入れ墨の消去指導はセーフ、だが就学拒否は行き過ぎでアウト-。専門学校の元生徒の男性(34)が、学校法人「モード学園」(大阪市北区)を相手取り、入れ墨消去をめぐる学校側の対応の是非を法廷で争った。「約5カ月以内に入れ墨を消せなければ、休学」という学校側が示した条件に対し、男性は「通学しながらの治療」を申し入れたが拒否され、休学、ひいては除籍処分となった。訴訟で学校側は「入れ墨の消去を要請しただけだ」と正当性を主張したが、今年3月の1審大阪地裁判決、同9月の2審大阪高裁判決はいずれも「消去を指導したのは正当だが、手術を受けながらの通学を認めないのは指導の範囲を超えた就学拒否にあたる」と違法性を認めた,エルメスバーキン 35センチ。
1枚の誓約書
右肩後ろに描かれた獅子の顔。男性が「ファッション感覚」で、高校3年のころにした入れ墨(縦横約20センチ)だ。
男性は平成22年4月、骨折や脱臼などの治療を行う「柔道整復師」の免許取得のため、モード学園が運営する「大阪医専」(大阪市北区)の夜間学部に入学した。柔道整復師の国家試験を受けるには専門学校での認定実技審査に合格し、卒業するのが条件。ただ、実技審査では「服装や入れ墨といった身だしなみがよくない者は、受験させないことがある」とされていた。
このため学校側は、学生らに学校として入れ墨を認めていない方針を説明し、入れ墨をしている者は申し出るように通知。男性は担任に入れ墨を打ち明け、同月7日、学年主任らとの面談に臨むと、1枚の誓約書が示された。
《私は、自分の体にしている入れ墨の消去を平成22年8月31日までに完了することを誓約します。期限までに完了しない場合、以降は休学となることを受け入れ、消去しない限り、復学が認められないことを承諾します》
ファッション専門校も経営の学校法人…「入れ墨は“反社会的”」
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