「this is」に着くとリハーサルが始まった。
僕はミュージシャンのリハーサルを見るのが大好きだ。
ステージはある意味完成された形である。ステージでの失敗は基本的に無いというのが、プロのミュージシャンの姿である。彼らは、やはりそれくらい自分に厳しい。
ところが、リハーサルはちょっと様子が違う。というのは、いくら技術的に完璧に近いテクニックがあっても、ライブ会場の様子はリハーサルまでわからないのだ。
音がどのように聞こえるか、ミュージシャンは入れ替わり立ち替わり楽器の聞こえ具合を、スタッフや自分自身の耳で確かめながら、会場をまわって確かめる。
そんな手さぐりの様子に、ミュージシャンの何だが人間くさい部分が見えるのだ。
椎名豊さんトリオのリハーサル、今回の渡辺貞夫さんのリハーサル、共に気迫が伝わってくるものであった。リハーサルの曲が終わった後、拍手を前提としていないミュージシャンに、私たちリハーサルを見ていた客が思わず拍手してしまうこともある。
そんな、ライブ本番とは違うライブ感覚がたまらなく楽しい。
今回の貞夫さんのリハーサルにも思わず拍手してしまった。その時の様子は、何と渡辺貞夫さんのホームページの「道東ツアー」に載っている。聴き入っている私と友人が映っている。無断転載はできないので、その様子をお知りになりたければ、渡辺貞夫
さんのホームページをご覧ください。