者は容疑者の女を殴らない

冷静に・・・静かに彼女の気持ちをほぐすように尋問を始める

世界を・・・二人の未来を変える為に・・・・









さ~~て、もうこれ、めっちゃ好きです
私が一番最初に見たロクバンタムで最初の作品
心わしづかみされました

なんだこれ!!!この世界観!!!!あまりに面白くて大興奮!!!


暗殺者の土屋さんは始め容疑者に対して非常に冷たく、
途中からも焦りを全面に出して容疑者を殴ったり押さえつけたりかなりの乱暴をします

自分の恋人がもうすぐ落ちてくる飛行機事故に巻き込まれて死んでしまう
それを回避するには「暗号」を聞き出すしかないという状況で精神的に追い詰められる役どころ

感情を爆発させてからの彼は本当素直

反して預言者の彼女は終始至極冷静です
見ていると、彼女は教師のように彼を導いている感?

ただでもよくよく考えてみると、
どれだけ彼が自分の世界で未来を変えようとがんばったとして、
彼女の世界ではテロは回避されて飛行機は落ちなかったのに、
彼は死んでいる(理由は劇中では不明)って事は
彼女の世界では絶対に二人で幸せになる未来はこないんですよね

そういう意味で彼と違って彼女には未来に彼と共に生きるという希望がないという事です

それを想うと、それでも彼の未来を変えようと、彼を導きながら
恐らく毎回、違う世界の彼に抱きしめられているわけですよね

もしかしたら・・・むしろ彼の世界の未来が変わらなければ、
彼女にとって、一瞬だけとはいえ、その至福の時間がやってくるんではないのかなとまで想いました

あの瞬間の彼が本当にボロボロっと涙をこぼしながら彼女を抱きしめる瞬間が見たくて毎回下手を陣取っていましたが、
一回だけ彼女の顔をみたくて上手を選びました
やはり感情を完全に押し殺しながら抱きしめられる姿
でももう彼がこの世にいない彼女の世界の中で、
あの瞬間はきっと二度と訪れない一瞬だったんだろうなと・・・

あ、もちろん勝手な感想で、勝手な想像(むしろ妄想)ですが


土屋さんの声が本当に大好きな私としては、またこの暗殺者は最高でした
あの非情に容疑者に乱暴するシーンはかなり精神的に追い詰められた感で、
見ていて心が痛くなりました
預言者が「あなたは優しい人よ」と言うセリフが余計に辛かった
ただ、それがあるからこそ、彼が未来を諦めずに、
「必ず二人で幸せになる世界を作る!!」という絶対的な信念が心に響きます


美樹さんの預言者は前述のように、
基本的に感情を殺してます
だからこそ、なのか、あの二人で同時にセリフを話すシーン
もう機械のように正確で息もぴったりで毎回あそこで息を殺して聞き入りました
でもそれでもやはり二人の恋人感・・・美樹さんのがかなり諦めは入ってるとはいえ、すごく好きでした
6Cさんで、あまりがっつり恋愛ものって見ないので、すごく新鮮な感じはありました


容疑者役の東ななえさん
ロクバンタムではこの話だけでのご参加ですね
最初、着物姿でレトロなイメージがお若い方にどうかな?と思ってましたが、
すごくしっかりした演技をされる方で、
この難しい容疑者の役をしっかり演じきられていました
京都弁もすごくナチュラルで、関西人のストレスもなく(最近見た舞台でそのストレスひどかったからww)
この方が容疑者でよかった
押し倒されたり殴られたりと、この役もまた、精神的にかなり辛い大変な役だったと思います。
本当お疲れ様でした!!

あ・・追記
途中、土屋さん演じる暗殺者が言うアラビア語
めっちゃ調べました
やっぱり「アッラーは偉大なり」の語でしたね
その言葉で彼女の「洗脳」具合を確認いしょうと思ったってことですね



■「RE:」 脚本演出:松本
町の花火大会の日、大学生の加奈と真二は落し物係りという、楽なはずのアルバイトをしていた
実際ぜんぜん仕事もなく、真二は押しかけた友達とお酒を飲もうという始末
そんなとき、落し物で、届いてた携帯にメールが着信した
暇を持て余していた真二は、勝手に届いたメールをみてしまう
どうやら喧嘩中の相手に送った内容に、
面白がって勝手に返信を始める
そしてそれは思いもよらず、大きな事件に発展していく・・・


うん、この内容なのでまたざっくりとですいません
正直、当初の展開に、
「おいおい大学生、それ犯罪だろ」と思いながら見てましてwww
まぁもちろん、最終的には
父親と娘の絆を取り戻す系のハートフルな話に発展するのですが、
なかなかそこまでの彼らの行動に感情移入できなかったのは
私が年だからなのかな~~なんて思っちゃたりもしましたwww

奈緒美役の松田さんと、お父さんの中村さんの演技が非常に落ち着いていて
最後救われた感じがしました


■「天気と戦う女」 脚本:松本/演出:細川
雲間ひかるは「雨女」
誰もが認める生粋の、カリスマ「雨女」www

彼女が行くところ、すべてに雨が降る
そう、彼女は「雨とダンスする女」
「雨に愛された女」

子供の頃から行く先々は雨、
雨で遠足も旅行も中止
雨で就職も失敗

そんなひかるにも社会人になって彼氏ができた
晴(はる)を大好きなひかるは必死に雨を回避する方法を編み出す

だがそれも、雨をコントロールする最強雨女、「豪徳寺乱子」の登場によりすべて打ち破られる
雨のせいで体を壊した晴との関係もうす曇になっていくひかるは
そんな現状を打破するべく、乱子に決闘を申し込む

乱子との戦いの行方は?
そしてひかると晴は幸せになれるのか??



ストーリー的にはこんな感じでしょうww
この作品はもうね、本当ひかるがかわいくていじらしくて大好きです
ひかるを演じた亜音さんも言ってましたが、
この作品を見た人は絶対にひかるを応援する側に回ります
この愛され感はすごい!!

それもこれも、亜音さんの演技と、彼女のひかるへの愛情ゆえなんだろうなと思います
ひかるが、乱子に土下座して、「私は晴が大好きなんです!!彼だけは雨で失いたくないんです!!」というシーン
それと、二人の結婚式で雨の向こうに虹を見て「まるで・・・・」「ビー玉みたい!!」と二人で微笑むシーン
もうね、涙あふれるのです
こんなに優しい涙は久しぶりだなと思うくらい
ひかると晴の幸せを祈ってやまないのです

二人が結婚式で背中あわせになって肩を寄せあう後姿
あれなんて素敵な演出だと思いました
細川さんのこの演出最高でした!

私自身が「雨女」なので、ひかるの気持ちがめっちゃわかります
なんでいつも私の先回りをするんだ!!とか
「そんなに私が好きなのか!!」って思ったことは数知れず
毎年キャンプや夏の旅行に雨が降るたびに「やっぱりな~~」と同居人に言われるのが
絶対科学的根拠もないのに「ごめんなさ~~い!」ってなってます
本当にな・・・コントロールできるように私もなりたい!!!

晴役の福地さん・・・ええ~~っと、私こんな爽やか一辺倒な福地さん、初めて見ましたww
福地さんが演じる役の「恋人感」はいつもすごいなと思っていたんですが、
今回のひかるに対する愛情はすごく自然にすごく身近に感じて大好きでした
特にあの雨に塗れたひかるをタオルでぬぐってあげる演出
あれはずるい!!www
あれは女子は胸キュンでしょうよwwwww

豪徳寺乱子役、ちかちゃん!!!
「濁流でシンクロナイズドスイミングをする女」wwww
今回全コース制覇のちかちゃんの中でも、やはり乱子は特別!!
もう本当かわいい!!本当格好いい!!!
演技も衣装も最高!大好きでした
特にあのひかるとの決闘の超格好いい衣装での謎のポーズwwww
晴のことが大好きなのに、結局ひかるの想いに負けて彼女を応援しちゃうっていう心底かわいい女子でした
ひかるも大好きなのに、乱子様、かわいすぎて、ちょっと乱子様応援したりもしてましたwww

これ千秋楽で初めて気がついたんだけども、
乱子様、ひかるの結婚式にちゃんと参加されていて
結局、雨が降っちゃったシーンですごくすごく悔しそうな顔をされていて
「この私が手まで貸したのに!!」って感じで・・・
でも二人が傘をさして、ゆっくりバージンロードを歩いていく時に、
もうくしゃくしゃの泣き顔を見せてくれて
乱子様の心根の素直さにみているこちらがボロボロ涙こぼれました
あのちかちゃんの演技に気がついて本当に良かった!!

あと、この作品ではずせないのはお天気レポーターの森山さん!!
ひかるが絡むシーンの
「今日はにわか雨がふるでしょう」→「私の場合、にわかがにわかじゃない!」
「今日は局地的に豪雨になるでしょう」→「局地的ってどこだ?ここか?この頭上か?」
のくだりが本当毎回大爆笑でwwww
いいところで出てくる森山さんが大好きでした
もちろん、ひかるが晴とスレ違い始めた時の
「今日は・・うす曇ですね・・」「本格的に梅雨に突入しましたね・・」の、あのせつなさ
ひかるの心情にあわせた森山さんの演出が本当大好きで聡一郎くんかわいかったなぁ・・・

私の感じる松本さんのドタバタハートフルコメディそのもののこの作品
本当に最高に楽しかった
何回見ても登場人物への感情移入がすごくあって、
何回見ても最高に幸せな気持ちになりました

長かったロクバンタムの全公演が、
この作品で終わって本当に良かったと思いました

6番シードさん、
バンタムクラスステージさん
関わった出演者さんスタッフさんすべての皆さま、
本当に素晴らしい公演をありがとうございました

これからもこの2劇団及び、出演の役者様、応援していきたいと思いました!!