英語が公用語のモーリシャス。

ペラペラしゃべることができれば苦労は無いといわれています。

でも、実際モーリシャンはモーリシャンクレオールという話し言葉で会話します。

話し言葉であるため、書く文字は、発音したものをアルファベットで書くので、人によって記載がマチマチになるのです。(今、大学で辞書が編纂されているようですので楽しみに待っています。)

 

また、長らくフランスの領地だったこともあり、フランス語が使える人が多いです。

約50年前にイギリスから独立したばかりの国で、教育機関では英語で教え、法律や国会などでは英語を使っているのに、ニュースや新聞、看板は殆どフランス語。イギリス統治の前がフランスなので、先祖代々、フランス語(もしくはそれに似たクレオール)が代々受け継がれてきているからなのでしょう。

 

そんな理由で、患者さんの多くは、英語・フランス語・クレオールのトリリンガルです。

イギリスやフランスに留学した人や、働いた経験がある人、また、海外に住んでいる親戚や家族と長年一緒に暮らしたことがある人もいますので、それに応じて得意・不得意があるようです。

 

クリニックの中では、私が英語しか話さないという認識なので、ほとんどの人が英語で話しますが、細かいニュアンスが説明できなくて困るときがあります。フランス語だけとか、クレオールだけしか話せない人の場合は、秘書さんが通訳してくれるので、特に問題ありません。

だけど、四六時中いてくれるわけではありませんから、臨床でよく使う言葉(単語)はフランス語とクレオールで使えるように練習しています。

 

例えば、挨拶のフレーズは良い関係性を作るには必須ですね。「ボンジュール」、「ボンナプレミジ」は、おはよう、こんにちわです。「コマン・サヴァ?」はご機嫌いかが?と聞いて、相手は「ビアン、メルシー」いいですよ。ありがとう。ってな感じ。

クレオールだと、コマン・ザヴァ?と同じ意味で、「キマニャ~?」と聞き、「モビアン、メルシー」の場合と、「コレック」いいよーと答える感じです。

 

うちに訪れる患者さんの大半は痛みを主訴としていますので、最初に「ドゥレア?」痛い?って聞くと、「ウィー」はいっ!と痛む場所をさすりながら説明してくれます。

「あそこ」と場所をさす時、「ラ」と言い、「ここ」の部位と言いたいときは「サ」と言います。

ここから、あそこまで痛いと言うときは、「サ、ドゥレア、サ、サ、、、ラ-ラ-ラ-、ドゥレア」みたいな感じです。

「こうすると、ここ痛い」というときは、「コムサ、ラー、ドゥレア」みたいに言います。

痛いというときは、クレオールでは「フェアマール」と言いますので、ドゥレアの代わりに使うことが多いです。私も圧痛を確認するときは「ラ、フェアマール?」って言ってます。

 

しびれる時、英語でNumbnessやNumbで表現しますが、意外にこの単語が出てこないことが多く、こちらから「オングージー?」と聞くと、あーそれそれという感じで、笑顔になります。

 

いつから?って聞くときも、Since when?って聞くと、ん?ってなるときがあるので、すかさず「デピカン?」ってクレオールで聞くと、期間に関する答えが返ってきます。ですので、数字、日、週、月くらいを覚えているだけで大体問診できます。

 

うつ伏せに寝てくださいは、難しくて言えないので、「おでこをここ」にしてと言うと通じるので、「ラテット(おでこ)、ラ」と言いながらフェイスマットを指差すと通じます。

「ちょっと上とか下に行って」の時は、「チギット(ちょっと)、ラウ(上)、オンバ(下)」でOK。

 

「仰向けにひっくり返ってください」って時には、「トゥーネ(ひっくり返る)、シルブプレ」って言えば、よいしょってひっくり返ります。

 

治療が終わったら、「フィニ」で終わり。

 

次回の予約は、「ランデブー?」って言って、秘書さんを呼びます。

 

最後に、「ボンジュルネ~:良い一日を~」、「ラスメンポッシャーン:来週ねー」って言って手を振ってお別れです。

 

なんか、会話できてる感じでしょ?(笑)

フランス語は話すより、書く方が全然難しい。なので、英語で作った宣伝リーフレットをフランス語にする作業は、こちらの友人にお願いしたり、仲の良い患者さんにお願いしたりして作りました(作っていただきました)。

 

英語で十分じゃんとたかをくくっていましたが、フランス語のリーフレットの減り方の早いこと!親戚の寄り合い、友人とのパーティなど、人が集まるタイミングでこのフランス語リーフレットが威力を発揮してくれるのです。

そー言えば、僕も日本で生活していて、外人さんに片言でも日本語で話しかけられると、なんか、ほっこりした気分になりますもんね。

 

言葉って重要ですね。実感しています。