みんなはオーガニックというものをご存じだろうか。

 
 
 

ここ数年で信者が増加している、食品添加物や有機野菜といったエビデンスが乏しいアレだ。

 

僕自身、人生初のブログの話題がまさかこれになると思っていなかったが、

最近の出来事で特に印象的で、僕の今の活力になった出来事なので記すことにした。

 

 

僕は社会人になりたての男だ。今年で23歳になる。

僕には大学生の時に抱いた夢があり(別の記事で詳しく語る)、

その夢の通過点として今の会社に入社した。

 

そんな僕には、同じ夢追い人の高校のころからの親友がいる。彼の夢はプロサッカー選手になることで、幼いころからサッカーを続けていた。しかし、大学に入るとすぐに大きなけがをしてしまい、治療しては再発するといった具合でなかなか試合に出れなかったそうだ。

僕らは大学は違えど定期的に会っていたので、僕は彼の苦労をよく知っていた。

 

 

大学4年の6月、僕は大学生活で見つけた夢を実現するために就職活動をしていたころ、いつものように彼と飯に行った。

当時の彼は相変わらずケガが続いており、夢をあきらめかけていたため元気をなくしていた。しかし、その日会った彼はどこか元気そうだった。訊くと、友人から「一緒にビジネスをやらないか」と誘われ本格的に動き始めてるという。「オーガニック食品」を作り販売するビジネスだ。

彼らのビジネスはオーガニック界隈で話題になり、半年後には多数のスポーツ選手や団体に販売していた。

 

 

最近のスポーツ選手は食事でパフォーマンスが変わると言われるほど、食事には非常に気を使っている。また、人気の褪せない筋トレも、「筋肉の付き方は、筋トレが1割、食事が9割で決まる」と言われている。

「タンパク質を取らないと筋肉はつかない」や「バランスの良い食事を摂取すれば健康体を維持できる」などといった科学的根拠のありそうな話は、今や一般常識となっている。

 

一方で、オーガニックはどうだろうか。たいしてエビデンスもないのに「無添加のものは人間の寿命を延ばす」「オーガニックは発癌リスクを抑える」などといったことをどうして言えるだろうか。

 

僕も彼を信じて、スーパーに行っては「有機食品」と書かれたものを半年ほど買って過ごしてみたが、特に体に変化はない上に値段が非常に高い。これでは、三大欲求の一つが「食」である以上、くそ美味いものを好きなだけ食べる人生が良いと思っても仕方がない。いくら体にいいからと言われても、番人が納得できるくらいの科学的根拠が生まれない以上、オーガニック信者はオーガニックと謳われるものを一生食い続け、自分の身をもって証明するしかないと思っている(あくまで個人の見解)。

 

 

お分かりだろうが、僕は反オーガニックだから彼のことは友人として大好きだが、彼のビジネスは心の底から応援できなかった。

 

 

1か月前、「皇居の回りを一緒に走らないか」と、彼からの誘いがあった。
朝9時に皇居に行くと、そこには彼とそのビジネスパートナーが4人ほどいた。そのうちの1人はトライアスロンの選手で、毎日無添加の食事を摂取しているという。また1人はフィットネストレーナーでインスタのフォロワーが5万人もいる人気者であった。
僕以外はみんなビジネスをしている人だったので、走っている最中もずっとビジネスの話をしていた。正直しんどかった。


走った後、無添加選手がみんなをランチに誘った。
無添加選手が店を選んだから、都内にある無添加の店とはいったいどんな店なのだろうかとワクワクした。

しかし、入ったのは何でもないステーキ屋だった。
しかも質の悪い肉で味もおいしくない。

それでも無添加選手は「ここ人気店なんだよー」などと言い、こんなのお前らが気にしている添加物とやらが確実に入っているだろうと言わんばかりのスープを、そいつは二度もおかわりをして見せた。

それを見て呆れた。結局そんなもんなんだと思った。
無添加などとSNSでほざきながら、見えないところでは好きなの食って生きている。結局、世の中のオーガニック信者も好きなものを食べたいという感情を抑えきれず、毎食無添加のものを食べるということができない弱者だと。それなのに、周りの人にはオーガニック思考を勧め、自分はオーガニックに100%の信頼をおけないまま生きている、哀れな集団だと思った。

 

 

 

 

 

 

食事中のビジネスの話も残念だった。
フィットネストレーナーも適当なトレーニング方法の動画を数本アップして、自分のフォロワーから金を巻き上げている人間にしか見えなくなった。
僕はそこにいた連中全員が好きじゃなくなった。


何より、そんな連中とビジネスの付き合いをしている僕の親友に対する思いが複雑になった。
「みんなに健康的な食生活を送ってもらいたい」という思いでビジネスをやっていると思っていたが、彼自身が好きなものを食べ、付き合いで頻繁に酒を飲むような生活をしている。僕の方がよっぽど健康的な食生活を送っているくらいだ。


世の中には二種類の稼ぎ方があると思う。人の役に立つ仕事をして稼ぐ方法と、人をだましてでも稼ぐ方法だ。
今回の出来事で、オーガニックや無添加のビジネスは、まさに後者に当たると思った。もちろん、本当に人の体に気を使って健康的な食事を提供する人々もいると思う。そういった人々の努力は報われてほしいと心から思う。しかし、オーガニックや無添加のビジネスは、単価が高い上に信者がいる限り続くので、金目当てに人をだましてでも稼ぐ連中からすればおいしい話である。
彼はそんな人間だと悟り、悲しく思った。





一方僕は前者の人間だ。
僕は大学3年間、緑のロゴのカフェで働いていた。
そこでは、「お客様の一日を明るくする」という経営理念のもと、皆が楽しんで働いていた。
僕はここで、経営理念を理解し、働くことの楽しさと、なにより、会話を通じてお客様を笑顔にさせることに幸福感とやりがいを覚えた。
それ以来、将来は人の一日を明るくする仕事、人の役に立つ仕事をすると決めている。


勿論、いろんな生き方をする人がいていいと思う。彼が本当にそういう人だって言いきれたわけじゃないし。
でも、働く上で、生きる上で、自分が誰かの幸せの役に立てたのなら、それは掛け替えのない財産になると確信している。
だからこそ僕は、これからの人生、人の役に立つ仕事をして幸せに生き、その生き方がどんなに良いものかを親友である彼に証明したいと思った。
この出来事が、今の僕の活力となっている。


もしこの記事を読んだあなたが、僕と同じ志を持った人であれば、あなたは正しい。
もし、あなたの行いに自信を無くすことがあったとしても、自分を信じ続けてほしい。

同志である以上、僕はあなたの味方です。

また、将来何をやりたいか決まっていない若者がもしこれを読んでいたら、今すぐ緑のロゴのカフェにバイトの申し込みをして、将来は人の役に立つ仕事をしていただきたい。