「あっという間やったな、」
「元気になって良かった…」と、時間の許す限り病院に通ってくれた息子が、目の前で笑っている…
息子は19歳で自動車免許を合宿で取ったものの、私が心配するので、ほとんど車を運転せずにいた。今回の入院では、どうしても運転しなくてはならなくなり、手に汗しながら、片道40分、車で通ってくれた。
外来の時から側にいて、一緒に説明を聞いてくれた…
気管支鏡の結果を聞く際
「ご家族とおいでください」
と言われて、息子が同行してくれた。
「残念ながら、大腸からの転移と思われます…」
結果を聞いた帰り道、自分もショックを受けただろうに、前向きな言葉で必死で励ましてくれた…
悩んだ末、手術を決め、臨んだ呼吸器外科外来では
「この手術をしたからって、完治するわけではありません。場合によっては、しなかった方が良かった、と思われるかもしれません。」
外科部長の説明はどちらかというと、手術には否定的な意見だった。
息子は22歳…長身の私より、少し小さくて、筋肉質ではあるけれど、華奢な体つき…テレビで見るマラソン選手体系…そして色白…言葉数は少ない…
一見、頼りなさそうな息子だけれど、
しっかり話を聞いてくれ、私の気持ちも、よく理解してくれている…
22歳…思うに、私が22歳の頃は、遊んでばかりだったな…両親の心配なんて、全然しなかった…心配ばかりかけていた…だってありがたい事に、両親はその頃とても元気だったから…。そんな私の22歳の頃と比べると…
苦労、させてるな…
と思う…。
ごめんね…と、何度でも心の中で…
でも、
口からだすのは
いつも
ありがとう!
ごめんね、よりは
ありがとう、の方が
息子が笑ってくれるから…
これ以上、辛そうな顔は見たくない…
帰ったら、何か美味しいもの作って
「ありがとう!」って感謝の気持ちを伝えよう。