今月20日の「世界難民の日」に合わせ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR )が発表した報告書によると、昨年末の難民は7080万人と過去最高を更新しました。
難民と言うとどうも日本では他人事のように思われがちで、UNHCRへの拠出金は世界第5位であるものの、日本政府が昨年、難民認定した人数は申請者数1万493人に対しわずか42人でした。
難民問題に限らず日本では、国内向けの復興支援などに比して、国際支援全般に対する関心がグローバル化著しい現在でも低く、それはとても残念なことです。
作新学院では以前、創立130周年に向け「アフリカ一万足プロジェクト」と銘打って使用済みの運動靴を回収し、洗浄・乾燥・梱包などすべて児童・生徒たちが行った上で、約1万5000足の靴を500箱を超えるダンボール箱にサイズ別に詰め、カメルーンとタンザニアの子どもたちに贈りました。
現在は来年の創立135周年に向けて、紛争や貧困で就学の機会に恵まれないアフガニスタンの子どもたちに贈るため、役目を終えた「ランドセル」の回収を行っています。
アフガニスタンもアフリカなどと同様、女子は12~3歳で結婚させられるため幼い内に出産を余儀なくされ、また女子教育に対する理解不足など文化的・宗教的理由から学校に通わせてもらえない状況です。
ただ、 そうした地域で男女平等にランドセルを配ると、「女子も男子と同じように学校に通うのが当たり前」という意識が醸成され、女の子が教育を受ける機会を増やすことができます。
またランドセルは大きく独特の形をしている上、カラフルでピカピカと光るので、それを背負って農村地域を歩いているととても目立ち、学校へ通う子どもたちの象徴となるそうです。
貧困のため、はじめは子どもの就学に反対していた親たちも、ランドセルの配布を始めて一年もすると、我が子に日本から贈られたランドセルを背負わせて勉強させたいと意識が変わって行くのだそうです。
そして丈夫なランドセルは、青空教室で机や椅子もない紛争地域の子どもたちにとって、大事な勉強机にもなります。
ランドセルには、アフガニスタンの子どもたちに向けた手紙を文房具などと一緒に詰めて贈ることができます。
運動靴のように、どこの家庭にもあるというものではないとは思いますが、もしご自宅やご親戚・お知り合いのお宅に寄付しても良いランドセルがございましたら、是非とも作新学院(〒320-8525 宇都宮市一の沢1-1-41)宛てにご送付いただけますと幸いです。
なお、使用に耐えないほど破損しているものや、宗教上の理由により豚皮製のものは贈ることができません。
大切な思い出と思いやりの詰まったランドセルが、“心のバトン”となって一つでも多く海を渡り、世界の子どもたちに教育の機会を与えて下さることを心から願っています。
ご協力、どうぞ宜しくお願い致します!