三島で一度途中下車して,伊豆箱根鉄道の改札へ回る.
 出札口に長男の身障手帳を提示し,修善寺までの往復乗車券を購入.三島・修善寺間の普通運賃は510円.これが障害者割引で260円になり,小児は更に半額の130円.二人で往復しても780円になる.


 復路の特急券は別途購入するにしても,乗車券部分は,この「伊豆箱根鉄道の復路分」に「連続乗車券第1区間の残り」と「連続乗車券第2区間」を継ぎ足して使うことになる.

 

 さて,これまたスムーズに進んだので,三島12時29分発の修善寺行57列車に乗ることができた.


 セミクロスシートの3両編成で,3割ほど座席が埋まる程度.連休中の観光地路線ではあるものの,やはり運転頻度が高いためか,混雑してはいない.
 すれ違う列車を見ていると,ロングシートだけの車両もあれば,簡易転換クロスシートの車両もあるようだ.まあ,このセミクロスシートくらいが,ローカル線で旅をしている気分になるには,丁度いいように思えてくる.
 いや単に,さっきまでロングシート続きだったから,余計にそう思えるのかも知れないが.

 

 車内は空いていて,先頭車両に乗ったので,運転台の後ろに行ったり,この辺りからでも車窓に見える富士山を眺めたりして13時04分に終点・修善寺駅に到着.

 片道35分,長過ぎず短過ぎずのローカル私鉄「初乗り」が終わった.
 いや,正確には「多分『初乗り』だと思われる」だろう.


 関東圏外ではあるが,充分日帰りができるエリアにあり,あまりにも身近なため,これまで乗ったことがあったかどうか,定かではなかった,ということかと.

 

 改札を出て,さてどうするか.
 改めて時刻表を確認すると,14時18分発の特急「踊り子110」号・東京行がある.これならば,横浜着が16時07分,東京着も16時32分で,大船ならば15時52分着.
 明るいうちに帰宅できそうで悪くない.

 

 まだ1時間以上あるので,自由席特急券だけ購入.大人980円(障害者割引は乗車券と「急行料金」だけのため「特急券」は対象外)なので,親子で1,470円.


 最初の計画では,復路は熱海から東海道線の普通列車グリーン車を利用しようかと思っていたので,大人もこどもも同額の780円×2人=1,560円を覚悟していたから,却って割安に.元々廉価な「B特急券」区間であることも安さの要因だが.
 座席のグレード自体は,E231/E233系のグリーン車と,リクライニング化した185系普通車では,ほぼ同等.それで「安くて速くて乗換なし」なら,選択肢としては正しかろう.
 しかし,カード払いができず現金で支払ったのは仕方ないとして,特急券の券面上の区間が「三島⇒大船」になっている.何と,伊豆箱根鉄道線内の特急料金は無料なのだった.そのためか,券そのものは(修善寺駅発行となってはいるが)JR東海地紋のマルス(MR)券.これならば,三島駅ででもカード払いで買っておけば良かったか.

 

 待ち時間の間に,駅前にあった蕎麦屋で昼食.
 駅に戻ると,発車までまだ30分近くあるが,既に「踊り子110号」は入線しており,ドアも開いているようだ.


 そこで,構内にあったセブンイレブンで車内用のドリンク(とつまみ)を調達し,改札から入る.

 出札の表示では,この次の「踊り子」は指定席満席,と出ていたが,この列車は自由席にも余裕があった.


 5両中2両が自由席で,しかも始発駅から乗るのだから,まず座り逸れることはないと踏んでいたが,結果的に,小田原からでも大丈夫なくらいの乗車率だった.

 伊豆箱根鉄道線内では,大仁,伊豆長岡,大場,三島田町にのみ停車と,速達性が高い割に料金不要というのはなかなか良い.
 JR線内に入ると,伊豆急下田からの編成を併結する熱海,その後は湯河原と小田原に停車し,そこから大船まで無停車.平塚や藤沢も通過するのは,なかなかスピード感がある.

 残念なのは,車内販売がなかったこと.


 ただし,熱海では併結する伊豆急下田からの編成の到着が遅れたこともあり(そうでなくても元々7分の停車時間がある),買い物をする時間は充分あった.


 附属編成の末尾11号車に乗っていたので,長男は「連結作業,見に行く」とホームへ.

 新幹線でも「連結」する列車が大好きだったので,「連結」と聞いて血が騒いだらしい.

 

 こうして,6時間半足らずの小旅行が終わった.
 御殿場線と伊豆箱根鉄道駿豆線という,「近くて遠い」2路線を片付け,普段乗る機会のない車両型式にも幾つか乗り,長男は御満悦.

 

 次回は一体,どこに行くことになるのだろうか.