戸建:新築
ビル:リフォーム
マンション:リフォーム
東京麻布台の東京アメリカンクラブ。
こちらのフレデリック・ハリスギャラリーで11月30日から12月20日までの3週間、「Emi
Kimata & Associates」として書装展を開くことができました。
書装、とは書と書の内容に合う和紙を組み合わせ、立体的に表装した作品のことで、私の造語。 紙に厚みを持たせることで存在感を増し、和洋を問わずどのような空間にも馴染んでいくことができる書作品、というものです。
今回は二人の女流書家、高橋白鷗先生、栗林香雨先生、そして表具師の清水勝清さんとのコラボレーションでした。
作品No.08
書装「のどかさに寝てしまひけり草の上」松根東洋城 高橋白鷗
和紙:浅黄土入三椏紙
作品No.09
二曲一双屏風「いろは 以樓盤」 高橋白鷗
「いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑひもせす」
「以樓盤二寶邊登千利怒留遠王家夜堂礼處都子那良無有為能於具也末氣婦己盈亭安散起遊免美之恵飛毛世春」
和紙:柿渋紙
No.11 書装 「四季」四部作 栗林香雨
「陽炎や酒にぬれたる舞扇」高井几董
表記「かげろふやさ希耳ぬ連多る舞扇」
和紙:柿色染雁皮紙、真珠紙
「夏草や帯を締めつゝ女ゆく」星野立子
表記「夏草や帯をし免つゝおん奈ゆく」
和紙:土佐藍染雁皮紙、真珠紙
「立秋の鏡の中に風が吹く」橋本寅男
表記「立秋の可ゝみ乃那可二風がふく」
和紙:栗染雁皮紙、真珠紙
「初富士の夕映もなく暮れにけり」大谷碧雲居
表記「者つ婦し能夕盤えも那くゝ連二希り」
和紙:紫根染雁皮紙、真珠紙
「しばらくは花の上なる月夜かな」松尾芭蕉
表記「し盤らく八花のう邊奈類川支夜可那」
「いとせめてもゆるがままにもえしめよ斯くぞ覚ゆる暮れて行く春」与謝野晶子
表記「意とせ免てもゆる可万ゝ尓母えしめよかく曾於本遊る九連てゆくはる」
No.15 書装
「さよならの四文字が好き風光る」あべ毬 栗林香雨
表記「サヨナラノヨンモジガスキカゼヒカル」
和紙:色染楮紙
No.16 書装
「浅き夢みし」 栗林香雨
表記「あ左幾遊免み志」
以上全16作品、24点の展覧会となりました。
EMI KIMATA & ASSOCIATES
木全惠美 インテリアデザイナー、コーディネーター
日本のもの、こと研究所 代表
東京デザイン専門学校専科インテリアコーディネーター科修了
1992年 石川県ジャパンデザインコンペティション入選(漆屏風)
2006年 TOKO-NO-MA Style 展
高橋白鷗 書家
まほろば書道会主宰 読売書法会幹事/謙慎書道会理事
大東文化大学文学部中国文学科卒
日展他入選多数
日展 読売書法会展 謙慎書道会展 まほろば書道会作品展
栗林香雨 書家
香雨書会主宰
書家礒部有香(有敬)に師事
1992年 第一回国際書画展特選
1993年 第二回国際書画展国際書画準文化賞
2002年 『土あそび・ふで遊び 二人展』
清水勝清 表具師(1943年生まれ)
表具一級技能士
創業明治28年(1895年)美術表具丸経本店清水三代目
源義経腰越状 修復 ※腰越状:源義経が兄頼朝に宛てて腰越(鎌倉市)で認めた手紙。
巨勢金岡仏画 修復 ※巨勢金岡は平安時代の宮廷画家。
永平寺、総持寺、横浜美術館収蔵品 修復
神奈川県知事賞受賞
四季折々、ここでは身近な風景すら見飽きることはなく、風の音も、蝉の声も、自然の調べはいつもこの家を包んでくれるでしょう。
この「掌侑庵」に心ゆたかなシーンが、幾久しく紡がれて行きますように。