現在長い病気休職になっております。

・・・しかし、いろいろ人生厳しいですね。

どうも、人間の輪の中で生きるのがヘタだな、自分・・・。

 

と、日々部屋で一人音楽を聴くくらいしかない毎日。

激しい音楽は今はあまり受け付けないので、ソフトな癒し系音楽ばかり聴いておりますが、今日は何故か急にジョン・レノンが聴きたくなりました。

ポールが聴きたくなる・・・ということが最近多かったですが、ジョンを欲するというのは、ここのところのわたしとしては珍しい。

 

それもジョンでも、「ジョンの魂」とか「イマジン」のような名盤ではなく、あまり話題に上がることも少ない、1973年の「ヌートピア宣言」と1974年の「Wall And Bridges」が聴きたくなって、トレイに載せました。

このアルバムを聴くのは10年ぶりとか、それくらいではないだろうか?

わたしのラインナップでも、ホント、これまでトレイに載ることが極めて少なかったアルバムたちです。

 

聴いてみて、急に欲しただけに、「あれ?思っていたよりいいアルバムじゃないか!!」と、結構感動しました。

どちらの作品もグッと来たんですが、今回は「心の壁・愛の橋」という邦題のついたWall And Bridgesの方を取り上げてみたいと思う。

 

この作品、実は10代の頃からレコード持っていて、もちろんその後CDに変えましたが、今更こんなこと書いているくらいだから、どれだけ聴いてこなかったかがわかりますよね。

(まあ流れればさすがに、ああこの曲ね・・とは思いますが、パッと出てこないし、普段ソラで歌えない曲が多い。)

事実ベスト盤に入っている「♯9 Dreams」、WHATEVER GETS YOU THRU THE NIGHT

2曲と、私の中での傑作「Nobody Loves You」くらいしか、完全な印象にはなかった。

それも後者は、アウトテイク集の「ワンスポンナタイム」のバージョンが好きで、そればっかり聴いてしまっているし。

 

 

#9 Dreams

幻想的なような、やや不気味なような不思議な雰囲気の曲で、これはわたし大好きで、名曲だと思う。

でも、このアルバムでは、ちょっと一曲だけ雰囲気が違う曲という感じです。

 

ちなみにこのWall And Bridgesという作品、ジョンが一時ヨーコと別居していた時期に録音されている、ジョンのビートルズ後では唯一ヨーコの影がない作品ではないかと思います。

 

その影響か、にぎやかな曲も多いのに、全般的に淋し気な雰囲気が漂っています。

しかし、作品自体に影を落としているということはなく、そこはさすがジョン・レノンだなと思う。

いい曲がホント多いし、見逃されがちなことが少しもったいないくらいのアルバムです。

 

またこの作品は、当時の流行の影響か、アメリカンレイドバック的な、いわゆるエリック・クラプトン、ザ・バンド的な演奏の雰囲気を感じます。

そんなノリでかつ、ブラスが結構派手に入ってくるアレンジが多いな、と。

 

こうしてジョンを聴いていて思うんですが、かつての盟友ポール・マッカートニーがビートルズ後にやったことと比較すると、明らかに天才性はジョン・レノンのほうが独創的で上かなと感じます。

しかし、意外とポールには、ポール独特のユルいマッカートニカラーというのが確固としてある。

その点ジョンは、その時、その時の流行に敏感というか、ミーハーで流されやすい傾向もあったのかなと思ったりする。

それがマイナスになってるなと感じることはないので、いいんですが。

 

 

エルトン・ジョンが全面的に参加し、ソロでは初?の全米No1シングルになったと思う、WHATEVER GETS YOU THRU THE NIGHT

 

さきほど、70年代クラプトン的な演奏と言いましたが、今ライナーノーツを見てみたら、この作品はやはり、ジェシ・エド・ディヴィスとか、ジム・ケルトナーとか、ボビー・キーズとか、70年代のレイドバックサウンドに良く参加していた面々がバックを固めてるんですね。

70年代ストーンズに良くゲスト参加していた、わたしが好きなプレイをする一推しのピアニスト、ニッキー・ホプキンスも全面的に参加している。

 

少し感心したのが、ベースで参加している、クラウス・ブーアマンのプレイです。

この人確か、ビートルズ下積み時代、ドイツのハンブルグで意気投合した画家か何かで、イマジンとかにも確か出ていたと思いますが、知り合い枠でなんちゃって参加しているだけかと、申し訳ないけれど思っていました。

しかし先ほどご紹介したWHATEVER GETS YOU THRU THE NIGHTなんか、結構ファンキーなベースをプレイしていて、おおお、と、見直したというかなんというか・・・。

 

 

最後に、わたしの心を代弁しているような、淋し気なフォークバラード、Nobody Loves You

でもこれは、正直、シンプルなアレンジのアウトテイクのデモ的バージョンのほうが、わたしは遥かにいいと思います。

 

ここのところ、ポール、ポール、疲れた私の心を癒すのはユルいポールしかない!と思っていました。

しかし、どん底の時に聴くジョンも悪くないなと、改めて思いました。