３つ全部に通ってみたくなる・・・美味しいお話しッ！

原田ひ香　「三人屋」（実業之日本社文庫）

日本中ドコにでもありそうな、少し寂れたシャッター多めのラプンツェル商店街にある喫茶店「ル・ジュール」だが、朝は三女の朝日が主人の喫茶店で、昼は次女のまひるが茹で上げる讃岐うどんの店で、夜は長女の夜月がママとなるスナック

時間帯によって経営者も内容も、ガラリと変わる風変わりなトコだが、どの時間帯も近所の常連さん達で賑わっているのが通称「三人屋」だ

カリフワしっとりトーストの自家製ジャム乗っけ・角がしっかりとあり歯応えバッチリなぶっかけうどん・塩をまぶしただけなのに抜群の上手さの🍙・・・

でもそれぞれに悩みも悲しみもあり、人生も惑ってばかりだけど、美味しいごはんが心も癒してくれる、美味しさ満点のハートフルエンタメ

元々は両親が喫茶店を営んでいたのだが、相次いで二人とも亡くなってしまった後、紆余曲折がありながらも、時間帯を変えて3姉妹がそれぞれの店を開くコトにした「ラ・ジュール」だが、誰もソノ名前では呼ばずに「三人屋」と呼んでいるソノ設定が先ず面白い

そして物語として、当然ながら三姉妹それぞれのキャラが異なっていて、フワフワと頼りない長女に、しっかり者で抱え込み気質の次女と、まだ大学院生です将来を決めかねいている三女が、それぞれの問題や困惑を抱えながらも・・・というのが基本的なストーリー

そして各店で出される数々の料理が、実に美味しそうなのがコレまた魅力的で、ドレも普通のメニューだし拘りの高額食材じゃないんだけど、抜群に心に染みる味・ってもまたE～

そしてソコに同じ商店街仲間の常連さん達が絡み、更に問題や悩みを持ち込んで来たり、騒動を起こしたりと、賑やかなのもまた楽しく、昭和風の下町人情物語風味なのもまたGoo～

今作は単行本が’15で文庫化が’18という、少し古い作品なのだが、コレが15刷目となる人気作らしく、既にシリーズ化されて2作目も文庫化されているとのコト

作者の原田自体を去年初めて知った位なので、当然今作のコトもシリーズも知らなかったのだが・・・コレは早めに2作目も購入しなくてはならぬですナ

泉麻人　「なぞ食探偵」（中公文庫）

メニューや店内に貼られた短冊だけでは調理法も具材も、そしてジャンルすら想像がつかない謎の料理は、全国津々浦々巷に存在しているッ

そんな気になるメニューを、「重箱の隅を楊枝でほじくり曝け出す」のが仕事の（）エッセイストの著者が、実際に現地を訪れ試食をし、そして直筆のイラストを添えて纏めたのがこの1冊

地元じゃごく普通に蔓延し、皆なが舌鼓を打っている・でも他の地域の人達は知らない絶品メニューの数々を一気にご紹介します

泉をココで関連でもUpするのは初めてかな

一時、彼のは随分と贔屓にしてて、かなりの数のを読んでいて、特に大学生となって上京してからは「都会のエッセンス（）」を取り入れる為に読んでたりした

また個人的にも、彼は「生で観た初めての芸能人の1人」でもあるので思い入れもあったりした

と言いながらも、確かにミーハーなゲーノー界の住人らしいテーマもあったが、以外にも↑のの様なのや、泉個人が好きなバスであったり地下鉄であったり、はたまたおやつ＆お菓子がテーマのコラムがあったり、気象予報士資格を取得するまでが描かれていたりと・・・実に多彩なテーマを描いていて、コロコロと変わるその「節操のなさ（）」が面白かったりした