というわけで、続きです。

 

いろいろと探してみると、わかりやすいページが見つかりました。

 

 

私が書いた、マッチング回路なのになぜコンデンサがないのかという疑問が解けました。それは、「アンテナをわずかに短くすることで、アンテナ自身に容量性リアクタンスを持たせている」からなんですね。なんだか目から鱗でした。それにしても、「ヘアピン・マッチは共振状態のアンテナにおいて、50Ωよりも低い場合に使用できます」の意味を取り違えていました。

 

私は、「ヘアピン・マッチは共振状態のアンテナ」を「(アマチュアバンド内において)共振状態でなければヘアピン・マッチは使えない(Z=R+jXのアンテナにおいてjX=0の状態)」と理解していたのですが、この文章は、「インピーダンスが50Ω以下を示す周波数が(アマチュアバンド外でも)共振状態であればよい」という意味(Z=R+jXのアンテナにおいてR<50Ωの状態)のようです。ですからJH1GNU小林OMが図示したヘアピン・マッチをすると共振周波数が「低い方へ動く」ということも、そもそも容量性リアクタンスを持たせた(=アンテナを短くする=アマチュアバンド内で共振しているとは限らない)状態でマッチングをとるわけですから、その容量性リアクタンスを打ち消すような誘導性リアクタンスを追加(=ヘアピン・マッチを取り付ける)すれば、当然、共振周波数は下がるわけです。

 

また、その調整も、普通は先にアンテナを目的の周波数に共振させ、その後インピーダンスマッチングをとりますが、ヘアピン・マッチの場合は、少し短めにアンテナを作っておいてヘアピン・マッチでインピーダンスを調整し、その後アンテナを目的の共振周波数に合わせるというのも面白いと思いました。リアクタンスを多少変化させてもインピーダンスがそれほど変わらないことを利用した調整方法で、やってみる価値が大きいように思えます。

 

ヘアピン・マッチと言えば、私の場合、開局の頃に使っていた市販の50MHzの1/4GPに付いていたものです。50MHzで20cmくらいアルミ線を曲げたものがついていました。全くの初心者だったのでヘアピン・マッチという名前こそ知っていましたが、どういう原理なのかさっぱりわからないでいました。

 

古いアンテナハンドブックを読み返してみると「スタブ・マッチ」というものが出てきました。平衡給電フィーダーに用いられる例を示しているところが、年代物ですが、これがヘアピン・マッチの元のようです。

 

ローバンドにおいては、先の50MHzの例にとらわれ、「50MHzで20cmくらいなのだから、1.8MHzなどではとんでもない長さになりそう」というのも、ヘアピンの代わりにコイルでマッチングを取るというのも目から鱗です。

 

※ 読み返してみて、自分でもよくわかりにくい表現を直しました。それでも、まだ伝わらないかもしれません。それは、ごめんなさい。私の表現力不足です。そもそも、普通は上に書いたように、アンテナを共振させてからインピーダンスのマッチングを考えます。ですから、アマチュアバンドに共振していないアンテナのインピーダンスを整合することなんて考えもしませんでした。共振周波数とインピーダンスはどちらかが動くともう一方も動くというパラメータなので、本来はどちらが先ということもないはずですが、半世紀以上前からモノの本には「共振周波数が先」と書いてあったものを鵜吞みにしていました。しかし、ローバンドのアンテナにおいては、インピーダンスの整合を先にするというのもよいのかもしれません。いずれにしてももう少し経験が必要なようです。