ネックは物流と需給予測か | JetClipper's Bar

JetClipper's Bar

JetClipperが日頃感じている事をblogにしました。

東京生まれですが、沖縄、多摩ニュータウン、横浜、尼崎、川崎を経て、三鷹市民になりました。

昨日、ヨドバシカメラに六畳用のエアコンを買いに行った。
我が家でエアコンがないのは私の書斎だけだがそこにエアコンをつける予定はない。今回は来週から里帰りする妻と子供の為にかみさんの実家の古いエアコンを入れ替えるため。
メーカーは大手なら何処でも良いがとにかく早く取付が出来るようにとの指示。でも出来れば廉価機種ではなく真ん中のグレードという指示。

で売り場に行くと殆んどの機種に8月末納品予定とか、受注10日後とか、中には九月上旬でなければ納品出来ないものも。
パナソニックから派遣のヘルパー氏を捕まえてそういう貼り紙のない希望の機種を告げると、渋い顔をしながら在庫確認に。結果は在庫なし。何でも海外で生産しているので急な需給悪化に対応できないと言っていた。
結局、ダイキンのほぼ同等機種を選び購入。パナソニックのヘルパー氏曰く、ダイキンさんは国内工場だから在庫が切れることは少ないと。

という商品がない状況で設置を急げば値引き交渉は殆ど余地なし。ポイント還元が18%なのでよしとする。

でこの状況の問題点。
海外で生産するので在庫切れするという説明はおかしくないか。逆にダイキンは国内だから切れないという説明は正しいか。

まずダイキンから。
確かに国内生産であれば海外よりリードタイムは最低半日は短いだろう。工場立地にもよるが中国からなら定期コンテナ船でもそれほど時間はかからない。むしろ国内での横持ちに時間がかかる。それをかんがえると在庫が切れないというのはまともに経営されていると見て良いだろう。
恐らくダイキンは即納とオーダー品の多い業務用できちんとSCMが出来るように鍛えられたのではなかろうか。

逆に松下。
計画外の増産はコストアップ要因。きちんと計画通りにやればいずれ需給も落ち着くだろう。特にエアコンは8月中に付けないとあまり意味がない。9月には気温はさがるから。海外だから欠品するというのは言い訳でおそらくは需給計画が乱れているか、きちんとしたSCMや国際的な物流機能に問題があるのかもしれない。
松下のブランドがあれば売れ筋が切れても高いものや安いもので吸収出来るとふんだのかもしれない。でも実際、どのメーカーも中間機種が一番売れている様子だからこの戦術はあまり効果を発揮していないと見るべきかもしれない。


日本の家電メーカーに限らず日本企業は欧米に比べて利益率がよくない。確かに日本の部品メーカーの利益率は良いが、結局パーツはあくまでパーツ。それをくみ上げてシステムにするというのが一番利益が稼げる。そこに知的付加価値、たとえば機能だったりデザインだったりコンパクトなパッケージングだったり、をつけているから儲かる仕組みだ。

ところが、日本企業は国内で価格競争という血を血で洗う競争しかしてこなかった。機能の競争も技術者が好みそうな世界初とか当社比とかそういう目に分かる競争ばかりだった。

海外に目を転じると、たとえばサムソンは日本から部品を購入し、そこにデザインや機能性を付加して海外でのシェアを拡大した。日本では携帯キャリアとの調整や国内での競争に明け暮れて海外でのマーケティングを怠った結果、サムソンに敗北を喫しているではないか。価格競争だけではない競争が国際市場では多く存在する。


エアコンも、実は日本向け家電だけが高機能でそれ以外の市場は意外に高機能ではないものが主流だったりする。果たしてそれでいいのか。もしかしたら海外向け商品もデザインをきちんとブラッシュアップして日本の中間機種ぐらいの性能を付加すれば日本の白物家電も海外できちんと勝てるのではないだろうか。そしてその結果日本向け製品も同じ仕様になりコストも下がるだろうし、生産のリードタイムも減るのではないだろうか。


そして一番のネックはどうも物流なのではないだろうか。

衣料品ではスペインのメーカーが世界中に48時間以内に発送して陳列できるバリューチェーンを構築している。勿論白物家電と衣料品を同一視できないが、日本と上海の間は定時運航の貨物船がある。もしそこがボトルネックならばそれが改善されれば欠品が減るのかもしれない。

逆に日本国内での生産に戻すということも考えられる。HPのパソコンは日本で組み立てているが日本のPCメーカーよりも高い利益率と早い納期を実現している。組み立てに関わる人件費コストは全体のコストからみてもそれ程大きくない。むしろ日本国内での物流コストを下げる方がより効果的だし、物流をもっと合理的にすれば改善できることも多いように思う。


昨日、ヨドバシカメラのエアコン売り場と携帯売り場でふとそんなことを考えてみた。