双子姉妹の歌 Chanson des jumelles

ミシェル・ルグラン Michel Legrand

 

 

ジャック・ドゥミでどの作品が好きかと問われれば、私は迷い

なく「ロッシュフォールの恋人たち」(1967年)を選ぶことだろう。

あの明るい陽射しとカラフルな衣装・セット、華麗に揃った集団のダンス、そして何よりミシェル・ルグランの音楽だ。

 

オープニングの「キャラバンの到着」から魅了されるが、その後に美人姉妹が登場して、そこからは画面に目が釘付けになる。フランソワーズ・ドルレアックとカトリーヌ・ドヌーヴは、実の姉妹なので、息もぴったりで、テンポの良いこの歌を振りも入れながら溌溂と歌い上げる。(吹き替えだが...)

こんな垢抜けたカラフルな世界があるのかと思い、直ぐにでもロケ現場に行きたくなったが、その後実際に渡仏して、映画で創られた架空空間だとわかった。ジャック・ドゥミの魔法なのだ。

フランソワ・トリュフォーの「柔らかい肌」で美人で色気のあるキャビン・アテンダントを演じていたフランソワーズ・ドルレアックは、この映画では美人だけれどサバサバした音楽家志望の活発な女性で、新たな魅力を発揮していた。

ただ、残念なことに、この映画が公開された年の6月に、フランソワーズは、ニース空港に向かう車の運転中に交通事故に遭い、帰らぬ人となった。まだ25歳だった。