いよいよ迫る米中間選挙、国民が下すトランプへの審判! | ぼんじゅーるから始まる一日

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 11月6日、米中間選挙(Midterm Election)が行われる。

 

 中間選挙は、あまり日本では話題とならないが、アメリカ大統領の今後の政権運営に大きな影響を与える選挙として、大注目すべきイベントである。共和党と民主党の2大政党が争うアメリカの政治は、どちらの政党が議会で過半数を支配できているかによって、政策の遂行のしやすさや、法案の通りやすさに大きな影響を与えるのだ。そのため、政権に対する不満が高ければ高いほど、与党側に対する票が減少する。中間選挙は、大統領に対する審判としての役割も果たしている。

 

 今回の選挙は、従来の中間選挙よりも注目度が高い。なぜなら、トランプが就任して2年、彼に対する評価がはっきりと示される最初の選挙であるからだ。そして結果によっては、トランプの外交や経済的な政策に変化を及ぼす可能性があるため、世界が注目している。

 

 上院の改選議席は100議席中35議席、下院の改選議席は435議席(全議席)。上院では、現在の議席数は、共和党51議席、民主党49議席。改選議席のうち、共和党の現職は9議席、民主党の現職は26議席。そのため、改選議席の35のうち、民主党が28の議席を獲得すれば、過半数を支配することになる。下院では、現職共和党が235議席、民主党が193議席であり、218議席で過半数を獲得することになる。

 

 各メディアを総合的に見ると、上院においては、テキサス州等の6議席が接戦となっているが、共和党が8議席において優勢となっており、民主党が過半数を獲ることは難しいと思われることから、共和党が勢力を維持すると考えられる。他方で、下院においては、共和党の現職引退者が40人近くおり、接戦となっている州が多いため、民主党が過半数を奪還する可能性も高いと見られている。

 

 仮に上院下院でねじれが生じた場合、一部メディアでは、トランプ弾劾の動きが加速するという報道があるが、これは現実的ではない、というか弾劾のシステムをあまりわかっていない報道である。なぜなら、大統領の弾劾手続きを取るためには、下院の過半数と上院の2/3の支持が必要となる。今回の選挙で、民主党が上院で改選全議席を獲得しても、上院2/3を獲得することは不可能。その上、弾劾は政界に大混乱を招くから、それを望む議員はあまりいない。

 

 予測されることは、政策遂行が難しくなり、法案も可決されにくくなる。それによって、トランプの強気な外交や政策実行に大きな影響を及ぼす可能性があるということであろう。

 

 これまでの傾向として、中間選挙においては、政権与党が議席を減らすことが多い。そのため、決められない・動かない政治との批判の声が高まる。

 

 民主党としては、今回の選挙は2020年の大統領選挙戦勝利に向けたチャンスとしてなんとしてでも良い結果を得たいところだ。トランプ人気は、未だ衰えていない。