退院からの一週間は、母最優先。
介護だけではなく、看護も必要とする間は
母のことを第一に考える。
そう心に決めている。
だから。。。

5分に一回お呼びがかかっても
夜中に何回排泄に起こされても
食事の支度中に排泄で呼ばれて
そのまま洗濯する羽目になっても

お・こ・ら・な・い
イライラしない

そう決めたんだもん。
少なくとも週末までは。

修行だゾ、Jasmin。

母と同じ病気の方は病院に何人もいらしたが
その中に、脳卒中の後遺症で完全方麻痺という人はいなかった。
脳と心臓という命の要が両方壊れて、
それでもタフに生き延びる人はそうそういないのかもしれない。

強い母とその母に翻弄される父とjas。
十年以上前に、タイの占師さんにいわれたなぁ。
あたってる。

これは運命なんだろう。
だったら受け入れるしかないジャンね。

あと4日。
アレコレ考えず、ゆったりと看護&介護の日々としよう。
驚異的にタフな母。

痛い思いをさせた……という執刀医の説明だったが
母に言わせると
「そりゃちょっとは痛かったわよ。
でも、耐えられないほどのことじゃないわ、わたしはね」
ということなんだそうだ。

で、手術中も世間話をしていたというから恐れ入る。

そんな強靭な精神の持ち主で死あるけれど
血管は神経ほど図太くはないらしく、
手術中の出血は多かったそうだ。

手術直後は出血痕も見えなかったのだけれど
$シングル介護な日々

翌日にはこんな風に内出血が見えてきて
$シングル介護な日々

日を追うごとに腕の方まで広がり
$シングル介護な日々

今はこんな極道の妻のような有様目
$シングル介護な日々

退院前には貧血検査もしてもらって
異常はないとのことだったし
この血は、新たに出ているのではなく
手術直後の出血が下りてきているのだろうとのことで
自然に吸収されるのを待てばよいというけれど
日々増す迫力に、ちょっとばかり緊張する気弱な娘のjasmin。
まだまだ気が抜けないなぁ。


突然の入院から15泊16日。
母は無事に退院した。
当初Jasは、「お見舞いは3日に1日は休ませていただきます」宣言をし
「わかった」と言っていた母だったけれど、結局毎日病院に行った。

一度「明日は来なくていいかな」と言ったときの母の抵抗はすごかった。

世の中には、子供の生活を気遣って
自分は我慢をする親御さんもいらっしゃるらしいが
jas母は、まったく、そんな気配はない。

「親が子供に我慢をするなんて、ありえないでしょ」
とおっしゃり、堂々とご要望をアピールなさる。

身勝手な母親だなぁと思うこともしばしばだけれど
私の母親だし、もぞこいと思うときもあるんだし
なにより、jas自身が後悔しないように
退院にあたっては
「退院から一週間は、母最優先に過ごそう」と決めた。
そう決心しておかないと、退院後のアレコレで
jas自身がつぶされてしまいそうだし。
そして、その一週間のうちに、生活のリズムを整えるぞ!!
という固い決意で迎えた母の退院なんでありました。

6月にリニューアルオープンしたばかりの病院は
ベッドも器具も何もかもが新しくて快適で
ありがたかった。
お世話になりました。
ありがとうございました。
アリガトウ


病室の窓からはスカイツリーも見え
$シングル介護な日々

退院前日には、見事な虹も
$シングル介護な日々
ペースメーカー植込み手術から一日がたち
入院以来一週間以上、ずーっと落としっぱなしだった点滴は、
一日に30分×2回だけになった。
術後の経過も順調ですね、と執刀医。

なので、部屋も4人部屋にご移動いただいた。

経済的な理由もあるけれど
一人でずっと寝てばかりいると
時間の流れがわからなくなるし
寂しくて不安なのだろう、
「Jasちゃん、きてよー」ととにかくせがまれるし
同室のお友達がいたほうがいいかな、と。

そういう理由の移動だったからか
とっても元気な(?)入院患者さんの揃った明るい部屋に移った母。
早速、母もベッドを起こしておしゃべりな女子(?)会参加とあいなった。

それは楽しそうでいいのだけれど、
ベッドは割と離れているし
皆様お耳もいくばくか遠くていらっしゃるし
とにかく大きな声で話さないと会話にならない。
母も大きな声を張り上げようとしてしまい
首筋の体外ペースメーカのコードを抜いた後の出血は止まらなくなるし
手術の痕がイタイイタイと言い出すし。
とうとう発熱までしてしまった。

痛み止めを処方してもらい、アイスノンをもらって
「すみませーん」とカーテンを引いておやすみなさいをしていただいたら
だいぶ落ち着いてはきたものの、
とにかく自分の容態の自覚に欠ける母である。

「自分が手術をしたばかりだということを忘れないでね。
今傷口が開いて雑菌が入ったりしたら本当に命取りなんだから」と
母を諭す娘Jasmin。

「はい」と、いつになくおとなしく素直に返事をして
じっと横たわっている母を見ていたら
宮城の友人が、介護しているお母様のことを
「なんだか、うんともぞこくてねー」と言っていた
その言葉を思い出した。

もぞこい。
いとおしい相手に対する不憫な気持ちというか
かわいそうとかわいいが入り混じった愛情のこもった表現。

未婚の娘は
その「もぞこい」気持ちと自分の現実のバランスをとるために
既婚者さんとはまた違った努力をしないといけないんだよね。

いい年をして、未成熟な自分を反省しつつ
「おやすみー。また明日ねー」と病院を後にした今日のJasだった。
明日もいい天気になりますように。

母の手術は、
予定の2時間を1時間40分も上回ったけれど
無事に終わった。

予定時間を1時間過ぎた頃から
「よくないこと」を考え始め
医師から「それ」を告げられたときに
どう反応したらいいのか……などと考えていた。

さらには、「そうなった」らまず何の手続きをするんだろう、とか
誰に最初に知らせるべきか、とか、そんなことばかり考えていた。

昨日に限らず、
いつか来る「そのとき」をひどくリアルに感じ続けたこの一週間だった。

おかげさまで母は元気に手術室から戻ってきたけれど
「そのとき」に悔いたり、責めたりすることが
最小限であるように
今、やれることは精一杯やっておこう、と思う。

まずは、無事に終わって一安心、なんだけど。

ほっ……