WTOで高関税率を維持できる重要品目が日本の主張する全品目中の10%ではなく、4%で妥結しそうだとの報道だ。一部には6%で妥協なんて話もあるが。。。
日本のマスコミは不勉強だから、高関税が維持できなければ、輸入が急増して国内の農業は壊滅すると言っている。そんな馬鹿な話はない。
日本の農業は関税で維持されているのではない。無知な消費者と非科学的論拠を振り回す農業団体と消費者団体がいるので、日本人は異常なくらい国内産信仰が強い。国内産は安全だけど、輸入品は安全ではないという主張は中国の一部の農産物のせいで、間違った信仰を強める形になってしまっている。仮に輸入してもそう簡単には売れないのが日本だと思う。そういう消費者が多い以上、外食産業といえども簡単に輸入野菜にスイッチできない。そもそも、日本は世界でもトップクラスに石油由来の農薬と肥料を使っている。意外なことに欧米では有機肥料を使っている方が多いし、農薬も日本より使っていないのが現状なのにだれもそんなことは報道しない。
第二に仮に関税を引き下げても輸出できる国は以外に少ない。日本の消費者の要求する基準は病的までに厳しいので、輸入する商社は選別にこれまた病的なくらいのエネルギーを使う。昨今の食糧高騰を考えると日本に輸出してくれる国が実際どれだけあるのか、という問題がある。
そもそも、食料の安全保障という観点で考えれば、国産に依存する自体が間違っている。
既に日本の農業は壊滅の方向に向かっている。日本の若者のうち、新たに農家になろうという人がどれだけいるのか。そもそももう数十年前から農家に嫁ぐ女性が稀有になっているのはなぜなのか。それは日本の農業に将来を見出せないからだ。それは関税で守られているからではない。閉塞感と発展性のなさがそういう印象を持たせている。既に農業従事者の高齢化がかなり進行して、農業が維持できない局面が生まれている。
仮に日本の農業技術が優れているのならば、海外に土地を買って、日本の為に農作物を作る基地を分散配置したほうがはるかにリスクヘッジである。日本国内だけに農業生産を集中させた場合、日本の天候がなんらかの理由で不順になれば全国的に食料が不足してしまう。地球の裏側や様々な場所に日本の為に食糧を供給する基地を作った方が世界中が異常気象で農作物が取れないという事態(もうこうなったらどの国でも危険な状況なはずだ)にならない限りはヘッジされる。その方が食料の安定供給という観点では正しいと思うのだが。
安易な補助金だよりの農政を続けるくらいならば、この変化に乗じて新しい参入者を受け入れるようにするべきだろう。自分で自分の首を絞めて死んでくれる分にはかまわないが、それで国民に迷惑をかけないで欲しい。