勝利なき戦い | おもいでのヤンゴ

勝利なき戦い

つよきのヤンゴ

僕がどれだけ平和を願っていても、世界中で人間同士が争い、どこかでたくさんの血が流れている。


ふと自分の手元に目を落とすと、右手には血の付いた剣を持ち、左手は真っ赤な血で染まっていた。


人のことは言えなかった。
気付けば僕も世界の一部だった。



血にまみれた僕は今、あなたの目にどう映っていますか?



$おもいでのヤンゴ-勝利のない戦い 僕のカミソリ負け戦記


「過ぎたるは及ばざるがごとし」


何事も過度にやりすぎると、不足しているのと同じである。


僕は数多の戦場をくぐり抜け、多くの血を流してきた。
数を誇るつもりはないが、同世代と比べると頭ひとつ飛び出しているほどだ。



でも、いくら血を流しても英雄になどなれやしなかった。
それどころか、誰も“勝利”すら認めてくれやしない。



「もう血は見たくないんだ。こんなことはやめさせてくれ」


僕の叫び声は誰にも届かず、世界は僕に「これも仕事の一部だ」と剣を握らせてくる。


僕も僕だ。
生活のために痛む心にフタをして、毎日剣を振り回してきた。


平和を叫びながらも、右手にはするどい刃があやしく光る。
なんという矛盾、なんという滑稽なザマだろうか。



十数年にもわたって、僕はあまりに多くの血を流しすぎた。
あれだけの血を流しておいて
「ハイやめます」で済むはずがない。


もう引き返せないところまで来てしまったのだ。




勝利のない戦いに意味を求め、今日も戦場を駆る。


口元をぬぐった手には、はっきりと鮮血が付いていた。
この鮮やかな赤色は敗戦のあかし。


「また…負けたか」



世の中にはこの敗戦を表現するのに便利な言葉があるそうだ。







$おもいでのヤンゴ-かみそり負けと言うらしい





「かみそり負け」というらしい。







◆◆◆
肌が弱いんです。

「もうヒゲ剃りしたくないっ!!」
でも世界は「身だしなみを整えるのも仕事の一部」と言ってくるのです。

しぶしぶ、明日も負け試合に身を投じます。
◆◆◆




人気アメブロ投票のテキスト部門にエントリーされています。



応援よろしくお願いします(*^_^*)




・関連記事
テーマ:つよきのヤンゴ
リンク1リンク2楽興の時

リンク1リンク2ヤンゴとシンヤ