農業をしている知人に聞いた話。

耕作放棄地の行く末について、最近は雑多な植物の繁茂の果てに、

外来植物のセイタカアワダチソウが、いわば勝利をおさめて一面の

アワダチソウの野原となり、この季節だったら花粉で苦しむ人たちを

大量に生み出したりもするようだ。

ただ、アワダチソウの繁殖は、荒蕪地の最終形態ではないらしい。

最後は、ススキがアワダチソウの王国に浸入を図り、両者の拮抗の

果てにススキが勝利を占めると、その段階で荒蕪地の最終形態を迎

えるとのこと。一面のススキ野として終わる、ということらしい。

最初の写真は、一面のアワダチソウの野原で、元々は稲作地だった

り、タバコ、あるいは葱やサツマイモ、ニンジンなどの栽培地だったと

ころだ。

後の写真は、そんなアワダチソウ王国の一角にススキが侵攻を始め

ている姿を現している。

両者のせめぎあいがどうなるかは、この先何年もの植生の変化で判

断されることになるのだろう。

やがて、ススキが勝利をおさめると、いかにも見慣れた日本的風景の

ススキヶ原が広がることになる。ただし、それはその土地が耕作地と

して復活する道をほぼ断たれた状態とも言えるというのが、知人の言葉。

ススキの根は強靭で、耕作地に戻そうとすると、ススキを含む表土を

剥ぎ取らなければならないとのことだ。

いずれにしても、周辺の耕作放棄地が文字通り、耕作不可能の土地

へと変貌してく姿を目のあたりにしているようで、少々複雑な思いだ。

農業の衰退を眼前にしているような思いだ。

アワダチソウの群落の前の段階で、ガマが群生する状態になることが

あるらしい。そんな地域を、干拓地周辺で見たりもしているので、ここ

でも植物同士の勢力争いが行われているのか、と思ったりもする。

侵攻、など