当局はトリオの9R59、TX88Aというキットを購入して、組み立てて開局したが、当時、受信機からすべて自作という局が大勢を占めていました。
 
従って、AMのQSOで自局リグの紹介するときは、「ファイナル807シングル、入力24W、変調器6BQ5プッシュプル、プレートスクリーン同時変調、アンテナは・・・」などと言うのが普通でしたね。
 
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当局の住む大田区の隣にある品川区に、手作り電鍵を楽しんでいるJA1KVF二神さんがいる。
当局もCWにチャレンジしている最中なので、かねてから手作り電鍵を拝見したいと思っていた。
 
先日、二神さんからお誘い頂いたので、友人3人とともに訪問することができました。
 
東急大井町線の駅近くに3階建てのビルがあり、その屋上に15メータのエレベーター式タワーを建てています。
クリエートの7MHz2エレモノバンダー八木とミニマルチ5エレデュアルバンダー(14/21MHz)を4エレにしてあげておられた。
マストのトップ430MHz用八木が載っていました。
 
地上高は25メータとのことで、7MHzで1/2波長以上になるので、打上角が低くDX向けのセッティングと言えそうです。
 
JA1KVF二神さんはアイボール会では控えめな方なので、手作り電鍵以外につて詳しく知らなかったが、シャックを拝見して、まず目についたのは手作りのトランシーバーでした。
 
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一からの手作りのトランシーバーは、7MHzと21MHzの2バンドで、S/Nも良く、随所に工夫が凝らされていました。基板は生基板を削った手作りで、チューニング用ロータリーエンコーダから基板装着や外観も二神さんらしいこだわりが光っています。
 
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最近では、周辺機器やアンテナでさえ手作りをする局が減っている中で、これだけ正面からリグを自作をする局はほとんど見かけなくなってしまいました。
 
伺ったときは、オール自作のバンドスコープやリニアアンプなども拝見することができました。また自作SDRラジオを使ったバンド・スコープも、PCに128KHzのサウンドカードを使うなど、独自の工夫がされていました。
 
こうした機器の自作に威力を発揮するのが測定器ですが、ベンチタイプのマルチメーターは当然のことながら、hpのデジタルオシロ、同じくhpのEMCアナライザ&スペアナ、アンドバンテストのSSG、広帯域アッテネータなどが、何時でも使える状態で置かれていました。
 
口には出さなかったが、リグの数十倍のお金がかかっているのでしょう。(ご本人は「数倍」と言っていましたが・・・)。よく考えてみれば、ここまで徹底したら、「自作の方が贅沢なことだ」と言えなくもない。
 
ところで、手作り電鍵ですが、開局当時から手掛けておられたようで、中には従事者免許の実技試験に持ち込みで使ったモノもありました。
 
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<従免試験に使った電鍵>
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<支点のないエレキー>
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<こけしピストン型垂直電鍵>
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<珍しい逆接点タイプ>
無垢材の真鍮を削りだしたストレート・キーが中心でしたが、これがまた夫々に工夫がされていて、見飽きることっがありません。
キーの反動にコイルばねを使わずに板バネを使ったり。接点を逆につけたり、打鍵ノブが移動できたり、様々な試行錯誤のなから、打ちやすい電鍵を作っていました。
 
特にに目についたのは、小さなこけしのようなピストン式の電鍵で、コンパクトな上に、スライドベアリングが入っているのでスムーズで大変使いやすい。コケ易いので、真鍮のベースを作って取り付けてあります。
 
また、真鍮のケースに回路を組み込んだエレキーは、マニュピレータの支点を固定せずに抵抗を減らし、大変ソフトなパドルが印象的でした。
 
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右写真は、二神さんが現在主に使っているパドルで、真鍮の無垢材の削りだしもさることながら、透明樹脂のレバーが細部まで手が入っていて、メーカー製も完全脱帽ですね。
 
シャックのある地下室には、二神ワールドが詰まっていて、無線機器以外にKT88PPや6550の自作真空管アンプ、FETアンプ、ラックス製アンプ、タンノイ、JBLなどのスピーカーなど、オーディオにも力が入っているようです。
 
更に工作機械は、卓上フライス盤、木工旋盤、ボール盤、自作のジグソー、ガラス細工用電気炉などが、何時でも使えるように並んでいました、
 
二神さんは、無線以外に、個展を開くほどの腕前の水彩画、銀細工とガラス細工のアクセサリー、ルアーフィッシングなどなど、まさに「多才」という言葉がぴったりの方です。別荘には、ピザ窯まで作ってしまったようです。
 
詳しくは、二神さんのホームページをご覧ください。
 
 
 
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