昭和九年制作 ざっと八十年も昔の作品ですね。
八重ちゃんに 逢初夢子さん
お母さんに 葛城文子さん
お姉さんに 岡田嘉子さん
恵太郎さんに 大日方伝さん
お母さんに 飯田蝶子さん
でも台詞のやりとりが ぽんぽんとテンポ良く
画面も綺麗なので まったく古さを感じない。
お話は――。
高校生の 八重ちゃんの家は
お父さんに お母さんに 八重ちゃんの三人家族。
それに お嫁に行ったお姉さん。
大学生(帝大です)の 恵太郎さんの家は
お父さんに お母さんに 高校生の弟の四人家族。
このふたつの家族の家が 空き地をはさんで
隣り同士に 建ってます。
この二軒のお家というのが なかなかモダンで斬新なデザイン。
「隣りの八重ちゃん」と 題名から
私、てっきり長屋のようなお家を 想像していました。
空き地でキャッチボールをしていた 恵太郎さんと弟が
ガッチャ―ン、と 八重ちゃんちの窓ガラスを割ってしまいます。
昔の映画には こういうシーンよく出て来ますね。
でも 音に驚いて飛び出して来た八重ちゃんも
八重ちゃんのお母さんも ぜんぜん怒ってない。
「ガラス屋呼んでちょうだいね、お代はそっち持ちよ」
って、しょっちゅうだから 慣れっこなのね。
ガラス一枚が 十五銭。
八重ちゃん、恵太郎さん、弟の精二さんは
いつも一緒で とっても仲がいい。
でもある日突然、お嫁に行った八重ちゃんのお姉さんが
嫁ぎ先を 飛びだして来て――
なんと恵太郎さんにモーションかけて 八重ちゃんがやきもちを焼く。
だけど恵太郎さんは 誘惑になびかず
お姉さんは書置きを残して ぷいと家出をしてしまう。
新聞の 尋ね人の欄に載せてもらおうか、なんて
みんなが 大騒ぎしてるところへ
八重ちゃんのお父さんの 朝鮮への転勤が決まり(朝鮮ですよ!)
急であわただしいわねえ、なんて言いながら
八重ちゃん一家は さあーっと引っ越してっちゃう。
でも、荷物を積んだトラックと 一緒に行ったはずの八重ちゃんが
ちょっと経つと とっとっとっと、走って戻って来るの。
すると 恵太郎さんが言う。
「女学校を出るまで 八重ちゃんもウチの人になるんだね。」
学校を卒業するまで お隣に下宿するんです。
すると 八重ちゃん
「もう今日から 隣りの八重ちゃんじゃないわ!」
これでおしまい。
でも家出したお姉さんは どうしたかなあ。



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