今週月曜日の昼下がり、神棚の御清めをしていたところ、それは美しい一羽のオナガが拙宅のベランダ、それも手を伸ばせば届くほどの近さに飛来しました。

 

この日は天気予報に反し、昼過ぎから重い雲が吹き払われ、空がグングンと高く蒼く澄み渡り、刷毛でサーっと撫でたような極薄の絹雲がたなびく様にしばし見惚れていたのですが、舞い降りたオナガの羽色はその空色を映したように高貴で優美、胸の空くような美しさでした。

 

 

都心では見かけることも滅多にないオナガの来訪にびっくりし、確か尾長鳥は古来より吉祥で、飛来した先に吉報をもたらすはず・・・などと思いをめぐらしていたところ、作新学院から明治大学に進学した添田()(なみ)選手が、東京六大学野球で優勝、首位打者、ベストナインの三冠を決めたという朗報が届きました。

 

 

これまでプロ野球選手を含め、数多くの選手たちを作新の硬式野球部から送り出して来ましたが、最も作新らしいプレーヤーは誰かと問われたら、私は迷うことなく「添田真海」と答えます。

 

体格は小柄ながら、走・攻・守すべてが揃った実にハイレベルな選手で、高校1年生から3年間、チームの要として活躍し甲子園連続出場を支え、県の優秀選手として毎年表彰を受けました。

 

 

華麗なフィールディングや巧みなバッティングなど、添田選手ならではの神プレーは数ある中、今でも私の脳裏に鮮明に焼き付いているのは、まるでプールにでも飛び込むかのようにベースに向かって跳躍し、全身を与うる限り伸ばし切ってベースを掴もうとする、彼の「ヘッドスライディング」です。

 

 

一瞬一瞬すべてのプレーに、この選手は魂を込め、命を懸けていることを知らされ、野球に限らず人が生きる上でとても大切な何かを、十代半ばの彼から教えてもらいました。

 

近頃はとんと見かけなくなった「男は黙って・・・」というタイプの職人堅気の選手で、たとえば甲子園での戦いが終わり選手の宿舎を学院代表として院長と訪ね、私たちから挨拶が終わると、選手たち一人一人と握手するのが恒例なのですが、添田選手は3年間まともに握手をしてくれず、内心(私、嫌われてるのかな・・・)と思っていました。

 

卒業を目前に、硬式野球部3年生と迎えた最後の記念撮影で、初めて添田選手が私の隣に座りました。

 

(おや、珍しい・・・)と思った瞬間、

 

「やっと恵先生の隣に座れました。」

 

と添田選手が、カメラに向かったまま一言。

 

 

大学生になっても、そのストイックで真摯な生き様を変えることなく、地道に誠実に鍛錬を積み重ねた結果が、今季の栄光をもたらしたのだと思います。

 

来週からは全日本選手権もスタートしますが、秋季リーグもこの好調を維持できれば、10月下旬には「プロ」という更なる高みへの扉も開かれるのではと期待されます。

 

きっとまた、蒼天を映した吉鳥が我が家に舞い降りる日を心待ちにしています!