憲法という言葉が内容的に、国民の権利・自由を守るべき法という意味で使われる場合を、立憲的意味の憲法と言いました。
立憲的意味の憲法は自由の基礎法なのです。
このことと並んで、憲法は制限規範といって国家権力を制限する法であるとされています。
国民の権利や自由を制限するのは国家であった(現在の日本ではなかなかピンと来ませんが)という歴史的経緯があるからです。
これは少し前に述べました。
そして、この自由の基礎法と制限規範という2つの特質の他に、もう一つ、最高法規性という特質も立憲的意味の憲法の特質であると言われています。
日本には現在数えきれないほどの法がありますが、この最高法規性とはこれらの法の中で憲法が最も強い効力を持つことを意味しています。
憲法があらゆる法の中で1番強い。
そう言われればそのような気もしてきますね。
でも、話はそんなに単純ではありません。
なにしろ、この最高法規性には2つの意味があるからです。
それが形式的最高法規性と実質的最高法規性です。
また形式的とか実質的とか出てきたよと思ったそこのあなた!
さすがです。僕も少しでも早く憲法講義を書き上げますから、しばらくお付き合いください。
この実質的とか形式的とかいう言葉はもうすでに出てきています。
そう、前回、実質的意味の憲法と形式的意味の憲法いうのをやりましたね。
実質的的意味の憲法とは内容面に注目して考えた時の憲法でした。
内容面からすると、日米安全保障条約や国会法も国家の運営に関わる重要な法だから、実質的に見れば憲法と言えるだろう。
そんな話でしたね。
では、憲法の実質的最高法規性とは何でしょうか?
それは立憲的意味の憲法の内容に注目すると、憲法は国民の権利や自由を守る法だと言えます。
国民の権利や自由は本当に大切なものですよね。
普通に生きてても、大学や職場で同じ日本人に足を引っ張られたり中傷されたりするのに、国家権力という巨大組織にまで同じことをされたらたまったものじゃないでしょう。
ある意味、自由や権利は1番大切なものなのです。
その1番大事なものを守るのが立憲的意味の憲法なのですから、当然、憲法という法は最高の法であると言えます。
これが実質的最高法規性です。
これに対して、形式的意味の憲法って何でしたか?
法の名称(=タイトル)に憲法と入っているのだから、日本国憲法は憲法に決まってるじゃんと形式的に考えるのが形式的意味の憲法でした。
ということは、形式的最高法規性とは、憲法の条文に最高と入っているから、最高法規であると形式的に考えるとして良いと思います。
なにしろ、憲法98条1項には
この憲法は、国の最高法規であって…
と、憲法に最高法規と思いっきり書いてありますからね。
条文にそう書いてあるから最高法規なんだと言えるということです。
いやぁ、俺がんばったな。休日なのに勉強してハヤシライス作って記事も2つ書いたな。偉いな。
いえいえ、1番偉いのは形式的にも実質的にもこれから試験に挑もうとする受験生です笑笑