微温湯温泉「旅館二階堂」 | 温泉と下町散歩と酒と読書のJAZZな平生

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人生の事をしみじみ噛み締め出す歳は人それぞれやろが、ワテもそないな歳になったんで記し始めました。過去を顧みると未来が覗けます。
基本、前段が日記で後段に考えを綴っとるんで、後段を読まれ何かしらの“発見”があれば嬉しゅうございます。

昨夜、ラジオ「ジャズ・トゥナイト」を最後迄聴いとったんで起きたの9時で、朝食は昨夜スーパーで半額になっとったチキンパエリア。デザートはチーズケーキ。
それにしても、夜更かしすると、また逆流性食道炎の症状が出る。23時半には寝ねばならん。
カーリン・クローグ&デキスター・ゴードンのアルバム「ブルース・アンド・バラード」をレコードで聴いた。
昼食は馬道通り「ブラカリ」へ行きパスタセット。スープ仕立てのパッサテッリインブロードをお願いした。初めて食うたが旨かった。エミリア・ロマーニャ州の郷土料理らしい。サラダとバゲットとフォカッチャにエスプレッソ付いて1296円也。
自宅に着く頃、雨がチラチラ降り出した。
なかなか終わらぬ本と雑誌の整理をし、ちょっち肩凝ったところで筋トレ30分した。
夕食はタイ産鶏肉、長崎産じゃが芋、茨城産ピーマン、北海道産椎茸をタジン鍋で蒸して食うた。デザートは愛媛産伊予柑。
ほな、懐かしい独り旅を、メモ書きが見つからないんで、このところ弱ってきよった記憶で記してみますな。
 
 
嬉しい事に今朝、まるで百合の花ように清楚な女性と散策する夢を見た。お顔は小川彩佳に似とったが小柄やった。ゴミ収集の日でもないのに、無粋な烏の鳴き声で目覚めてもうたが、もう小一時間見ていたい夢やったがな。
百合の花と云えば思い出す。
一人で行った印象深い温泉ベスト3の一つが福島市にあんねん。吾妻小富士の中腹に建つ鄙びた日本秘湯を守る会の一軒宿、微温湯温泉「旅館二階堂」ですわ。
訪れたのはWみさんと付き合う前で30代に入った頃や。20代やない。
近く迄行くバスは無く、指定されたバスの停留所で待ち、宿の送迎マイクロバスに乗り換えるんやが、しっかり料金取られた。送迎しとる宿は宿泊代に送迎代金も含まれとると考えれば何の事無いが、それ初めてやったんで、ちょっち違和感あったなあ。
マイクロバスを降り、ここが市内なのかと思いつつ深呼吸。
視界に飛び込んで来たのが野生の百合。辺りに白地に黄色い帯状の筋が入った花が咲いとった。それは綺麗で、ええ時節に来たと思うたわ。
百合が咲いとるんやから、行った時節は夏やね。
ワテの記憶が正しければ、茅葺き屋根が目立つ趣ある木造の建物二棟とその真ん中にも木造の建物があった。宿泊した棟の家具調度品も歴史感じさせるかなり年季入ったもんやったなあ。
風情あってええ所に来たと思うた。
宿の人の案内に従って廊下を歩いて行くと、立ち止まった所の締め切った障子戸を開け、そこがワテの部屋やと云われた。一人にはかなり広かったが、そんな部屋やさかい鍵は無い。なんか田舎の祖父母の家に泊まりにやって来て座敷に通された感じしたわ。
微温湯温泉は、眼病に折り紙付きの温泉なんですわ。眼病治癒の為、長期滞在しとる人も少なくない云う。
風呂で気さくな婆ちゃん達と一緒になったんや。その中の白内障の地元のお婆ちゃんが話し掛けて来て、ワテも眼病なのかと問うたの思い出すがな。
木造りの湯船の湯は、名前通りのぬるいもんやが、浸っとる内にじんわり体が温まっとるのに気付くんですわ。肩肘張った都会から離れゆっくり湯に浸っとるの嬉しかったわ。
そうそう、吹き出し口から勢いよく湯が出とるのが面白かったわ。婆ちゃん達が居る中で無邪気に笑うてしもた。すると、快活な婆ちゃんが何が面白いのか尋ねてきよった。気味悪がられたのかもな。
婆ちゃん達が眼洗っとるさかい、ワテもやってみよと思うたが、湯船の底に砂があるのちょっち気になって、手に掬って砂無いの確認してから眼洗ってみたがな。
それと、快活な婆ちゃんに飲んでみろと云われ、口に含んでみたが、酸っぱくてちょっち苦い!多分顔歪んどったに違いない。婆ちゃん達が笑う番やった。それからの婆ちゃん達は皆上機嫌でしたわ。
夕餉の膳は襖で仕切られた隣室に運ばれ、何が供されたかトンと記憶無いが、そこで高砂香料に勤める若い女のコと一緒になりましたんや。
そのコと食事しながら食後の茶飲みながら色んな話したんやけど、宿の人が膳を下げに来た時、ごっつ親しそうに喋っとったように見えたからやろか、宿の方がキューピットになりたかったんか、ワテの部屋の方に布団が二つ仲良さそうに並べて敷かれましたんや。そのコそれ見てかなり慌てとりましたがな。
ワテは平静を装い、別々の部屋に分けて敷き直すようお願いしました。
その後それぞれの部屋で過ごし、色っぽい事ありまへんでしたでえ。静かな夜やった。
安眠した翌朝、山登りもしとると昨晩云うたからやろ、そのコに吾妻小富士に一緒に行けたらと誘われたものの、ワテ履いて来た革靴しかないんでお断りした。
連絡先の交換せんかったからそのコとはそれっきりやが、今頃ええお母さんになっとるような気がする。