Power of Love 10~此処ホントにロイヤルバレエスクールなの?! | かおり流 もうひとつの「宮」

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このお話は皇太子殿下のご学友 インとヒョリンのサイドストーリー「Power of Love」です
一話目は既に限定に変更済で「Power of Love」更新中のみ
期間限定でヤフーロゴの方は全公開します↓
http://blogs.yahoo.co.jp/mahonote18/12224839.html
Power of Love 1 限定版は FC2に転載しました

 


もう一度彼を振り返らなかった事を 飛行機の中でずっと悔やんでた
彼の要求に応えて チュッとキスをして…でも恥ずかしくてろくに顔を見れなかった
「Je attente!/待ってるわ!」
振返らずにそう言った
いつもインの背中を見送る私が 自分の脚でインの傍を離れた
バレエだけの人生の中で 唯一 バレエ以外の大切な物 それがインだったんだと
やっと気が付いて泣いた
離陸して小さくなっていく空港を見詰めて 不安で不安で…涙が溢れた
抱き締めて安心させてくれるあの腕はもう無い
自分の躰を両手でギュッと抱きしめても震えは止まらない
イン…イン… 私 貴方の居ない場所で 踊れる気がしないの…どうしよう…
支えられている事は充分解っていたつもりだったのに
そんなレベルじゃない程…こんなにもインに依存していたのだと知って 怖くなった
全部なかったことにして インの元に戻りたい でもそんな事現実には出来ない
私…ひとりになってしまった

ポーン
アナウンスが入る合図でハッと目覚めた
何時の間に眠ったんだろう…
心地よく眠れたのは きっとCA(キャビンアテンダンド)の方が掛けてくれたのだろうあたたかな毛布のお陰…
「長旅 お疲れ様でございました
当機は 間もなくフランス パリ シャルル・ド・ゴール国際空港へ着陸態勢に入ります…」
もう…引き返せない
私はギュッと唇を噛んで 覚悟を決める

新入生や編入生の迎えには 先輩のルームメイトが行くのが慣例となっているらしい
私のルームメイトはひとつ年上の…
「ミン・ヒョリ~ン?!」
居た
ブロンドに青い瞳 透き通った綺麗な声の白人女子が 私の名前を呼びながら ボードを掲げてキョロキョロしている

―ようこそミン·ヒョリンさん待ってたよ♪ リサ·モンテブラン
フランス語と韓国語で書かれているそのボードを 私は暫くぼんやりと眺めてた
「ミン・ヒョリ~ン!どこ~?」
あ いけない 私を探してるのに!

「ここです!リサ・モンテブランさん?」
片手を上げて応える私に気付いた彼女が駆け寄ってきて
ガバッ と 抱きつかれた
あ…
うふふ…そっか ここは本当にフランスなのね…
私は 誰かに抱擁されるなんて いつ以来だろうって考えた途端に インを思い出した

私の顔をじっと覗き込んだひとつ年上だと聞いているその女の子 モンテブランさん
「可哀想に…もう寂しくなったのね 大丈夫よ?
これからは私をお姉ちゃんだと思って頼っていいわ
貴女はラッキーよ 私は生まれも育ちもパリだから ホームシックにならないの
帰省して留守したりしないし いつでもずっと一緒よ?」
私…いったいどんな顔をしているんだろう…そんなに不安そう?
「だ…大丈夫です…モンテブランさん」
「遠慮なんかしないの リサって呼んで?ヒョリン」
そう言ったかと思うと 額にチュッとキスされた
あっ…////
きっと以前の私だったら こんなスキンシップ…戸惑うばかりだったと思う
なのに…私はまた…インを思い出して切なくなる
今までインがそばに居てくれたことに 改めて感謝しながらも 沸き起こる不安にぐらぐらと心が揺らいだ
でもそうね この人懐っこいルームメイトの彼女には できる限り 心を開こう
ともすれば警戒心で分厚い壁を築き兼ねない私だもの… きっとそうした方がいいわ
「どうぞよろしく リサ」

リサは良く喋る
自分は生まれも育ちもパリだから とにかく困ったことはなんでも話してくれと
英語で話そうとしてくれたから
フランス語で大丈夫だと言うと 飛び上がって喜んだ
「ごめんなさいね 私 英語は苦手なの うふふっ
貴女を迎える日を指折り数えて待ってたけど 英語はいくら勉強しても頭に入ってこなくて
参っちゃう…
ね?貴女ってもしかして バレエだけでなくなんでも優秀なの?
私なんかに頼る事無かったりして…」
なんて しゅんとする
くすくす…なんだか 年上とは思えない キュートな人
「ヒョリン見て!アレ素敵でしょう~ あれはね……… ほら!アレを見て!………」
まあ 大凡落ち着きは無さそうね…

寮に着いたら 荷物を一旦置いて 寮母や周囲の部屋の先輩方に挨拶をして…
部屋に戻ると 驚いたことに リサは ベッドにダイブした
「はぁ~~~~~疲れちゃった ね?ヒョリンは平気?韓国からの長旅でヘトヘトでしょう?」
「ええ…流石に」
「シャワーを使う?部屋にシャワーが有るけど 今日はスパに行きたいな 一緒にどう?」
正直言えば もうシャワーで充分だから ひと眠りしたいところだった
でも…
「ね?行こう?背中流してあげる」
私の腕に絡みつくリサは 私に気を遣ってそうしているのではなく 純粋にそうしたいからしている風で… 戸惑う
今まで私の周りには居なかったタイプの子… でも 嫌な感じではない

「ヒョリンの肌って綺麗ね~ 色といい質といい…」
やだ… 青い瞳にじっと見つめられると ドキドキする
「あ ジロジロみちゃってごめんなさいね アジア人の肌って 滑らかで素敵 憧れるわ~」
「そんなことないわ?リサの方が真っ白で透明感のある肌なのに…」
「そうかしら? ヒョリンの躰 素敵よ お尻もそれに胸も 綺麗な形」
もう!み…見ないで!
「ね ヒョリンって…バージン?」
「!?」
多分…間違いなく真っ赤になったと思う…////
「わ やっぱり?誰にも触れられてないって感じがしたんだよね~ そうなんだぁ~
韓国人は貞操観念が強いんだって 小耳に挿んだけど ほ~ ふう~ん」
「な…ふ 普通です!
だいたい ちょと前までは結婚するまで守るものだったのよ?
高校卒業か成人するまでは 守るものだわ!」
「そうなの?ふう~ん… で?恋人は居ないの?」
「!?/////」
「居るんだ❤ 照れちゃって~ ヒョリンってば可~愛い~」

う…うそよ! 私自分が女子から見て可愛いタイプじゃない事 自覚してる
こんな風に他人からからかわれた事なんて今まで無かったのに!
もう!今日初めて会った人に こんな姿でこんな質問されて真っ赤になっているなんて
私 留学して来たのよ?此処ホントにロイヤルバレエスクールなの?!

「髪は出来る限り早く完全に乾かした方がいいのよ 知ってた?
ヒョリンの髪は黒髪かと思ったら綺麗なブラウンね」
とかなんとか 私の髪にドライヤーを当ててくれながらお姉さん風を吹かせてたけど やっぱりキュートで憎めない人だわ
「あなたのブロンドも綺麗だわ」
「そう?ありがとう」
妙な謙遜もしない

そんなふうに 寂しさをたった数時間で忘れさせてくれたルームメイトの リサ・モンテブランだったけど
翌日私は 彼女の踊る姿を見て只々驚くばかりだった
キュートでお調子者なリサは 意外にも周囲が一目置く実力保持者だったから

2005年の夏 17歳になる少し前に 私はフランスのロイヤルバレエスクールに編入した

 

 

 

 
今日もお読み頂き ありがとうございます好
故郷を離れ ひとり寂しくインを想うヒョリンを書いてると
泣けてきちゃうのです
亜友未 この続きは10/7(水)→Power of Love 11~私に掛けるお金や時間を自分の為に使って
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