早咲きの寒紅梅がほころび、センター試験も終わると、学院では「卒業」へのカウントダウンが始まります。

 

かけがえのない瞬間の記憶と別れの淋しさが交錯する今、一足早く卒業生へ“贈る言葉”をしたためました。

 

 

「しなやかな人であれ」

 

令和という新たな時代を迎え初めての卒業生となる皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 

さて、皆さんがこれから漕ぎ出す未来という大海原には、多くの波乱が予想されます。

 

AI や遺伝子操作といった科学技術の発達、地球規模での気候変動、経済格差や移民問題による社会の分断など、これまでの社会秩序や常識を一変させる様々な課題が待ち受けています。

 

えっ、そりゃぁ困ったな😥と思う人がいるかもしれませんが、そんな心配はいりません。

 

なぜなら「変化」の大きい時代は、時代に流されることなく、時代の変化を先取りして新たな価値を作る=「作新民」が真価を発揮できるチャンスだからです。

 

では、そんな「作新民」にとって一番大切なこととは何でしょう?

 

それは「しなやかな頭と心とカラダを持つ」ことです。

 

既製の価値観や尺度に縛られず、本当に自分がステキ💓と感じる心のおもむくまま、凝り固まった社会常識の枠を打ち破って行く、柔らかだけど強靭な頭脳とハートとカラダこそが大切です。

 

では、「しなやかな」自分であるために必要なこととは何でしょう。

 

第一は、目先の数字に(まど)わされないこと。

 

偏差値や金額、「イイね」の数やアクセス数など、数値化できる物事の価値は知れています。一方、生きて行く上で本当に大切な「愛」や「自由」「尊厳」といった物事の価値は、数値では測れません。

 

不朽の名作として世界中で読み継がれている『星の王子様』にも、「本当に大切なものは目に見えないんだよ」と書かれている通りです。

 

第二は、失敗を楽しむこと。

 

数多のノーベル賞受賞者が異口同音に語るように、世界的発明・発見とは途方もない失敗の積み重ね。失敗の数が多ければ多いほど、研究は大きな成果が生まれ、人生は豊かになります。

 

失敗して転ぶのは、前に進もうとしている証拠。

 

転ぶことを恐れて挑戦しない人生に、前進も成長もありません。

 

第三は、価値の多様性を認めること。

 

誰かにとって価値あるものを、自分は理解できないからといって傷つけることは大きな罪です。

 

自分の価値観で測れば無価値に思えたという理由で命を奪った「津久井やまゆり園」での悲劇は、世界の紛争地帯では戦争という形で、私たちの日常でも“いじめ”という姿で繰り返されています。

 

より多くの者が共有する価値観から外れた価値を社会が認めなければ、世界はどんどん萎縮し貧しくなり、変化に対して脆弱になってしまいます。

 

生物の多様性が、地球の豊かさや強靭さを支えて来てくれたことは、長い歴史が証明してくれています。

 

しなやかな作新民たちが、世界を変え未来を作って行ってくれること、何より自分の人生を自分らしくまっとうし、幸せになってくれることを願ってやみません。

 

羽ばたけ作新民!