海外に住んでいるからこそ、見えるもの、気付く事がある。
日本に住んでいた時は、当たり前過ぎて気付かないし分からない。
痛感することは、日本人としての強み。
つまり日本という国に対して、海外からの評価が高いという事。
きれい、清潔、食べ物が美味しい、人がいい、安全、交通機関の充実さ、特に新幹線。
日本人と言うと、他のアジアの国の人達より、一目置かれるような気がする。
同僚に、ドイツに住んでいる彼氏と、お付き合いをしているタイ人の女の子がいる。
二人はインターネットで知り合い、6ヶ月ほどビデオチャットなどで愛を育み、めでたく彼氏彼女と呼び合うようになった。
その彼が、実際彼女に会うため、2ヶ月ほど前にニュージーランドに来ていた。
お付き合いは順調らしく、彼の9月のお誕生日に合わせ、今度は彼女がドイツに行く予定を立てていると、楽しそうに教えてくれた。
若い人は、いいねぇ〜。
うらやましいわ。
ドイツで食べた美味しいものを持って帰ってくれるというので、私も非常に楽しみにしていた。
航空券の手配も終わり、おこづかいが多いほうがいいからと、時間数を増やして一生懸命働いている彼女。
愛の力は、すごいねぇ。
さて、タイ国籍の人はドイツへ行くためには、観光目的でもビザが必要らしい。
ドイツ総領事館へ書類を提出し、面接を受け、適切だと判断されたら、3ヶ月間の入国が許可される。
でも、彼女にはそのビザが下りなかった。
理由は…
インターネットで知り合っただけのあやふやな関係、6ヶ月以上付き合っているといっても、ネット上だけの話、実際会ったのは2ヶ月前。
滞在期間が、1ヶ月と長くもないけど短くもない。
タイ人の彼女が、第3国のニュージーランドに必ず戻って来るという理由がない。
彼女の年齢、30歳。
ドイツ語が全くできない。
要するに、不法滞在をされる可能性があるから。
彼からの二人の関係を示すレター、滞在先や旅行日程表、帰りの飛行機のチケットはもちろん、保険証明、銀行残高証明書など、かなりの書類を提出し、就労ではなく観光が目的ですよっとアピールをしても、ダメだった。
う〜ん、申し訳ないけど、そりゃダメだろうなぁ。
彼女には、口が裂けても言えないけれど、だってタイ国籍だもん。
頭の硬いお役人さんじゃなくても、疑ってしまうよ。
ドイツは、ヨーロッパ諸国のなかでもお金持ちな国。
労働条件もいいけれど、物価も高い。
仕事してなくても、医療保険が受けられるしね。
賃金の低い国で働くよりは、ドイツで生活保護を受けたほうが、よっぽどかいい暮らしができるため、不法入国、不法就労が後を絶たない。
それを防ぐための審査であり、ビザである。
これは、日本における不法滞在者の割合。
私は彼女から話をよく聞くので、純粋に彼に会いに行きたいだけなのは、よく分かる。
彼のことは伏せて、単に旅行ですって言えばよかったのに。
でも、1ヶ月ものホテル滞在は、金銭的に無理があるからっという。
なるほどね。
ドイツにあるニュージーランド総領事館へ、彼も出向いてくれたらしいけど、それでもダメだったみたい。
結局、ホリディは中止。
航空券の払い戻し手続きや、ドイツで行く予定だった観光ツアーやホテルのキャンセルなど、それはそれは大変だったらしい。
ちなみに、日本人で観光目的の3ヶ月以内であれば、ビザはいらない。
いつでもすっと、行くことができる。
私は、ニュージーランドに永久に住むことができる権利を持つけれど、日本国籍だ。
ニュージーランド国籍の取得もできるけど、そうすると日本国籍を捨てなければならない。
誰が、そんな事をするか。
そこまでして、ニュージーランド国籍をとるメリットはない。
日本国籍、日本のパスポートは最強なのよ。





