その問いかけはあなたの心を刺す | アニメ化希望!!「紫の砂漠」と「詩人の夢」

アニメ化希望!!「紫の砂漠」と「詩人の夢」

松村栄子先生の傑作ファンタジー「紫の砂漠」続編「詩人の夢」。
紫色の砂漠にまつわる謎の神話には、哀しい罠と優しい裏切りが仕掛けられていた…。

「紫の砂漠」は2013年で刊行から20周年を迎えます。
この記念すべき年に、ぜひスクリーンで主人公たちに再会したい!

岩場を抜け、とぼとぼと道を歩きながらようやくシェプシは口を開いた。

 

< 名前は何と言うの? >

 

それはきわめてありきたりの質問だったのに、詩人は奇妙なことを聞くとでも言いたげに

顔をわずかに歪めふっと嗤った。

長い髪がさらりと揺れてシェプシの頬を撫でた。

 

< そんなものはありません >

 

思わず詩人を振り仰いだ。

 

< 名前がない!?>

 

そんな、まさか生まれたばかりの仮子でもあるまいし。

問い返した声があまりにも高かったので、詩人のほうがかえって驚いて

一瞬目を大きく見開くとこの小さな連れを眺め返した。

 

< 産みの親、育ての親がつけてくれた名はありましたけれど、捨てたのです >

 

名前を捨てることなどできるだろうか、物ではないのに。

 

< どうして? >

< わたしを名前で呼ぶ必要は、誰にもないからです >

 

容姿に似合わない皮肉めいた微笑が浮かぶ。

シェプシはそれがどういう意味なのか考えた。

 

「紫の砂漠」 ハルキ文庫  【砂漠から来るひと】P80-81より抜粋

-----------------------------------------------------------------------

の何気ないシーンは後々大きな意味を持ってシェプシの胸に、心に、何度も突き刺さります。

そう、続編の「詩人の夢」でも…。

 

それとは別に、この「詩人さんの髪がシェプシの頬を撫でた」シーンにときめいてしいまう私ですラブラブ

さらさらのシルクみたいな、少しひんやりとした感触なんだろうな~。

羨ましいぞ、シェプシ!

 

 

 

 

 

「紫の砂漠」「詩人の夢」 ~劇場アニメ化を目指して~-バナー

↑ランキングに参加しています♪
アニメ化実現のために、クリックで応援お願いします 

 

メールはこちらへどうぞ♪(★を@に打ち直してください)

way_jinori★yahoo.co.jp

 

旧ブログ(イラストブログ)です♪
「 紫の砂漠にたたずんで 」 http://blogs.yahoo.co.jp/way_jinori