コチラはサイドストーリー「“Love” make a detour」 ギョンが主人公の物語です
ガンヒョンとらぶらぶじゃなくてもお許し頂ける方だけ読んでくださいといいつつ…かなり本編に絡んできてますね…
初めての方は本編はじめましてから順に読み進めて読みください
結局私は その夏が終わる頃には その香りに縋ってしまった
電話もメールも無くなって この夏どうしてるのか知ることも出来ないアイツと同じ…たまらなく嫌いなのに たまらなく愛しいその香りに
あ 私… 男とするの 初めてだっけ
男とキスするのも 男の前で服を脱ぐのも足を開くのも… 何もかも 初めてだった
男って 女同士とは全然違うんだ
哀しいかな私は 初めての最中(ｻﾅｶ) その男の名前を呼ぶことも出来ずに
アイツが 私と別れた後に 初めての女から教えられて吸い始めた 赤い箱の甘くて苦い煙草の香りのする男の体に 縋りついて涙を零した
うん 完全馬鹿よ
私の涙のホントの理由も知らずに 初めてだった？…と戸惑うジェヒョンにも 悪いよね
野菜ジュースをくれた重低音ボイスな男 チャン・スヒョク氏は二つ年上だった
いつも野菜ジュースをくれるし おススメのお弁当やお惣菜を教えてくれて…色々話す
もしかしてこの人…私に気が有るのかな？
あ～ ヤバイ私どうかしてるわ ただの商売上手だって！
なんて思ってたのに…
或る夜
”バイト終わるからちょっと待ってて”と引き留められ…
近くの公園で ”実は 君の事が好きなんだ”と告白された
「多分 あのマンションに引っ越してきた日だと思うけど…
君が初めて店に来た日 赤い目をしてて… ずっと気になってたんだ
いつも 哀しそうな顔してたから
話し掛けたくて…そわそわしてた」
ええっ！？
ファミレスの客にバイト仲間 近所のコンビニのお兄さんにまで告られるなんて…
もしや コレが…モテ期というヤツなんだろうか…？
いらない そんなのいらないから！
「あ～ なんていうか…
友達だと思ってた人達に 相次いで 裏切られて…希望を失くしてたから？…はは」
「そっか 最近 少し明るくなったよね？なんかいい事あったのかな？」
「こ…恋人が…で 出来て…」
恋人と言っていいのか… キム・ジェヒョンとは ほんの数日前にそうなったばかりだった
交際といっても デートもまだで…
バイトの帰りに毎晩送ってくれるジェヒョンと コンビニの前で別れてたんだけど…
その日のジェヒョンは 私が店から出てくるの待っていて…
月夜は人恋しくなるとか言うけれど…
私…あの香りに酔ってしまって…腕を掴んで”上がってく？”なんて言った
そうなったらもう ジェヒョンも遠慮なんかしなかったし 私もそうなると解ってて言ったんだもの…そうなるよね
「ええっ！？ガーン…俺…出遅れたの？」
あの夜も スヒョクさんがくれた野菜ジュースを飲んだ
そのすぐ後…だったからなんだか後ろめたかったし…
ジェヒョンの事本気で好きなワケじゃなく…多分また ソヒョンをチェギョンの代わりにしたように
アイツの代わりにしたんだという自覚があったのも手伝って…
こんな私なんかを好きになってくれた二人に 妙に 申し訳なく思えた
「ご…ごめんなさい」
「いや…謝らなくても いいけど…ショックだなぁ～ 告白と同時に振られるとはな…
しゃ～ないか…でも 避けたりしないで 今まで通り毎晩店に寄ってね？
サービスするし」
「サービスは…いいです ホント 申し訳ないし…」
下心って言うと聞こえ悪いけど… そうだったわけでしょ？
もうサービスしても見返りは無いわけだし…
「そんなこと言わないでよ もう友達でしょ？」
友達？ それでいいの？
チャン・スヒョクさん… チャン…
ギョンとは全然似てない 顔も 声も 香りも
でも同じ苗字のそのお兄さんに… こんな風に想って貰えて… なんだか心が擽られた
ジェヒョンとは 海とか映画とか遊園地とか行かない
たいていバイトの後送って貰ってそのまま泊まって 翌日部屋でDVDを見たり ゲームしたり…
デートもセックスも 誘いを断ったら強くは誘わないのがキム・ジェヒョンだった
ギョンとは違って クール…
いや 今のギョンってあの頃みたく熱くないんだっけ…
もうすぐ夏休みが終わる
チェギョンからはまだ連絡が無い
ギョンからも… 無い
チャララララララ～～♪
その着メロはスニョンからの物だった
「ガンヒョン！いい！？落ち着いて聞いてよ！？」
落ち着いてないのはそっちじゃない
「ええ…ど どうしたの？」
チェギョンが見つかったとか？！
「ギョンが 最前線の海軍に志願してたんだけど…」
え？！ギョンが海軍に？ それで…何だって言うのよ…？
今日もお読み頂き ありがとうございます
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