他人同士の近しい関係:異世代同居、「京都ソリデール事業」の現場を訪ねてみた。 | Love Island

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世の中のシステムは、実は幸せを感じられる不便、便利は不幸を隠し孤立を生み出している。現代社会の計画された便利さの裏に多くの犠牲が伴うことを忘れてはいけない。心と身体が誰かに壊される前に、当たり前という意識を捨てる、常識だろうという考え方を捨てること。

久保田裕之・日本大教授(家族社会学)の話
夫婦を基本単位とする家族のあり方では、大学などに進む青年期と、子供が独立し配偶者と死別した後の高齢期に、人は一人で暮らすことになる。その両者を組み合わせ、独居高齢者の家に学生を無料や格安で住まわせる社会事業がホームシェアです。欧州を中心に広まり、2009年からは国際会議も開かれています。

 

若者が見守りや雑用の一部を担うのが原則で、介護者や小間使いとして雇われるのではなく対等な関係で助けあうのが基本です。

高齢者には「実効的な見守り」「孤独・孤立の解消」、学生には「安価な住宅の提供」という効用がある。同時に、断絶しがちな世代間の交流と相互理解が進むのは社会全体の利益です。

日本では他人との同居に抵抗感もありますが、同世代のシェアハウスはかなり普及しました。
異世代同居には条件も多く爆発的には増えないでしょう。それでも、他人同士が同居してうまくやれる実例を示すことは意義があります。

 
他人同士の近しい関係

 

「自分の息子たちには『勉強しなさい』と文句ばかり言っていたけれど、節田さんは優等生」と話す前田さんに、「我が子だからこそ『こうしなさい』と思うし、違うと腹が立つのでは」と問うと、「それはあるかも」と笑った。家族ゆえの困難も、他人ゆえの気楽さもあるはず。

 通学に便利な持ち家がなければホームシェアのホストにはなりにくいけれど、他人同士で近しい関係を築く暮らしは、誰にとっても参考になりそうだ。(片山)

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