殺処分を極力しないアメリカのシェルター(保健所)その1 | 被災地動物情報のブログ

殺処分を極力しないアメリカのシェルター(保健所)その1

※この記事はリンクはOKですが、

転載はしないでくださいー。


【関連記事】

日本と同じように殺処分をするキルシェルター

http://ameblo.jp/japandisasteranimals/entry-10910237933.html


アメリカには大きく、
キルシェルター(殺処分をする保健所)と
譲渡を中心とするローキル&ノーキルシェルターがあります。



今日はローキルのお話です

(日本に比べると動物愛護先進国のアメリカですが、
完全に殺処分を行っていない施設は
わずかしかありませんー。
私の住む地域にはノーキルがないので、
高い譲渡率を誇るローキルをご紹介しますー)


私がボランティアで足を運んでいるシェルターにやってくる子は、

上のURLにある殺処分のあるキルシェルターから搬送された子、

飼い主さんの持ち込み、迷子動物など、

動物によって事情は様々です。




リニューアル前の私がボラをしているシェルターです。
緑豊かなロケーションで足を運びやすい雰囲気が◎



お国柄のせいか、
犬猫以外にも馬やうさぎ、ハムスター、爬虫類など様々な生き物が
シェルターで保護&譲渡されていきます。



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↑愛玩動物として馬を飼ってる人が普通にいます☆

州により法律が違うかも知れないので、
以下私の住む州をもとにしたお話になります。

アメリカのローキルシェルターは
国営のものと民営のものがあります。


どちらのローキルシェルターも、
収容された動物に対して、
まず最初に健康診断と、
人と共生できるか適性検査が行われます。

犬の検査内容は、

・身体能力(運動量の多さ)
・トイレトレーニングができているか
・何種類のコマンドを理解しているか
・犬や猫、子供に対する態度
・ボディタッチ
(体の特定の部分を触られると嫌がらないか)
・支配志向の強さ
(ボディタッチと似ていますが
犬を背後から押さえつける姿勢でテストします)
・食事に対する執着
(食事に人や犬が近づくとどんな態度をするか)
・おもちゃに対する執着
・飛びつき、チューイング、吠え癖
・人の手を異常に怖がらないか
・様々な音に対する反応


の項目があり、
この審査をたとえパスできなくても
無期限のトレーニング期間を設け、
常駐のドッグトレーナーや
トレーニングを受講したボランティアによって
しつけ直しが行われます。

(犬や猫、子供が苦手なことはあまりデメリットになりません)


人に対する信頼を取り戻すよう、
スタッフがつねに動物と触れ合っています。


性格や身体能力がきちんと診断され、
トレーニングも行き届いているので、
「シェルターの犬なら安心」
と譲渡者にも好評でリピーターが多いのも特徴、
このシェルターには140年もの歴史があり、

このシェルターだけで
収容動物の96%、
年間約3000頭が譲渡されています。


日本と違い、アメリカではシェルター(保険所)から
ペットを引き取る(アダプト)ことは大変ポピュラーです。

(2010年で1位はブリーダーから、2位はシェルターから)

※保健所から動物を譲渡した海外セレブさんたち

http://ameblo.jp/japandisasteranimals/entry-10908158951.html



この譲渡率に貢献している一つの理由として、 
健康管理を徹底していることが挙げられます。


シェルターにはクリニックが併設されていて譲渡動物には
(および獣医が常駐している)

・避妊/去勢の手術を受けていること、
・狂犬病の予防接種を受けていること、
・各予防接種を受けていること、
・マイクロチップを装着していること


が施行されています。

シェルターから譲渡の場合、
犬なら$150~200(1万2千円~1万8千円)
猫なら$50~$100(4千円~8千円)
のアダプションフィー(手数料)が発生しますが、
その価格にはこれらの医療ケアも含まれていて、
結局はシェルターから譲渡したほうが
獣医費用が安くですむようになっています。



シェルターのクリニックは一般にも公開。
譲渡後も予防接種や避妊/去勢手術、
つめきりやノミダニ駆除なども安価で受けれます。


「収容された動物が
楽しみながら過去の傷をいやせる場所に」


と言うローキルのモットーの通り、
収容されている動物たちは、
キラーシェルターとは違い、
空調設備や温かいベッドが整った個室の檻の中で過ごします。




おもちゃや毛布は1日2~3回交換されて清潔ですー。




ハロウィンやクリスマスのイベントには収容動物も
仮装したりプレゼントがもらえたりします。

この子はハロウィン柄のバンダナを巻いてますー☆モチロン、どの子にも個々に必要な散歩やプール、遊び時間、


そして食事やおやつの時間が設けられています。

病気やけがの子には必要な医療ケアが施されています。




ちなみに館内にはクラシックのBGMが流れています。


長くなりそうなので、
今日はここまで。

アメリカのローキラーシェルターの
努力と素敵はまだまだ続きます!!