お盆休みとはいえ、台風の影響もあってのんびりしていらっしゃるであろうコロタマニストのみなさん、あるいはお盆でもお血事にがんばってらっしゃるでしょうか、おはようごじゃいます。
 
じゃこは超久しぶりにお盆を休みましたよ。
この間は殺生してはいかんのです。
敬虔な仏教+神道=無神教徒という典型的日本人の私は、このようなタブーをきちんと守るのです。
ですから、このお休みには、お墓参りをするくらいで、あとはじゃこ工房を短期間再開、それから仕掛けの補充にでも当てようと思っております。
 
 
 
さて、シーズンに入ってからは、隙あらば竿出しという状態が続いていましたので、古い釣り具の話を更新していませんでしたが、ときどき仕入れはしていました。
今日はリールのお話。
 
先月、某最大手中古チェーン某店を、ジェット天秤でも転がってないかなー、と覗いた折にハケーンして、買うてしまいました。
520円もしましたが、ほぼ新品。
そろそろちゃんと投げられるようになってきた長男用かな。
 
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シマノのチタノスエアロES5000という、20年以上前の、しかも最廉価モデルであります。
ボディやスプールはすべて形成樹脂製で450グラムしかありません。
そして投げ専リールには標準装備となりつつあった平行巻き、シマノでは2スピード・オシュレーティング・システムという機構だけはばっちり搭載しています。
ま、安物感丸出しの、いわゆる「入門モデル」ですが、必要な機能はついているし、小さな子どもが使うには軽くてシンプルだし、このあたりから本格的に入っていけばいいかなと思ったわけです。
これまでは、子どもたちにも私のコレクションからダイワのSS800などを使わせていたのですが、ぶっ壊しても汚しても自由に使った方が上達が速かろうというわけです。
 
 
しかし、個人的には、こんな心のこもっていない大量生産のプラスチッキーな機械には許しがたいものを感じてしまいます。
買うた尻から嫌悪感が追いかけてきたので、ヤフオクでひとつ落としました。
チタノスが3個買えるくらいの値段です。
 
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大森製作所のダイアモンド・スーパー1300Vです。
これは30年は経っているでしょうか…。
すでに程度のいいやつを1台持っているので部品どり用と、もうひとつの目的があって落札しました。
 
かつて、小型スピニングでは国産最高峰の技術水準を誇った大森製作所も、ずいぶん以前に倒産しましたから、ご存知の方も少ないかも。
また、これはスプール径65mmと投げに使えるサイズですが、このメーカーの大型リールについてはあまり評判を聞きません。
でも、チタノスを見て気持ち悪くなった自分としては、どこを見ても「さすがは大森!」で、とっても癒されるのでした。
 
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たとえば、品質や設計のよさは、ラインローラーやベールアームを見てもわかります。
大物の引きを直接受けるこの部分は、ローラーの軸に強度をも受けさせるのではなく、頑強そのものの補強をかまして2軸にしていますが、大手メーカーみたいにすぐ割れる鋳物ではありません。
壊しても壊れん!
バネもすぐ折れてしまうタイプではなくてコイルスプリングが円筒のなかに封入されています。
ま、弱点もあって、ベールアームを起こしてもひっくり返りきらないので、ライン放出の時にぱちぱち当たって抵抗になるんですね。
 
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とりはずしたドラグノブはずっしりとした合金製で、大手メーカーみたいにここを樹脂製にしたので割れて使い物にならなくなったということは起こりません。
アルミのハンドルもうまくつくられていて、スクリューだけで折りたためるので耐久力は抜群ですし、まずゆるみません。
ゴリ巻き上等!であります。
力学や材質へのこだわり、創意や工夫といった人間の血が通ったつくりには惚れ惚れします。
 
 
でも、これを落札した最大の理由は、こいつが欲しかったのです。
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この白い樹脂製のエコノマイザー!
中央が膨れてますネ。
この時代のリールは正弦波往復運動という巻きとり構造だったので、今出来のリールみたいに、スプールエッジの上下端を結ぶ線とフラットにラインを巻くことができませんでした。
それはライン放出時のトラブルに直結したので、上級者の方々はスプールの中央に厚く下巻きをして、ラインの巻きあがりをフラットになるようにしていました。
詳しくは過去記事をみてちょ↓
 
 
この過去記事にもあるように、ダイワやオリムピックといった大手メーカーが70年代後半の投げ釣りバブルの時代に、わざわざ高価な投げ専用機にだけ投入した中膨れスプールですが、大森はゴムのエコノマイザー1個で、はるか以前に決着をつけていたのです。
 
このように、大森のリールは、機械屋の良心やプライドをひしひしと感じられる心のこもった逸品なんですねー。
 
 
 
短時間勝負で漁港などの軟弱ポイントばかりの最近は、もともとはサブのリールとして購入したダイワのロングビームばかり使ってますが(惜しくないので…)、大物用には大森のマイコンを4台揃えて用意しています。
またそのうち詳しく紹介しましょうかね。
 
って、だれもこんなマニアトークは読んでくれないかな?
血の通った道具で楽しみたいと思うのは、もはやある種の変態なんですかねえ(笑)
ま、一度お手元の愛機をじっくり見てみてください。
うひょひょひょひょ~