本日(27日)、自民党総裁選の投開票が行われるというので、テレビ中継を見ていた。

もちろん、私は、自民党員でも何でもない。かつて、立憲民主党の党員・党友のようなものになっても良いと思ったこともあったが、それも一瞬のことである。

 

決選投票に、高市、石破両氏が勝ち進んだ。

政治にあまり関心がないカミさんが、たまたま、一緒にテレビ中継を見ていたので、私は、『石破に勝ちの見込みはないのでは』『あまり好かんが、高市に決まり何だろうな』などと言っていた。

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画面では、高市は明らかに『有頂天』になっている感じだった。

『決選投票』に向けた演説(以前、自民党では、立憲民主党と違って、このタイミングでの候補者の演説は『行われない』と聞いていたが、変更になったのだろうか。『立憲民主党』の代表選挙が、それなりに話題を呼んでいたみたいなので、そちらを意識して、自民党のほうも『やり方を変更した可能性』はあるだろう)を石破と、高市がそれぞれ行った。

 

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『石破の演説』は、『打ち首』を覚悟した(江戸時代?の)死刑囚が、最期に行う演説?のように、悲壮さが込められている。

『私の心無い発言や、至らない振舞に傷ついた同志、同僚の皆さんがおられるかもしれない。私自身の不徳の結果だということで、どうかお許し願いたい』

こんな趣旨のことを言っていた。

 

それに対して、高市氏の演説のほうは、『絶対に当選できそうだ?』という『ハイな気持ち』の現れなのか、とりとめがない。

 

挙句の果てには、選挙管理委員会から、『(一人5分の予定)時間が超過しているから、もうやめなさい?』というような注意の『メモ』を見せられて、あわてて、そこで『取りやめる』という有様である。

 

こうした様子を見て、私は、『もう高市に決まりだな』などとカミさんに対して、わかったようなことを言っていた。

カミさんのほうは、政治に関心がないから、『高市って、こんな声をしていたの』『随分、男みたいな太い声ね』などと言った。

 

その後、カミさんは用事があって外出したから、『決選投票の結果』などは知らなかった(いちおう、『びっくりするだろう』と思って、LINEで結果を、知らせた)。

 

今回の結果を見て、私は、『これは、今回、派閥の締め付けがなくなった結果かもしれない』という気がしていた。

 

 

今回は、そもそも、9人も立候補するというように、通常の『自民党総裁選』では考えられないような状態である。

これでは、『票読み』も何も出来やしないだろう。

 

それに、4人しか候補者がいなかった『立憲民主党の代表選』でも、『票読み』が出来ず、『開票結果』に国会議員自体が驚いている様子も、『テレビでの中継』ではうかがえた。

例えば、枝野氏などは、『もっと票を取れるはず』と思っていたのではなかろうか…。

 

 

今回、石破氏の第一回の投票での国会議員票は、??票だったのに、決選投票では、??票で??の上積みである。

それに対して、高市氏の場合は、それぞれ??票と??票である。

 

つまり、両氏の国会議員票の差は、??票に過ぎない。

 

今回、決選投票で石破氏に投票した議員たちは、必ずしも、『石破氏をぜひ、総裁=首相にしたい』という思いからではなく、ただ(結果をそれほど意識せず)、『どうせ、高市が勝つのなら、俺=私くらい一票を、石破に投票してもいいだろう』くらいの気持ちで投票した国会議員もそれなりにいたのではないかと、推測する。

 

それは、『石破が可哀そうだから』という理由からかもしれず、『高市が気に入らないから…』、『安倍晋三あるいは安倍派が、自民党に及ぼした害悪、罪悪に対する反発』からかもしれない。

 

あるいは、小泉、その他の候補者を(本心では)推していて、『高市が、総裁=首相になると、政権が長期化して、自分の推している候補者が、総理=総裁になる目が消えてしまう?』が、『石破なら、どうせ、長期政権は無理だろうし、自分の推している候補者が、政権幹部として登用されたり、あるいは石破が、総理=総裁を途中で引きずりおろされて、次の総裁選がそれほど遠くない未来にある可能性があるのではないか』、そんなことを考えている可能性もあるだろう。

 

ともかく、これほど、従来の派閥や、自民党内の実力者?たちの支配が崩れてきた状態だと、どんな異変が、その内部で生じているか、わからないという気がしている。

 

もしかしたら、『石破が総裁になってしまう』ことを予想しておらず、また、それを(必ずしも)望んでもいない、『個々の投票』が積みあがって、今回のような『番狂わせ』を生んだ可能性もあるような気もしている。

 

もっとも、私が感じた『高市の(勝利を予感した)有頂天?』というのは、勘違いであったのかもしれない。

 

しかし、彼女の様子をテレビカメラが映し出していた画像から判断すると、彼女が『極度の睡眠不足』によるものか、何なのか、『非常に眠たそうにしていた』のは間違いがない。

(もしかしたら、彼女は、『決選投票で彼女に投票してくれる国会議員票』をなかなか上積みが出来ず、徹夜して、その『説得活動』などに追われていたので、あのように『憔悴しきった様子』に見えていたのかもしれない。後で考えると…。)

 

どちらか、わからないが、私は、仮に『石破が総裁=首相になる時』があるにしても、『もっと、自民党が追い詰められて、<表紙だけでも変えなければ、自民党が政権を失うこと必至の状態>にならなければ無理だろう』と思っていた。

 

あるいは、現時点が既に、そのような状態になっていると、『自民党内部』では考える(感じる)国会議員たちが多かったということなのかもしれない。

 

また、これはよく言われることだが、先日の立憲民主党の代表選で野田氏が代表に当選したということも、影響を与えているのかも知れない。

 

 

例えば、小泉進次郎氏のような人物では、野田氏との国会論戦で『太刀打ちできないだろう』と国会議員たちは、判断したのかもしれない。

 

だから、自分たちの選挙にとって、少しでも有利にしたいために、『ここで、石破氏を総裁=首相にしておこう』と思ったのかもしれない。

(そういう意味では、石破氏は、『立憲民主党の野田代表に感謝?をしたほうがいい』ということになるのかもしれない。)

とまた、そんなことを思ったりする。

 

しかし、他方では、石破氏が総裁=首相になった以上、そのことによって、『思わぬ効果』というか『思わざる結果』が生み出される可能性もある。

 

例えば、(いわゆる)『リベラル』で石破氏に好意を感じて、期待を感じている人も多いようにも見える。

 

だが、石破氏が総裁=首相になった以上、彼に対して『自民党内から挙がる要請・期待』も多いことだろう。

例えば、『憲法の改正』についても、『自衛隊の明記』とか、『緊急事態に対する対応』などについて、むしろ、『石破氏だからこそ、実現が出来るのではないか』と期待する声が高まっていく可能性がある。

 

そうすると、石破氏の『任期中』に、『憲法の改正条項』について野党との間において、『合意』をとりまとめて、(例えば)『衆参同時選挙』と『憲法改正の国民投票』の同時実施を求めるような声が(一挙に)高まってくる可能性もありうるような気もしている。

 

そのように考えると、今回の『石破逆転』によって、何が今後、波及効果として生じるのか、そのことはまだまだわからない、という気もしている。

(なお、既に今回の『2位石破候補の大逆転の裏側』に関して、石破氏が岸田氏、菅氏などと手を結んで、『石破に乗る』ことに決めたという解説もされ始めているが、ここでは、自民党の決選投票の投開票時点で、わかっていたことにしぼって、記している。)