もう,こうなってしまうと筆者の親族用回線をKDDI(au)からdocomo回線にMNPして,「irumo」3GBとかにしてしまえば(料金・容量的にもほぼ「スマホスタートプラン」と大差ないし)いいか,というところまで来てしまった.
すると「主回線」の「ギガライト」の割引額も1,100円/月(最大値)まで大きくなる.
これまでの「@ezweb.ne.jp」が使えなくなるのだが(料金払えば別だが),限られた親族にしか使っていないので,連絡しておく先もそんなにはない.これもGメールとかで充分だ.
「auじゃなくなるから,アドレス変わる」とメールを送ってみたが,一つ間違うと「ナントカ詐欺」紛いであることに,後から気が付いた.難しい世の中になったものだ.
こうなったら,もう「MNP予約番号」も発行させておこう.
しかし「現在契約しているau電話から番号通知して掛けろ」と書いてある.違う携帯電話から架電すると,何だかややこしくなりそうだ.
固定電話も「あり」のように読めたので,自宅の電話から掛けてみたのだが……
「……『00』から始まる番号にはお繋ぎできません……」
……何てこったい.
どうやら,これが「ひかり電話」の仕様らしい.
仕方がないので,今にも爆発するんじゃなかろうか,な「SH-RM18」にauSIMを戻して発信.
こちらとしては,極力感情を押し殺した口調で「MNP予約番号の発行をお願いしたい」旨だけ告げると,オペレータのおにーさんは,よくある「引き留め」についても「マニュアル上,どうしても『読まなければならない』ところ」だけを,敢えて「棒読み」するように淡々と手続が進んだ.こちらの「強固な意志」が伝わってしまったらしい.
全体的に丁寧かつ無駄のない対応で,正直なところ,ここ数年間のKDDIの対応の中では,飛び抜けて良かったと思う.このような人材を,MNPセンターに置いてちゃダメだろ…….
最後に,これもマニュアル通りなんだろうけれど「長きにわたりauをご利用いただきましてありがとうございました」といわれた際の口調にも,恐らく端末画面上に出ていたであろう「契約期間:29年8か月」あるいは「契約日:1994年4月」という表示を見ているだろうな,というものが感じられた.
ありがとう,おにーさん.
最後に少しだけ,KDDIのイメージが改善したよ.
ということで,家事都合により一度帰宅していたが,再度外出してauショップへ向かう.
特に予約もしていなかったのだが,店はさほど混んでいないようだったので,受付のスタッフに事情を話した.
すると「端末がSoftBankならば,端末の不具合の可能性があるのでSoftBankショップで訊いて」と言われてしまう.
いや,auのSIMを,KDDI自身が「動作確認済」としてウェブサイトで公表している端末で,KDDIサイトに載っている手順書(最近確認したら「+」から入るバージョンに変わっていたと後日判明)に従って設定しようとしても進まないのだから,KDDI側に問題が潜んでいるような気がするのだが…….
まあ,確かに「他社携帯電話機の設定・操作方法については,お客さまご自身でご確認いただくか,発売元の事業者までお問い合わせください」とも書いてはあるのだが,これをソフトバンクに訊いても同じことになりそうな気しかしない.
だが,これ以上auに食い下がっても仕方ない.
すぐ近くにSoftBankショップがあるのは知っていたので,そこに行ってみることにした.
最初に断っておくが,筆者は現在SoftBank(本体)の顧客ではない.強いて言えば「LINEMO」が1回線あり,ワイモバイルに親子3人で契約している……まあ,顧客と言えばそうかも.
なのだが,今回の件では,あまりSoftBankは関係ないような気もして申し訳ないのだが,端末を販売したのがSoftBankということでか,かなり丁寧に調べてくれた.
その昔,IDO時代の対応は良かったんだけどなあ……と思うのだが,KDDIとしてセルラーなどと「統合」された結果,どうも「ホスピタリティの質」が低下した気がしている.
かつて「殿様商売」と感じたdocomoも,今では「ごく普通の対応」だし,知識やスキルの面では安定したスタッフが多いと思う.
IDOの頃は主要株主としてのトヨタの存在感が強く,トヨタ系ディーラー張りの「密着営業」だったのだが,今では「客を口車に乗せて,あれやこれやと売りつける」部分だけが残ってしまったかのようにすら思えて仕方がない.「au統合」でセルラー系の「その他大勢」と混ざってしまったためではないか,とも思っている(国内他社がほとんど撤退した中,今でも端末を供給し続けている京セラには敬意を表するが).
個人的には,ショップを経営する会社にもよるのだとは思うが,自身の周辺ではSoftBank系の対応が一番丁寧に感じる.恐らく所謂「3大キャリア」の中では「最後発」というスタンスから,如何に顧客を呼び込み,定着させるか,という姿勢が最も強く感じられる.
尤も,これらの「評価」は顧客対応についてのものであり,サービスの品質や料金面では,全く違ったことにならざるを得ない部分は多々ある.
結局,SoftBank的には「端末自体に問題はなく,少なくともSoftBankで用意できるSIMは(SoftBankで買った端末なので当然なのだが)普通に使えるし,SIMロックは掛かっていないので,APN設定さえできれば,(周波数帯の対応さえ合うなら)どこのSIMでも使えるはず」とのこと.
確かに,この「SH-M18」系については,5Gの「n79」や4Gの「Band19(850MHz帯)」に非対応なので,docomo回線との相性は(他キャリアに較べると)やや良くないが,全然使えない訳でもない.逆に3大キャリア全てに割り当てがある「Band28(700MHz帯)」にも非対応だから,販売を取り扱ったauやSoftBankにしても,全てのバンドに対応できている訳でもないのだ.
ちなみにこの「Band28」は,今般,楽天モバイルが「新規獲得」した「プラチナバンド」を含む帯域だ.つまり,この「SH-RM18」は楽天モバイル版モデルでありながら,楽天モバイルの「プラチナバンド」には非対応,という皮肉な結果になった.
なお,「Band28」については帯域すべてに対応している端末もあれば,分割して「28A(703-733/758-788MHz)」「28B(718-748/773-803MHz)」と呼ばれる帯域のみに対応している端末もあったりと,ちょっとややこしい.楽天モバイルに割り当てられるのは,715-718/770-773MHzの上下3MHz幅だけなので「28B」のみに対応している端末では不可である.
実際に,長男が使用している「SHG05・(au版)AQUOS Sence6」は,SoftBankが「プラチナバンド」として使用している「Band8」と「Band28」の双方に対応していないため,「ギガ対策」として突っ込んでいるワイモバイルとの相性は良くない筈なのだが,「Band1(2.1GHz帯)」や「Band3(1.9GHz帯)」だけでも「普通に使えてるよ」とのこと.そんなもんなのだ.
ちなみに,先日の機種変更(&MNP)まで長女が使用していたのは「Google Pixel6」で,これは3大キャリアの主要波の大半をカバーしているから,当然au+ワイモバイルでも問題はなかった.
SoftBankショップには手間を取らせてしまい,「auでは相手にしてくれない」愚痴まで聞いてもらって同情されたから,いっそこの場でSoftBankに……とも思ったものの,いくつかの利用サービスの関係で思い留まる.
いや,普通の人には「auよりSoftBankのほうがいいよ」って宣伝するから,許してちょんまげ(死語).
こうして「問題は全てauにあり」という結論に達した.