今まで、QSL印刷定義文は、その都度、付けたしたり、削除したりして、ツギハギになっていた帰来が否めないので、全体の構成(設計図)から取り組みなおすことにした。言わば「パーツ分け」です。
ハムログQSL印刷定義の中で、プログラムに関しない文字を入れる場合は、セミコロン「;」を先頭につけるが、こうして説明を入れておくと後々修正や改編がし易い。
当局の構成する項目は以下の通りだ。
;用紙設定
用紙のサイズと縦横を決める。今回のような特殊サイズの用紙は、プリンタ側の用紙登録も忘れずに。
;変数の初期指定
定義文自体が長くなるので、どこを書き換えるか? 探し出すのもひと苦労。また内容などの変更を、少ない書換えで対応したい。プログラム中では、印刷定義で定められた記号(変数)に置換えて使う。定められた記号(変数)に入れる文字や数字を冒頭で決めておく。
;To Radioと関連部分
一番考えなければならないことは、全角文字(!CP)を使うか、半角文字(!cp)にするか?・・・で表示が異なる。ゼロは全角で「Ø」となり、半角では「0」のままだ。スラッシュで区切る移動をここに入れるか? 国内移動局の場合は、移動先がQSOごとに異なる場合が多いので、To Radioではコールのみの表記にした。クラブ局、記念局、イベントなど名称が事前に分かった場合に表示するか?国内では「○○無線クラブ」「○○記念局」、海外では「○○ Contest Club」「○○Memorial Station」とか、入れたら喜ばれるかも・・・。
;JARL転送枠
転送枠のサイズと位置はJARLで決まっているので問題なし。前項同様に全角文字(!CP)か、半角文字(!cp)か?
;QSLマネージャのVIA表示
国内向けであれば、転送枠にマネージャーのコールを書けば良いだけだが、BUROの運営も国によって異なるので、マネージャー経由の場合は、マネージャーコールに「VIA」を入れる。
;CFMとQSL番号関連
お決まりの「Confirming Our QSO」を配置する位置、文字のデザイン(フォント)、文字の大きさ(フォントサイズ)、太字や斜体などのアレンジ(フォントスタイル)を指定する。
;画像の貼り付け
実は画像を貼り付けるプログラムのタイミングは少し厄介なのである。万一文字がはみ出して画像に掛ってきた場合に、後からプログラムされた方が優先されて上に表記される。画像の上に文字を載せる場合も同様で、先に画像を貼っておかないと文字などが見えなくなってしまう。一般的に「前」「後ろ(背景)」と表現されることで、Hamlogでは、後からのプログラム(定義文)が「前」になる。
;自局データ
コールサイン、QTH、オペレータネーム、Webサイト、メールアドレスなどを印刷する位置と、フォント、フォントサイズ、フォントスタイルを指定する。以下同様。;自局移動の表示
自局が移動運用の場合は、自局コールサインに「/?」を入れて、QTHを移動地にする。「/?」は「/1」・・・など1文字だけではなく、「/M1」「/MM」「/JD1」なども入れるようにする。
;リグ・アンテナ
Rig、Antの情報は、Remarks2に記録した「Rig#」を参照して印刷する。
しかし複数QSOを記録する場合、リグ、アンテナ、出力が異なることもある。
最新のQSOの設備(後に述べるが、JARL指定逆順の場合)を表示する。
Output Powerを各QSOごとに入れるか?、最新のQSOのみか?・・・も悩ましい。
;データ表の枠、塗りつぶし
QSOデータ表の行数(最大QSO数)とスタート位置は、あらかじめ決めて置くから、外枠と塗りつぶしは固定化される。この表の全幅が大問題なのだが、用紙の大きさで物理的に制約される。左端にJARL転送枠がなければ、多少広く使えるのだが・・・。すべての項目を網羅したい場合は、1QSOを2行以上にすることも考えなければならないが、今回は1行に収めることに執着した。また今回は、縦枠を書込まなかったが、重なると見難い程度で意味はない。
;データ表のタイトル行
データ表の項目を表示する行で、他の行とはフォント、背景色を変えると差別化が明らかになる。ところで肝心の表示するデータの範囲だが、今回は以下の通りです。
Date (01-May-2015形式)JST/UTCRSTMHz2WayQSLRemarks
To Radio、Rng、自局リグ、クラブ局のオペレータ、相手移動地の詳細など上げればキリはないだが・・・。
;データ行を印刷
肝心要のQSOデータですが、1行目から書込む順番で、OMさんのレポートを拝見すると、最新のQSOから順次古いQSOに進める方が多いようです。海外局の場合も90%以上(当局に来たQSL)が最新から古いQSOの順でした。ハムログのQSLカード印刷では「JARL指定順」「JARL指定逆順」・・・を指定するようになっているが、まずこれ以外の指定方法では、複数QSOを1枚のカードに収めることはできません。最新のQSOを1行目に印字する場合は「JARL指定逆順」を使います。;Remarksの分類と表記
データ行ごとに、Remarksを入力できるが、優先順位を決めなけば、すべて書き込むことは難しい。当局は、国内と海外を分けて、何れもコンテスト名を最優先した。次に移動局で、国内は各種アワードの記号、記入ない場合は/?とQTH。海外移動局(/付)は移動地情報とグリットロケーション、特別な記載がない場合はQTHを表示する。移動運用でないクラブ局等の場合は、オペレータを記載する。
;データ表の最終行
日本語では「以上」となるのだろうが、国内外とも統一して「End of QSO-DATA(行数)」とした。
;メッセージ
読まれるか? 読まれないか? は別として、メッセージは有った方が良いように思う。当局は読みながら交信相手局を想像している。特にハンドルや名前が入っていると、思わず読んでしまうのだ。ここで、メッセージを最後にした理由は、1行目から5行目までQSOを調べてファーストQSOが含まれるか? Nameが明記されているQSOデータから名前を抜き出しておく(時々は抜けになっている)、クラブ局のオペレータを抜き出すなどの為である。
;1行目
国内なら、Nameまたはオペレータから抽出した、葉夢さん、葉夢/HAMさん、JX1XXXさんなどを書いて、中にファーストQSOが含まれる場合は「TNX 1st QSO。」、セカンド以降なら「TNX FB QSO。」海外局は「DR OM」にハンドルまたは名前を入れて、中にファーストQSOが含まれる場合は「TNX 1st QSO.」、セカンド以降なら「TNX FB QSO.」もっと気の利いたメッセージも有るだろうが、1行目には名前を入れるので、短くしておくことが大事です。
;2行目
当局の場合、CWでファーストQSOの場合、「CW初心者の為お手数かけます。」、「AM LID, Many thanks for your kindness.」を入れています。その他の場合は「またお会いしましょう。」、「Be seeing you.」
;3行目
3行目は基本的に使っていないが、特定のインフォメーションを送る場合は、ハムログのQSLカード印刷のコメント欄に印刷直前にメッセージを入力する。その他、Rig#にREMが記載されていれば、ここに表示されるが、コメント欄が優先される。
以上が、今回進めるHamlogのQSL印刷定義の設計図(パーツ分け)ということになるが、次回から、各項目(パーツ)ごとの書き方を出来るだけ詳細に紹介します。