察しががよければ

 

検査結果が出る当日、夫が仕事で休めなかったので1人で病院に行きました。抗がん剤の副作用、ウィッグの費用や手続きもネットや姉に聞いて出来る準備はしてきたつもりです。診察に呼ばれる前に看護師さんから検査指示がありました。骨密度測定に行ってきてください、と言うのです。骨密度?と意外な検査に首をかしげつつ指定された場所へ向かいました。エコーやCTの検査室が並ぶ廊下で待っている間ちょっと調べてみます。ホルモン剤治療に関して骨密度が減少するとかなんとか…あっ、これはもしかして!?

 

骨密度測定は骨盤での測定と言うことで、金具の付いたボトムだけ履き替え横になって撮るレントゲンのようなものでした。これはあっという間に終わり、再び別フロアの乳腺科に戻ります。まもなく診察に呼ばれ、先生は私の座る間もなく「察しが良ければ分かったかもしれませんが…」と前置きし、「抗がん剤は必要ありません」と告げました。

 

オンコタイプDXの結果、私の再発スコアは100分の15。9年遠隔再発率(5年間ホルモン治療した場合)は14%。そして抗がん剤を使用した場合の明らかな上乗せ効果は認められないとの結果でした。再発スコアは1から100までの数値を4段段階に分けており、私の15は下から2段階目でした。症例数は2000を超え、抗がん剤投与をしなかった場合の9年の乳がん特異生存率は99%となります。9年遠隔再発率14%は、先生曰くもう少し長くホルモン治療をする予定なので、この確率はもっと下がってくるとのことでした。説明をしながら私がほっとしたのが分かったのでしょう、先生はにこにこと「良かったですね」と言っていました。検査して本当に良かった…。先ほど測定した骨密度は、やはりホルモン治療に関わることでした。元々女性は閉経後に骨密度が下がりがちで、これらの薬剤は更にそれを進めてしまうのだそうです。骨密度が低い場合は出来るだけそうならないような薬を使用するそうですが、私の場合「年齢比(同年代の平均値から比べて)122%、成人比(20歳の女性と比べて)102%、全く問題ないですね」だそうです。

 

そしてこれからの治療スケジュールの説明がありました。まず始まるのは5週間の放射線治療。その後ホルモン剤の投薬が始まります。私の年齢から(ボーダーラインは50歳と考えているそうです)アロマターゼ阻害剤を使用するとのことでした。これは閉経後使用する薬で、本来減りつつある女性ホルモンを補うため男性ホルモンが女性ホルモンに変わるようになっているのを阻害するというものです。詳しくはこの後薬剤師と面談してくださいとのことでした。5週間の放射線治療が終わる1週間ほど前に乳腺科の予約を取って下さいね、そしてその後は3か月後に診察します、と先生。これからは長いつきあいになりますが、それでも頻繁に乳腺科に通院することは無くなります。引っ越してから怒濤の2か月が終わろうとしています。

 

薬剤師は女性で、別室での面談となりました。ホルモン剤治療の冊子を手渡され、どのような効果のための投薬七日の説明がありました。私は丁度閉経中といったところなのですが、「閉経後」という判断で行うそうです。使用するホルモン剤は数種類あるため、検査した骨密度の状況などで使い分けていくと言うことでした。相手が女性だといろいろ遠慮無く聞けて良かったです。また投薬中は他の薬と併用しても問題ないとのことでした。サプリメントなども一般的な使用量なら構わないとのこと(私は飲んでいませんが念のため)。カフェインも大丈夫でした。良かった珈琲飲んでも大丈夫だ!薬剤師さんは長い間飲む薬なので、数年経つと勝手にやめてしまう人も多いと話していました。ええっそれは命に関わる問題なのでは…。副作用や経済的な問題、自己判断等理由は様々ですが、副作用を感じたら直ぐ相談して欲しい、ジェネリック等の仕様も考えられるし必ず飲み続けて下さい、と強く言っておられました。

 

そして最後に回ったのが放射線科です。スケジュールを決めるのかと思ったら、「スケジュール調整する日の予約を取る」為でした。週明けに予約を取ってこの日は終了、11時に来て終わったのは14時過ぎでした。夫には待ち時間にメールをして報告しましたが、私同様ほっとしていたようでした。スケジュール調整して今度は放射線治療が始まります。