当局はCWとデジタル通信が出来れば・・・と考えていたので、お気楽に「おまけ(おにぎりマイクを使う)」と前回は書いてしまったが、実際に考えてみると、SSB、AM、FMなどPHONEによる通信が圧倒的に多いのだろう。
 
PC経由で音声によるQSOと言えば、リモート運用の難しさを思い浮かべる。JA1OHP/梅さんも以前からリモート運用には様々なチャレンジをされている。
 
遠隔運用、パソコンによるリグコントロールでは、世界的に有名なHam Radio Deluxeや、メーカー独自のICOM RS-BA1Kenwood KNSに加えて、専用サーバーまで使ったHAMSTARなどが使われているようだ。
 

 
何れにしてもサーバー側からリグへの受け渡しは、ディジタル変換された音声信号が使われているのだが、現在のパソコンは、マイク入力端子を備えている。
 
このマイクからの音声信号を、パソコン内部にあるサウンドボード(A/Dコンバータ)でディジタル変換している。
 
ヘッドマイク
ヘッドマイクをノートパソコンにつなぐ
 
ここまでは明快なのだが、問題はディジタル変換された音声信号をUSBポートを使ってリグに入れることだ。
上記、リグコントロール用のソフトを使えば済むことなのだが、直接つなぐ方法で一晩中悩んでしまった。
 

 
すでにOMさんの中にはご存知の方もいらっしゃると思うが、結果は実にシンプルで、特別なソフトなどを使わずに、パソコン内部の設定だけで出来てしまった。
 
ハイドウェア
ハードウェアとサウンドの画面
 
まずはWindowsのコントロールパネルを開いて、「オーディオデバイスの管理」をクリックする。
 
すると左下画像の「サウンド」の画面が表れ、上段「録音」のタブを選択。
 
ここで「マイク USB Audio CODEC」は、リグからの検波信号をパソコンに取り込むためにすでに使っているので、「マイク Realtek High Definition Audio」(これは使っているサウンドボード用ファームウェアによって異なる)の部分で、右クリックしてポップアップメニューを開く。
 
サウンド
サウンドの画面
マイクプロパティ
マイクのプロパティ
 
次に「プロパティ(P)」をクリックすると、右画像の「マイクのプロパティ」画面が出てくるので「聴く」のタブを選ぶ。
 
この「デバイスを聴く」のボックスにチェックを入れて、「このデバイスを使用して再生する;」のプルダウンメニューで、「スピーカー(USB Audio CODEC)」を選択する。
 
これはパソコンにつないだマイク信号を、Silicon Labs Dual CP210xのドライバーからUSB経由でリグにつないだことになりました。
 

 
FT-991側の設定はSSB、AM、FMの設定をMENU(SETUP)ボタンからメニューモードにして、以下の設定を行った。
 
045AM MIC SELECTMIC(工場設定値)⇒ REAR
047AM PTT SELECTDAKY(工場設定値)⇒ RTS
048AM PORT SELECTDATA(工場設定値)⇒ USB
074FM MIC SELECTMIC(工場設定値)⇒ REAR
076FM PTT SELECTDAKY(工場設定値)⇒ RTS
077FM PORT SELECTDATA(工場設定値)⇒ USB
108SSB MIC SELECTMIC(工場設定値)⇒ REAR
110SSB PTT SELECTDAKY(工場設定値)⇒ RTS
111SSB PORT SELECTDATA(工場設定値)⇒ USB
マイクからの音声は、A/D変換して内部処理するので、送信機の出力をモニターすると、アナログテレビとディジタルの違いのように、数100mSec送れるのは仕方ないだろう。
 

 
またアマチュア無線では、変調度=音声レベルが電波の質を大きく左右するので、ALCがオーバーしない範囲に音声レベルを抑える必要がある。
 
マイクプロパティ
レベルの設定
無線機本体のMIC GAINを調整すると共に、パソコン内部の音量調整が必須。
 
先ほどの「マイクのプロパティ」画面で、「レベル」のタグを押すと右画像のように調整ができます。
 
当局は、マイクレベル「30%」でマイクブースト「0%」にして、無線機側のMIC GAINを「35%」で、ALCがレッドゾーンに入らない程度です。
 
さてここまで来て、PTTの問題が残ったが、PTTのためだけにおにぎりマイクをつなぐのも気が引ける。
 
折角だから、パソコンからスタンバイができるように考えています。
 
 
 
 
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