サウジアラビアには世界遺産は一つしかありません。

それは「アル・ヒジュルの考古学遺跡(マダイン・サーレハ)」と言います。

サウジアラビアの北西部に位置しており、ヨルダンとの国境に近いところになります。

サウジアラビアの国がどのような形になっていたのかは日本人にはあまり知識がないでしょう。

中東を旅するという人もよほどの興味がない限りはほとんどいないと言っていいのかもしれません。

この遺跡は古代都市遺跡です。

マダイン・サーレハとは「サーリフの町」という意味だそうですが、サウジアラビアの砂漠の中に造ら

れています。

当時のナバティ人の文明を示している貴重な遺跡となっています。

サウジアラビアの歴史については、あまり多くのことはわかっていません。

ナバティ人の起源についても中央アラビアから来たと言われていますが、北の海岸から来たという説も

あり、学会でも明確にはなっていないのです。

遺跡は紀元前1世紀ごろのものです。

当時の遺跡としては保存状態がよいため、考古学的な価値は大きいと考えられるのです。

中には50の碑文や洞窟絵画が発見されています。

ナバティア文明を示す貴重な証拠なのです。

墓に埋葬されているのは兵士や役人、司官などであることがわかっています。

井戸の跡を見ると、彼らの建築技術が当時では優れたものであったことがわかります。

水利技術としてはかなりの専門知識があったと言われています。

観光のためにこの地を訪れようと考える人は少ないでしょうが、仕事などでサウジアラビアに行くこと
があれば、世界遺産として訪れてみるのはどうでしょうか。