大げさではなく、まさに一世一代の決断をしました。しかもアマチュア無線をやっていたお蔭で、軽々と決断できたのです。
 
生まれてこのかた、75年間以上東京を離れて生活することはありませんでした。無線では周辺ノイズとアンテナの立地が大きな問題でした。ビル群に囲まれ、携帯中継局に囲まれ、周辺に工場が立ち並ぶ最悪のコンディションでの運用でした。加えて本人の健康状態も芳しくなく、ここ2年はQRT状態でした。(ブログも休眠状態)
 

林立するアンテナ群?どこが?奥の鉄塔は高圧送電線の支柱です
 
不動産屋さんには「太平洋が近く、静かな環境」をお願いして、千葉県茂原市に手ごろな家が見つかり、引越しすることができました。緑に囲まれた自然豊かで、階段のない一人暮らしに最適な平屋です。
 

 
引越荷物を整理しつつ、QSYして3ヶ月経つ6月にHFとVUHFの簡便なアンテナをあげることができた。
 
HF-ANT
HFバーチカル(ホイップ)
早速、気になっていたノイズを確認すると、大田区では7MHz帯でS=9+10dBのノイズで悩まされていたのだが、10~50MHzでのノイズはS=1~3と快適。1.8~7MHzは畑のあちこちに点在するソーラー発電のインバータが悪さをしているようだが、それでもS=6前後に収まっている。夜間はS=3まで落ちる。
 
歳を取って足腰が弱くなり高所は無理なので、アンテナは地上作業だけで張替や調整が可能なように考えた。そこで考えたのがHFではバーチカル(ホイップ)アンテナ。大田区で使っていた12m長のグラスファイバー・ポールの先端に、約1m強のステンレス・ワイヤを付けて、13mの垂直アンテナ・エレメントを作った。
 
肝はステンレス製の2mパイプと足場に使う自在サポート・クランプ(タカミヤ)だった。ステンレス・パイプは工事業者さんにお願いして、機械で約1.3m地中に打ち込んでもらった。地上に70㎝出たパイプに自在クランプを取り付けて、パイプとエレメントになるファイバー・ポールをクランプで上下2ヶ所固定する。ここで自在クランプの本領が発揮される。
 
ATU
HFバーチカル+ATU
下のクランプだけ緩めてクランプから外すと、エレメントを90°まで倒すことができる。倒した状態で先端のステンレス・ワイヤとKIV1.25sq電線を接続してファーバー・ポールの中を通し、3段9本のステー・ワイヤの取付加工が地上作業でできた。ステー・ワイヤの重みが加わり少し馬力はいるが、エレメントのポールを上のクランプを中心に立てるとステーを張った垂直バーチカル・エレメントが完成した。
 
昨今「釣竿アンテナ」で馴染のオートマチック・アンテナ・チューナー(ICOM AH-730)を上下のクランプの間のステンレス・パイプに取り付けた。エレメント長は付け根で調整できるので、月刊FBニュースの記事を参考に調整した。トビは別として概ね13.4mで1.8~50MHzまでSWR1.5以内に収まった。エレメントの長さが良かったのか、7、14、18MHzは良く飛んでくれる。
 
月刊FBニュース「AH-730インプレッション」
https://www.fbnews.jp/202204/technical/
 
地面近くに給電部があるため打上角はかなり低く、国内QSOには不向きなようだが、太平洋諸国、東南アジア、北欧、北米には予想以上に良好なようだ。アンテナをあげて2カ月で25エンティティ―とCW-QSOができた。
 

 
VUHF-ANT
V/UHFGP
V/UHFは、大田区で使っていた3バンドコリニアGP(COMET GP-93)を移動用伸縮ポール(DAP600+AS603)に取り付けて近距離QSO目的で設置した。屋根より高くを目標にして平屋のため6mで充分だった。自宅アンテナに移動ポールを使ったのは地上作業できることに尽きる。ポールを下ろしておいて取り付けて、伸ばせば一丁上がり。
 
常時、伸縮することがないためホースバンドで固定補強した。今年(2024年)の大型台風7号が直近をかすめたが、ビクともしないかった。どこかの政治家ではないが、「頭は軽いほうが良い」とはアンテナにも言えそうだ。Hi
 
ところでこんなプアーなアンテナだが430MHzで大田区までRS54で届いてしまった。最も交信相手の28エレ2列2段のJH1AQG局。その後も確実にQSOできているから驚きだ。430MHzはローカル局と知り合いになる機会になると良いのだが。
 

 
お盆の時期を過ぎたにも関わらず、相変わらずの酷暑が続いています。ご近所さんから一人暮らしは寂しくないですか?などと声を掛けられますが、アマチュア無線があるので寂しい思いは感じたことがありません。
 
rabbit
JA1PSB(茨木県ひたちなか市)、JA1SHA(東京都大田区)、JA1XBY(神奈川県宮前区)各局とも7MHzSSBでラグチュウを愉しむことができました。
 
今回はアンテナがあがった件を2年ぶりにお伝えしました。コールサインもJA1ULFに戻り、7、14、18、21MHzで主にCW、時々SSB、430MHzFMでQRVしています。聞こえて居ましたら「畑の菜っ葉」(JA1PSBのギャグ)おコエがけください。ヘイトな?ご挨拶73!
 
 
 
 
 
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