打ち上げの場所居酒屋歩はカウンターだけの店。高瀬アキの昔のコンサートのポスターがよく目立ってた。店主が作ってくれたザンギは最高にうまかった(あまり酒を飲まない私が初めてボトルを入れたお店だった)。 

 椎名さんは主催者this isのマスター小林さんと静かに飲んでいた。店内に入ったときはちょっと話しかけずらい雰囲気であったが、椎名さんも小林さんも私を歓迎してくれた。私は椎名さんの左側に座った。小林さんと椎名さんをはさむかたちになった。

 何となく重い空気だったが、ジャズを聞き始めて数ヶ月の私に怖いものは何もなかった。「ジャズのアドリブってどの程度、本当にアドリブなんですか?」、「 曲はいつ決めるんですか?」「拍手するタイミングはいつなんですか?」等々。

 多分、そんな失礼な質問は滅多にないのだろう。椎名さんは一つ一つの問いに微笑みながら丁寧に解説をしてくれた。ただ、椎名さんの答えには一貫して、「感じたままでいい!」、「自由にしていいんですよ!」という雰囲気が漂っていた。

 私は少し酔い始めていた。そして、いよいよずっと考えていたことを話し始めた。「ジャズを子ども達にきかせみる気はありませんか?」