1 PATHWAYS [JAZZTRONIK THEME] 
 僕が長年やりたかった音楽を形にしたのがこの曲。ジャンルは何?と聞かれても困るのでサブタイトルにはJAZZTRONIK THEMEとつけてみました。ホントこのStringsのアレンジにはとても気合いを入れたし気を使いました。でもこんなにも大変だったけどやってて楽しかったStringsのアレンジは初めてかも。5月にLondonのAngel Studio に行って長年の友人Everton Nelsonとレコーディング。ここまでの大所帯のレコーディングは初めてでした。念入りに打ち合わせをしながらほど良い緊張感にスタジオがつつまれながらレコーディングが進んでいったのを覚えてます。VocalにはVALERIE ETIENNE&おなじみROB。そして「LALALA~♪」という大合唱は有坂美香ちゃんにお願いして彼女と彼女の友人達にお願いしました。Drumsには大槻KALTA氏、Bass鳥越啓介氏。Percussionには中里サン。素晴らしいミュージシャンばかりなので全て生演奏でいってみました。そしてこの曲でなによりも苦労したのはMIX。ずっと一緒にやってる池田サンにお願いしたんだけどとにかく展開は目まぐるしいし楽器の数は多いし。ホントに大変そうでした。なのでちょくちょく会ってはこんな方向性はどう?とか何度も二人でチェックしながら仕上げていきました。こんなMIXは初めてかも(笑)。おかげで素晴らしい仕上がりなりました。『Pathways』の名の通り、自分の中の何かを切り開き、そして何か新たな事を見いだす事が出来たような気がする曲です。ジャンルはJazztronik。 
 
2 ALL INSIDE
 この曲を作っている時に頭の中で鳴っていたのは僕1人ではどうしても作り出す事の出来ない音の世界でした。Stringsをレコーディングした後もずっと悩んでいました、どうやったら自分のイメージ通りの世界が出せるのかを。そんな時、僕が非常に尊敬していているアーティスト半野喜弘サンの事を思い出しました。即電話、デモを聞いてもらいイメージを伝え、そして出来たのがこの曲。この独特なリズムは半野サンにしか出来ないだろうな。さすがです。リスペクト!Vocalを務めているのはYurai。 
 
3 en:Code
 このalbumのタイトル曲。日本が世界に誇る太鼓チーム『鼓童』に参加してもらいました。そして今までに経験した事のないレコーディングでした。みごとに見た事のない楽器、恐ろしい程大きな和太鼓、ムキムキな鼓童の皆さん。そしてそんなレコーディングを引っ張っていってくれたのは紅一点、堀つばさサン。なんと女性。もちろん彼女も鼓童のメンバー。きっと太鼓の事にあまりに僕が無知なのでさぞかし大変だったと思います。。僕は終止圧倒されっぱなしでした。世界で通用する音というのはこういう音なのかと。ちなみに曲の中で鳴っている管楽器はフルートではないですからね。笛です。鼓童の太鼓や笛の音を聞いてとてもワクワクしてくる気持ちになったのを思い出します。小さい頃行った祭りを思い出したり。だんだん祭りの会場が近づくに連れて暗い中に赤い光が見えて来て音が聞こえて来て一気にワッと世界が開ける感じ。そんな事を知らず知らず思い出していたのかもしれないです。 
 
4 CITY OF RIVERS [RIDING THE B TRAIN]
 またまたROBの登場。この人にしか出来ないっていうスキルを持っている人っていうのはホントに凄いなと思う。ROBはその典型的な例。もう彼にしかコレは出来ないでしょう。B TRAINってアナタ、大胆な名前を付けてくれましたなぁ。BRASSアレンジは僕が窮地に陥った時にいつも助けてくれる武田和大サン。今回オケに合わせてBRASSをレコーディングするというのではなくBRASSはBRASSだけでレコーディング。そしてその後僕が要所要所に配置という形をとってみました。このやり方は今までやった事無かったのですが非常に個人的には気に入ってしまいました。でも演奏する方から言わせるとそんなにやりずらい事はないよなぁ。。武田サンごめんなさいです。オケの後ろで聞こえるオーネットコールマンの様なSAXは姫野サンです。ROBは一度Londonでこの曲をレコーディングしてるのですが日本のツアーをまわってるうちにいろいろと発見があったらしくTokyoでもう一度とりなおしました。しかも一発OK!wicked!! 
 
5 RIO,SOL E MAR
 憧れのアーティストMarcos valleに歌ってもらいました。まさか参加してもらえるとは思っていなかったのでOKの返事が来た時はもう卒倒しそうでした。僕にLiveの凄さを見せつけてくれた人でもあります。初めて見に行ったBrazilのアーティストのLiveはこのMarcosのLiveでした。もう7,8年前かな。しかも実は何度か会った事あります。デモを送ったところ非常に気に入ってくれ、そして参加という事になりました。しかしこの曲のリズムはなんとも不思議なリズムが出来上がったなと自分でも思ってます。FunkyなGuitarは竹中俊二氏です。そしてこの曲のstringsはNAOTOサンにレコーディングお願いしました。しかしMarcos、もうきっと60歳くらいなのかな?全然衰えを見せない彼のそのスタイルにはホント脱帽です。 
 
6 LISTEN TO YOUR LOVE 
 今までのJazztronikにありそうでなかった感じの曲。すごくシンプルな曲なんだけど僕はけっこう気に入ってます。スタジオでなんとなくエレピを弾いていたら出来てしまいました。それにしてもYuraiのコーラスのセンスは素晴らしいと思う。 
 
7 DEEP INTO YOUR THROAT
 interlude的な曲。リズムは福富幸宏氏によるもの。ウワモノのコードは実はピアノで弾いてみるとすごく難解複雑に聞こえてしまう。ローズ等のエレピ等で弾くととってもジャジー。そのどちらでもない感じにしたくてなんとも言えない音色を作って弾いてみました。なんとも解決しない感じを出したくて。しかしこのタイトル、特にイギリスではいろんな意味合いがあるらしいです。その昔『Deep throat』という有名なポルノ映画があったり、ウォーターゲート事件でこの言葉が使われたり。反体制の意味合いで使われる事もあったり、そうでなければポルノ的でもあるらしいのです。。僕の周りのイギリス人DJ達は『最高!』って言ってましたけど。僕的には喉に食べモノがつまっちゃった、とか、言いたいけど言えない、みたいな意味合いで付けました。悪しからず。 
 
8 WORKING DAYS 
 最近のJazztronik作品には必ず参加しているSonia Santanaによる歌。ベースラインはなぜかコレしか浮かびませんでした。。なんて言うんですかね、こういうベースって。この曲をLondonでレコーディングした日、なんだかSoniaは「凄く行きたいバーゲンがあるんだ」ってしきりに言ってました。それに間に合うように歌も終わらせる!って張り切ってました(笑)。 
 
9 GET IT RIGHT 
 僕の友人Just OneことJustin ChapmanがVocalとguitarを担当。彼は人間的にも素晴らしく考え方も非常にsmart。東京のスタジオでレコーディングしたんだけど、あっという間に終わってしまいました。このalbumの中で『City of rivers』と並ぶ男気系の曲です。 
 
10 TIME 
 時間というのはずっと続いているのだけど、その場その時で常に人それぞれに対してその接し方を変えているように思うんです。その瞬間、時間自体の形が変わっているのか、自分自身が変わっているのかはわかりませんが。この曲は延々と同じ響きが続くけれど常にその形を変えていっています。僕にとってこの響きは延々と続けていてもなぜか飽きがこないんです。時間を自分なりに音にしてみた曲。 
 
11 LITTLE TREE 
 いよいよ登場です。Mr violin葉加瀬太郎氏。冗談半分にしばしば太郎サンは「早く俺もジャズトロに入れてくれよぉ」って言うんです(笑)。そんなこんな太郎サンとは出会って7年くらいなのでしょうか。とうとう参戦です。そして出来たのがこの曲。きっと太郎サンでしか弾けないでしょう。相当歌心のある演奏をしないとこの曲意外とサラーっと流れていってしまうのです。Violinの音色を聞いて『あ、葉加瀬太郎だ!』って思わせてしまう太郎サンはホントに凄いと思う。このオンリーワンな感じ。まさにプロ。Violinに負けないように後ろで必死に僕も弾いてますので、お忘れなく。 
   
12 LOST BEGINNING 
 以前リリースしたマキシシングルでは『OPENING』という曲でした。今回AyaちゃんのポエトリーをのせMixもやり直し新たに収録しました。いつも思うんだけどAyaちゃんが作る歌詞というのは凄く世界観があってキレイ。すっかりこの曲が生き返りました。 
 
13 TIGER EYES-CLUB VERSION 
 僕がclubでDJをする際にはこのversionを使ってました。実は音質もだいぶ以前のマキシシングルのとは変わっています。Fukkoの歌というのは凄くパワーにあふれているなと再確認。彼女とはいつかまた一緒に何かやってみたいですね。 
 
 

僕にとって一番良いのは『CANNIBAL ROCK』と『en:Code』これは1組だと思って聞いてもらえる事。『CANNIBAL ROCK』があれだけLatin,Brazil,Funkに集中した理由もきっと『en:Code』を聞いてもらえばわかると思います。このどちらもJazztronik。そのうち『CANNIBAL ROCK』の解説も書きたいと思います。